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「主語と動詞の倒置」とはどういう意味? Inversionとは? 

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god is it worth itの意味とは? 倒置のルール・ニュアンス「主語と動詞の倒置」を解説


皆さんこんにちは。今回は読者の方から頂いた「主語と動詞の倒置語順の倒置(inversion)」」というテーマについてお話していきたいと思います。



実は今回のテーマは少しだけマニアックな英文法の質問です。私もこの文法についてあまり詳しくなかったので、質問に答えるために色々調べる必要がありました。

それでは、実際に頂いた質問はこちらになります:


読者の方の質問:



「こんにちは。最近、こんな文を見ました。

Mrs. Dalloway is not the kind of book easily read on a train or on a bus, but god is it worth it.

上の文のgodのように感嘆文(?)の後に主語と動詞の倒置が起こっているのをたまにみかけるのですが、これは何か文法的なルールや倒置によって起こるニュアンスの変化などがあるのでしょうか?

今まで英文法の参考書などで見かけることがなかった倒置の例だったので、解説していただけると嬉しいです^^」



先ずはご質問ありがとうございました。そして、いつも当サイトを読んで頂きましてありがとうございます。

先程もお伝えしたように今回頂いた質問は少しマニアックな文法ですね。何故ならこの文法は日本人向けの英文法ガイドにはあまり出てこないと思います。

私はこの質問に答えるために「語順の倒置」(英語:inversion)について色々調べましたので、今回は出来るだけわかりやすく簡単に紹介したいと思います。





語順の倒置(inversion)とは?


語順の倒置(inversion)とは?

この「inversion」とは、いつもの「主語・動詞・目的語」という語順を”逆の順番“にするという事です。これは様々な英文法パターンで起こります。例えば、肯定文を疑問文にする時には「単語の順番」を変えますね。ちょっと例文で具体的な例をみていきましょう。

肯定文: They are happy

疑問文: Are they happy?


これはとても簡単な例ですが、他のパターンでも「inversion」が使われています。それでは、他のinversionの使用パターンをみていきましょう。



否定副詞の前置のinversionの場合


否定副詞の前置のinversionの場合

まず「否定副詞」とは「never」(けして~ない)や、「hardly」(殆ど~ない)、「seldom」(滅多に~ない)、「little」(殆ど~ない)といった副詞です。

これらの副詞は否定文でよく使われます。一般的に否定副詞は下記のように使われています。実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。


否定副詞のinversion 例文:



I have never been to such a beautiful place.
(私は今までこんなに美しい場所に行った事がない。)


しかし、この語順を変える事も出来ます。


Never have I been to such a beautiful place.
(私は今までこんなに美しい場所に行った事がない。)


上記の二つの文章は同じ意味になりますが、2番目の文章では”副詞が文章の前”に移動して主語と動詞の順番が逆になりました。2番目のパターンを使うと、「Never」という副詞を強調しています。

このようなパターンは小説や作文などでよく使われています。この種類の「inversion」は「文学的な」ライティングツールです。日常会話であまり使われていないパターンですね。




仮定法のinversionの場合


私は、以前、日本の高校で仮定法を教えた事がありますが、やはり多くの高校生にとってマスターしにくい文法のようです。

今回は仮定法についての詳しい解説はしませんが、「inversion」の例としてちょっとだけ紹介していきます。


仮定法 inversionの使い方 例文:



If I had known Japanese was this difficult, I would never have started studying it.
(日本語がこれくらい難しいと分かっていたら、初めから勉強し始めなかっただろう。)


上記の文章は普通の「仮定法」のパターンを使っています。つまり、「If+動詞の過去形、would ~」というパターンを使っています。

しかし、このような文章の文法を変える事も可能です。例えば「If」を消して「had」を文頭にもってくる事によって正しい文法として成立します。これもまた「inversion」の例の1つです。


Had I known Japanese was this difficult, I would never have started studying it.
(日本語がこれくらい難しいと分かっていたら、初めから勉強し始めなかっただろう。)


上記の二つの例は同じ意味になりますが、二番目の例では主語と「had」のポジションが逆になりました。最初の例の方が”口語”になります。二番目の例は少しだけフォーマルな印象を与えます。




here/there + goes/comes + 何々というパターンでの使い方


here/there + goes/comes + 何々というパターンでの使い方
このパターンは日常英会話でよく使われています。一般的に「here」や「there」は目的語として使われていますが、このパターンでは語順が全て逆になります。

この文法を使うと「感嘆文」になります。つまり、ただの肯定文としてだけではなく「ポジティブ、ネガティブ」なニュアンスが含まれています。


感嘆文としての使用例:



Here comes the postman!
(郵便集配の人が来ているよ!)


※上記の文章は、何か面白い手紙や荷物を待っている為に”エキサイト”しているような感じです。


There goes my money.
(私のお金はなくなっちゃった。)


※お金がなくなったので「皮肉めいた表現」を使う事によって「お金にさようなら」と言っています(笑)。


Here comes trouble!
(トラブルメーカーが来ているよ!)


※この「トラブルメーカー」はという意味は”本当のトラブルメーカー”という意味ではありません。例えば、ちょっと可愛い憎めないような子供や遊び人の男の子を例える際に使う「愛嬌のあるフレーズ」といった感じで使います。勿論、本気で使う事も出来るフレーズです。


以上、「inversion」を使う三つの例を紹介しました。では、読者の方からの質問に戻ります。



inversionの使い方のまとめ


この「god is it worth it」というフレーズは読者の方が言ったように「感嘆文」です。この「god」は別に「神様」と話しているという意味ではなく、英語ではよく使われる感嘆詞です。

他には、「man!」と「boy!」も日常英会話でよく使われます。どうしてか分かりませんが、「woman!」、「girl!」は感嘆詞として使われません(笑)。

「god is it worth it」という文章は「そこまで努力する意味がある」という意味になります。一般的には「god」などの感嘆文を使わない場合、「It is worth it」という文法(語順)を使う必要があります。

何故なら、「It is worth it」はただの肯定文です。「god」や「man」などの感嘆詞を使い、疑問文のような語順にすると、その意味をもっと大きく強調するという効果があります。

他にも似た例が沢山ありますし、この文法パターンは日常英会話でよく使われています。


godやman、boyを使った感嘆文の例文:



I am hungover → God, am I hungover!
(私は二日酔いです。)


I am tired → Man, am I tired!
(私は疲れた。)


I am hungry → Boy, am I hungry!
(私はお腹が空いた)


She is hot → God, is she hot!
(彼女はセクシーです)



上記の例は、まるで質問のように見えますね。ですから、これらは「rhetorical question」(修辞的な疑問)として考えた方が良いと思います。

つまり、「答えが決まっている当たり前のような質問」として考えた方が良いと思います。イギリス人は一般的に「man」や「boy」をあまり感嘆詞として使いませんが、「god!」や「fuck!」などの単語をよく使います(笑)。


「inversion」についてもっと詳しく知りたいなら、下記のリンクが役に立つと思います。

http://www.learn-english-today.com/lessons/lesson_contents/verbs/inversion.html

http://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/word-order-and-focus/inversion


それでは、長い説明になりましたが、頂いた質問に答える事が出来ましたでしょうか? もし他の質問があれば、是非ご連絡くださいね^^ 英語の勉強を頑張ってくださいね!



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