シャーロック・ホームズの俳優「ピーター・クッシング」の英語はどんなイギリス英語なのか?


イギリス人俳優のピーター・クッシングが話す英語の発音について分析してみました!



皆さん、こんにちは。いつも当サイトを読んで頂きましてありがとうございます。

今回の記事では、嬉しい事にまた読者の方から質問を頂いたので、その質問に答えてみたいと思います^^。

今回のテーマは「ピーター・クッシングというイギリス人俳優の話す英語の発音と話し方」についての質問になります。

それでは、頂いた質問内容はこちら:


読者の方の質問:


いつも当サイトを楽しく拝見しています。

私はイギリス文化が好きで、英会話も出来るだけブリティッシュアクセントになるように心がけています。

外国の方と話していて、「君はブリティッシュアクセントだね」と言われるので、少しは出来ているようです。

海外の映画を観る際も、日本語字幕があればだいたいは聞き取れ、英語字幕があればほぼ理解できているつもりです。

因みに、スターウォーズが大好きで、この映画の英語ならほぼ聞き取れます(笑)。この映画のエピソード4に出演している、Peter Cushingをご存知でしょうか?

映画を観ていて気になったので、ブリティッシュ英会話の練習がてら、彼の出演ドラマを「Youtube」で探して観ています。

しかし、このドラマ中の英会話がとてもとてもとても早く、スターウォーズとは大違いです(笑)

また、rの発音等、独特のアクセントがあるように思います。彼の世代特有の発音なのか、それとも階級か、地域の方言なのか、わかりません。

ご教授いただければと思います。




先ずは、ご質問ありがとうございました!そして、当サイトをいつも読んで頂きましてありがとうございます。

今回の質問に答えるためにまずは、知らない方の為に「ピーター・クッシング」という人物をちょっとだけ紹介してみたいと思います。

シャーロック・ホームズの俳優「ピーター・クッシング」の英語はどんなイギリス英語なのか?
シャーロック・ホームズの俳優「ピーター・クッシング」の英語はどんな発音なのか?


こちらの発音に関する記事もお勧めです:




イギリス人には”シャーロック・ホームズ”で御馴染みの「ピーター・クッシング」とは?



皆さんは、ピーター・クッションをご存知でしょうか? 彼は20世紀に活躍していたとても有名なイギリス人俳優でした。彼はイギリスのサリー州(ロンドンの周辺)で生まれ育ちました。

彼は若い頃にカレッジでドラマと音楽を勉強して、1939年にハリウッドへ向かいました。彼はハリウッドでシェイクスピアの「ハムレット」に出演しましたし、「The Man in the Iron Mask」という映画にも出演しました。

しかし、ピーター・クッシングは1950年代に”ホラー映画”で有名になりました。彼の最も有名な役といえば、1957年に出た「The Curse of Frankenstein」と1958年に出た「Dracula」です。

ピーター・クッシングが初めて「シャーロック・ホームズ」の役を演じたのは、1959年に作られた「バスカヴィル家の犬」でした。1960年代にはシャーロック・ホームズのテレビドラマシリーズにも出演しています。

実は多くの(年配の)イギリス人にとって、シャーロック・ホームズと言えば、ベネディクト・カンバーバッチではなく(笑)、ピーター・クッシングなんだと思います^^











それでは、ピーター・クッシングが話す英語を分析していきましょう。

以下の動画が読者の方からご紹介頂いた動画になります:




これはBBCテレビで放送された「The Blue Carbuncle」というシャーロック・ホームズのエピソードです。1968年に放送されたエピソードでは、ピーター・クッシングはシャーロックの役を演じています。

ピーター・クッシングの英語は当時の典型的な「RPの発音」です。RPとは、元々イギリスの私立学校で使われている「正しい」イギリス英語の発音です。

しかし、現代のイギリス人の若者の立場からみると、ピーター・クッシングの発音はとても古く「アッパークラスっぽい」です。そういう発音を使う人は現代はとても少ないです。

1950年代~1960年代当時のテレビ番組や映画に出演していた俳優の殆どは、そういった所謂「アッパークラスっぽい」発音を使っていましたが、1970年代、1980年代からは、様々な地方訛りや社会方言(=sociolect=階級による発音という事)がテレビで使われるようになりました。

ピーター・クッシングが使っていたRPの発音は20世紀の前半で使われていた典型的なRP発音でした。

それでは、以下にそれらの特徴を紹介したいと思います。


1. 「a」は「e」に近い発音になる


例えば、「land」(ランド)という単語は「lend」(レンド)に近い発音になります。


2. 「o」は「or」に近い発音になる


例えば、「gone」(ゴン)は「gorn」(ゴーン)に近い発音になります。


3. 「y」は「ey」に近い発音になる


例えば、「actually」は「アクツアリー」ではなく、「アクツアレー」に近い発音になります。


4. 20世紀の前半の「r」は現在の「r」より「巻き舌っぽかった」


ピーター・クッシングが「r」を言う際に彼の発音を聞いてみてください。現在のイギリス人が発音する「r」と少し違います。彼は少しだけ「巻き舌の発音」になっています。それは当時のRPの発音の特徴でした。




エリザベス女王の発音も変わった?!



私は以前にアップした記事で「エリザベス女王の発音」について書いた事があります。ピーター・クッシングの発音を聞けば分かると思いますが、時代は流れてイギリス英語のRPの発音も少しだけ変わりました。

エリザベス女王の発音も大分変わったそうです。エリザベス女王が初めて女王になった当時、ピーター・クッシングと同じようなRPの発音を使っていました。

参考記事:「クイーンズ・イングリッシュってどんな英語!? エリザベス女王の発音はもうクイーンズ・イングリッシュではないのか?


しかし、現在のエリザベス女王の発音を聞くと昔とはかなり違います。エリザベス女王は昔「a→e」のような発音を使っていましたが、現在は彼女も「a」という発音を使っています。

そして、「巻き舌のr」も消えました。それでは、エリザベス女王の昔の発音と現在の発音を比べてみましょう。


1957年のクリスマス・デイ・スピーチ





この動画に出る発音は当時のRPです。例えば・・
  • often → オーフン
  • family → フェミレー
  • that → ゼアト
  • very → (巻き舌の)ヴェレー



2017年のクリスマス・デイ・スピーチ





この動画は一つ目の動画の60年間後に作られました。エリザベス女王の年齢もあると思いますが、発音が時代と共に変化したという事も大きいと思います。現在の女王様の発音は昔よりも「少しソフトになった」という印象を受けます。


以上になりますが、頂いた質問にはちゃんと答えられましたでしょうか?(笑)。まとめると、ピーター・クッシングは20世紀の前半のイギリス英語発音を使っていました。

イギリス英語のリスニングの練習には良いと思いますが、実際に話す際に彼の発音を真似すると相手に少し変な印象を与えると思います(笑)。

少し極端な例になりますが、例えば日本人が彼の発音を真似して英語を話すと、私が昔の侍のような日本語を話す事と同じくらい変な事だと思います(笑)。

現在のイギリス英語の発音を練習するためには、もう少しモダンなイギリス人俳優の発音がお勧めです^^ 他の質問があれば、是非ご連絡くださいね^^








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