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「しあわせはどこにある」というイギリス映画を使ってイギリス英語の学習に役立てよう
今回は久しぶりになります(2週間ぶりくらい!?)イギリスの映画作品を紹介してみたいと思います。今回紹介する映画はサイモン・ペッグというイギリス人の俳優が出演している映画です。
皆さんはサイモン・ペッグをご存知ですか? 彼は今までに数多くの有名なイギリスの映画に出演している俳優です。かなり個性のある面白い俳優なので、ご存知の方も多いと思います^^
サイモン・ペッグといえば、私は今までに当サイトで紹介した「Shaun of the Dead」、「The World’s End」、「Hot Fuzz」というイギリスの映画にも出演しています。
そして、イギリス映画だけではなく、ハリウッド映画の「Mission Impossible」や「Star Trek」にも出演していた俳優です。

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「Hector and the Search for Happiness」(しあわせはどこにある)のストーリー紹介
今回紹介する彼の出演作品は「Hector and the Search for Happiness」という映画です。日本語のタイトルは「しあわせはどこにある」と言います。この映画は2014年に上映された作品です。
この映画の舞台はロンドンで、主人公はヘクターという精神科医(サイモン・ペッグ)です。彼の人生はまるでパーフェクトのようにみえます。
彼は素敵なアパートに住んでいますし、素晴らしい彼女(クラーラ)もいます。仕事も順調で全てがうまく行っているようにみえますが、実は彼は心の中でそのライフスタイルに飽きています。
ですから、彼は「幸せの意味」を探すために世界一周旅行をしに行きます。クラーラはロンドンに残ります。
ヘクターはイギリスから出て上海に行きます。上海ではお金持ちの若者と一緒に遊んで過ごします。その後、彼はアフリカに行って大学時代の友達と一緒にボランティア活動をします。
アフリカにいる間ローカルの悪者に巻き込まれて死にそうな状態になりますが、最後にヘクターはロスアンゼルスに行って元彼女と再会します。
ロスアンゼルスにいる間にヘクターは自分の「幸せ」がやっと分かるようになっていきます。
おおまかなストーリーはこのような感じになります^^ これ以上ストーリーを説明してしまうと映画の楽しい部分がわかってしまいますので、これで終わります(笑)。
それでは、ただの映画紹介ではつまらないので、これから映画に出てくる台詞のイギリス英語を分析していきたいと思います。
「Hector and the Search for Happiness」の英語について
この映画の主人公も含め、他の俳優や女優も殆どイギリス人なので、映画を見ればイギリス英語のリスニングの練習になります。しかし、私はこの映画を観た時に「色々と矛盾している点」に気がつきました。
例えば、「I’m at the end of my rope」(=私はもう限界だ!)というイディオムが映画中に出てくるのですが、私が書いた「British English Idiom Master」というebookを読んで頂いた方は分かると思いますが、「I’m at the end of my rope」はアメリカ英語のイディオムです。
イギリス人は「I’m at the end of my tether」という言い方を使います(笑)。そして、私は「このようなストーリーはあまりイギリスっぽくない」と感じました。
やはり、この映画について色々調べると、元々フランス語で書かれた小説に基づいた映画のようです。そして、映画のスクリプトはアメリカ人とスウェーデン人とイギリス人によって書かれましたので、かなり国際的な英語が出てきます。
映画では「国際的な英語」が使われていますが、上記のイディオム以外、殆どのボキャブラリーはイギリス英語です。
例えば、「trousers」(ズボン)、「university」(大学)、「book」(予約する)などのイギリス英語のボキャブラリーが使われています。
エドワードという大金持ちのアメリカ人とヘクターの最後の会話:
エドワード: You’re a very, very strange person, Hector. The kind of person I normally would avoid like the plague. Glad I didn’t, buddy.
(ヘクター、あなたはとてもとても変な人ですよ。私は一般的に君みたいな人を避けるよ。でも、避けなくて良かったと思うよ。)
ヘクター: Thank you, Edward.
(ありがとう、エドワード。)
エドワード: I mean it.
(本当だよ。)
「avoid like the plague」というイディオムを直訳すると「疫病のように避ける」という意味になります。
これは変な日本語になるかもしれませんが、簡単に訳すなら、「~がとても嫌な事だから近寄りたくない」という意味になります。
「buddy」はアメリカ英語の表現で「友達」という意味になります。エドワードがアメリカ人のキャラクターなので、アメリカ英語の表現を使います。イギリス人であれば、「mate」という単語を使うかもしれません。
マイケルというアフリカで活躍している医者とヘクターの会話
マイケル: You know you could always stay awhile. We sure could use another medical doctor.
日本語訳:(もう少し長くここにいたら?もう一人の医者が必要だよ。)
ヘクター: It’s tempting. I mean, watching you all week. You are a necessity. Me, I’m just… I’m a luxury. I sometimes feel like psychiatry comes with affluence. You know, the richer the city, the more psychiatrists there are per square mile. What does that tell you?
日本語訳:(それを考えているよ。ね、私は今週ずっとあなたの活動を見ているよ。あなたの存在は必要なんだよ。私はただ、ただの「贅沢」だよ。精神病はお金持ちの病気だよ。町が豊かになったら精神科医の人数が増えるね。それで分かるだろう。)
マイケル: It tells me you’re being too hard on yourself. Come on, Hector, it’s not some kind of a competition. The mind can hurt as much as the body.
日本語訳:(あなたは自分に厳しすぎるよ。ねえ、ヘクター、精神科医も必要だよ。心は体と同じように痛むよ。)
「luxury」という単語は「贅沢」という意味になり、英語では形容詞、名詞として使う事が出来ます。「affluence」は名詞で「豊かさ」、「裕福」という意味になります。
以上、気になる台詞を翻訳してみましたが、それ以外にもこの映画によく出てくるキーワードを紹介したいと思います。
- psychiatrist・・・精神科医
- psychiatry・・・精神科
- patient・・・患者
- happiness・・・幸せ
- medication・・・薬
- journey・・・旅
- coincidence・・・偶然
- cheating・・・浮気
- research・・・研究する・研究
- unhappiness・・・不幸
この映画のスクリプトはこちら:Hector and the Search for Happiness (2014) Movie Script
「Hector and the Search for Happiness」を観るには
私はU-NEXT(ユーネクスト)
Hector and the Search for Happiness (Hector's journeys)
posted at 2017.3.13
François Lelord,Lorenza Garcia
Gallic Books
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