パディントンの本に出てくるbagsやbagsyとはイギリス英語でどういう意味?
皆さんは「パディントン」というキャラクターをご存知でしょうか? 以前、このサイトでも紹介した事がありますが、パディントンは、元々小説に基づいているキャラクターです。パディントンの小説は1950年代に初めて出版されました。パンディントンはペルーからロンドンまでやってきたクマさんです。
彼はダッフルコートを着ていて、スーツケースを持ちマーマレードを沢山食べる可愛いクマさんです(笑)。パディントンはとても礼儀正しく、少し古い話し方をするクマです。
それは何故なら、彼はペルーの森に住んでいた頃に古い英語フレーズ集で英語を学んだ為です(笑)。とにかく、パディントンはイギリス人の子供と大人に愛されているキャラクターです。
まだパディントンを読んでいないという方は、是非、読んでみてくださいね^^ それでは、今回の質問はこちら:
Mairiさん、はじめまして。
去年こちらのブログを見つけたときから大好きになり、こまめに拝見しています。
その後数か月かけて最初から全部の記事を通して読みました。おかげ様で大好きなイギリス英語やイギリスの文化についてだいぶ理解が進んできたように思います。
いつも楽しく丁寧な解説をありがとうございます。今日はパディントンの本について質問させてください。
私はパディントンのユーモアや暖かい雰囲気が大好きで、現在イギリス英語の勉強のために一話ずつ精読してます。
ですがかなり昔の作品なので、もしかすると現在では使われない、もしくは使うと違和感のある表現があるのではと気になっています。
昔はよく使われていたけど今はあまり見かけない表現はありますか?
例えば“Bags you take my picture first”なんて今でも言うのでしょうか。
もしそのうちブログのネタにしていただけたら嬉しいです。
参考に、こちらに1話分が読める記事のリンクを貼ります。
(初期のお話なので、出てくるカメラが時代を感じさせます)
http://jammytoast.com/paddington-bear-9/
これからも記事楽しみにしています。^-^
いつもご質問ありがとうございます! そして、British Eigoを読んで頂きましてありがとうございます。
それでは、まず頂いた質問に答える前に「bags」または「bagsy」という表現をクローズアップしてみましょう。
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「bags」や「bagsy」とはどういう意味なのでしょうか?
「bags」または「bagsy」は「私が先に~をやるぞ!」という意味になる表現です。この表現は主に“イギリス人の子供”がよく使います。ちみなにアメリカ英語では使われていないと思います。
自分が「何かを他の人より先に取りたい」時や「これは私の物だぞ!」と主張したいという際に使う表現です。ですから、パディントンに出る「Bags you take my picture first」という文章は「私の写真を先に取ってもらうぞ!」という意味になります。

この表現は1950年代にイギリスの子供達によく使われていましたが、現在でも耳にする表現です。私も子供の頃はよく使った思い出があります。「bagsy」は元々「bag」という動詞から来ています。
「to bag 物」という表現は元々ハンティング(狩り)から来た表現です。つまり、ハンティングで「撃ち落とした鳥をbag(鞄)に入れる」というイメージから来ている表現です。
そして「bags」はオーストラリア英語でも使われています。
イギリス人が「bags/bagsy」を使う際の例文:
Bags I sit in the front seat!
(僕が前の席に座るぞ!)
※子供が車の助手席に座りたい時(他の兄弟より早く助手席を取りたい時など)
Bagsy I sit next to Katie!
(私がケイティの隣に座るよ!)
※好きな友達の隣に座りたい際に使う表現
Bags I bring the cakes!
(私がケーキを持っていく係りだよ!)
※友達と一緒にパーティーの計画を立てている際に使う表現
「bagsy」は”動詞”としても使えます。それでは、実際の例文で確認してみましょう。
イギリス英語で「bagsy」を動詞で使う際の例文
Hey, I bagsied the front seat! Mum, tell him to sit in the back!
(おーい!私が助手席を先に取ったよ!お母さん、彼に後ろに座れよって言って!)
I think Mike likes Kate. He always bagsies the seat next to her!
(マイクはケイトが好きだと思う。彼はいつも彼女の隣の席をわざと取るから!)
そして、「to bag ~」という動詞も使えます。「bagged」という”過去形の表現”は「~を手に入れた」という意味になります。
イギリス英語で「bagged」を使う際の例文
He’s bagged the best seat again!
(彼はまた一番いい席を取りやがった!)
Kate bagged the last biscuit.
(ケイトは最後のクッキーを取った。)
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パディントンに出る古いイギリス英語について
以前にもお伝えした事がありますが、、パディントンは1950年代に書かれた作品なのでで、当時のイギリス英語の口語が出てきます。ですから、その中には、現在使われていない口語(スラング、表現、イディオムなど)が、時々出てきます。
私は読者の方が送ってくれたページを読んで、もう現在のイギリス英語で使われていない表現をいくつかピックアップしてみました。殆どの文章は普通の英語なので「古い」という感じはしませんが、子供たちの会話に少し歴史を感じる表現が出てきます。
Crikey!:意味 = 驚きの表現
Gosh!:意味 = 驚きの表現
この表現も少し古いと思います。アメリカ人は「oh my gosh!」と言いますが、イギリス人がもし「gosh」という表現を使うと少し古くて「posh」に聞こえます。
Super:意味 = すごい、素晴らしい
ジョナサンというキャラクターは「I think it’s super」(僕は(カメラが)凄いと思う)という表現を使いますが、現在の若者は「super」の代わりに「cool」や「amazing」、「awesome」などの単語を使うと思います。
haven’t any:意味 = ~を持っていない
most complicated:意味 = とても複雑
under the bedclothes:意味 = 掛布団の下
現在のイギリス人は(元々ヨーロッパ風の)「duvet」(ダウンやコットンで詰めた掛布団)を使います。「bedclothes」は私のお祖母ちゃんが使いそうな表現です(笑)。
jolly well:意味 = 本当に、実は~そうだ
現在のイギリス人は、この代わりに「bloody well」や「flaming well」と言います。
Good heavens!:意味 = 驚きの表現
rather:意味 = 結構、かなり
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パディントンをまだ読んでいない人は是非読んでみてください! そして、英語では少し難しそうだな・・という方には日本語版もあります。
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パディントンの映画作品:
最近、作られたパディントンの映画もとても可愛く描かれていますし、イギリス英語のリスニング練習にもなりますので、是非ご覧下さい!
以上、パディントンに出る古いイギリス英語を紹介してみました! 他にも質問があれば、是非遠慮しないでご連絡くださいね^^!
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