実はアメリカ英語よりもイギリス英語が主流? イギリス英語の使用国は?
今回の記事では、世界中の中で「アメリカ英語とイギリス英語はどちらが主流なのか?」というテーマを分析して紹介してみたいと思います。
日本では、アメリカ英語が「主流」になっていますが、世界で使われている英語という見方で考えると、実は「イギリス英語の方が主流」なのではないか?という考えもあります。
それでは、何故、世界ではアメリカ英語よりもイギリス英語が主流なのか?という理由を説明していきたいと思います。
今回の記事の意図としては、「どの国がどの種類の英語を使っているのか? 学んでいるのか?」という事を知る事によって、自分のニーズに合わせて勉強したい英語の種類を選べるというところにあります。
それでは、アメリカ英語とイギリス英語はどちらが主流なのか?というテーマを分析しながら「イギリス英語の使用国」と「アメリカ英語の使用国」を紹介してみたいと思います。
アメリカ英語とは? イギリス英語とは? それぞれの違い
イギリス英語の使用国、アメリカ英語の使用国を分析するその前に、まずは「アメリカ英語」と「イギリス英語」のコンセプト・意味をはっきりと定義した方が良いと思います。
まず、簡単に説明してしまうと、アメリカ英語とは、アメリカで使われている英語の発音、スペル、ボキャブラリー、文法、表現(イディオム、スラングなど)を指します。
そして、イギリス英語とは、イギリスで使われている発音、スペル、ボキャブラリー、文法、表現の事を指しています。
もちろん、アメリカ、イギリスともに地方の方言がありますし、階級による発音、言葉遣いの違いがありますが、基本的にはイギリス英語とアメリカ英語を比較するとはっきりと明確に違う点があります。
実は、イギリスとアメリカ以外にも英語圏の各国は自国の「独特な英語(特有の英語)」があります。例えば、オーストラリアにはオーストラリア英語の特徴がありますし、アイルランド英語、ニュージーランド英語、カナダ英語、南アフリカ英語などにも特有の英語表現や単語、スラングがあります。
そして、各国の英語は発音、ボキャブラリーなどが違います。しかし、その中でも「カナダ英語」はアメリカ英語に一番似ています。オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの英語はイギリス英語に近いと思います。
オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカの英語が「イギリス英語に近い」理由としては、それらの国はイギリス英語のスペルを使っていて、発音とボキャブラリーの共通点も多いです。
それぞれの英語圏の国は何故違う英語を使っているのか?
英語は元々イギリスで使われていた言語です。どの言語であっても「まるで生き物のように」時間が経つと言語は進化していき、時代によって変化していく傾向があります。
イギリス人が初めてアメリカに移住したのは17世紀の前半でした。当時の人たちは当時のイギリス英語をアメリカに持っていきました。
その当時、イギリスとアメリカの交流は今と違って少なく、情報が伝わるスピードも遅かった為にアメリカに移住したイギリス人によって新しい英語の種類が使われるようになりました。それがアメリカ英語の誕生の起源です。
アメリカ英語は約400年間の間に発展しています。もちろん、イギリス英語もその間に進化してきました。そのため、現在のイギリス英語とアメリカ英語は違います。
オーストラリア英語やニュージーランド英語も同じようにイギリス英語が元になって進化してきました。しかし、オーストラリアとニュージーランドはアメリカよりも「若い国」なので、それらの国の英語は、アメリカ英語ほど違いありません。
しかし、英語という言語が新しい国で使われるようになると、その新しい環境に必要な単語が出来上がってきます。例えば、「kangaroo」(カンガルー)、「dingo」(野生犬)、koala(コアラ)などの英単語が出来た理由は、オーストラリアの自然界の影響でした。
オーストラリアとニュージーランドはイギリス英語のスペルをそのまま使っていますが、アメリカ英語のスペルは18世紀に改革されました。
アメリカ人のノア・ウェブスターという人物は世界ではじめてアメリカ英語の辞書を作りました。彼は「アメリカのアイデンティティー」を作るためにアメリカ英語特有のスペルを辞書に登録しました。
例えば、イギリス英語の「colour」(色)という単語はアメリカ英語では「color」というスペルになりました。
そのことから、アメリカ英語のスペルは他の英語圏のスペルと違います。まとめると、アメリカはアメリカ英語を使っています。カナダはアメリカ英語に近い発音ですが、スペルはアメリカ英語とイギリス英語の中間です。
そして、文化的にもイギリスに近いオーストラリアとニュージーランドはイギリス英語に似た英語の種類を使っています。
海外の非英語圏の国はどちらの英語を学んでいるの?
実はヨーロッパの殆どの国々は、学校でイギリス英語を学んでいます。つまり、イギリス英語のスペル、発音、単語などを学校で勉強しています。ヨーロッパは各国の学校で使われている教科書・教材はイギリス英語で書かれています。
また、殆どのアフリカの国々もイギリス英語を使っています。アフリカの多くの国々は、その昔はイギリスの植民地だったので、その影響もあり、現在でもイギリス英語を勉強しています。
インド、パキスタン、バングラデシュ、ネパールなどの南アジアの国もイギリス英語を使います。また、中国の学校もイギリス英語の教科書を使うようです。
アメリカ英語を学ぶ国は、日本、韓国、フィリピン、南米諸国、サウジアラビア、東南諸国の国になります。
こうして比較してみると、学校でイギリス英語を学んでいる国の方が多いと思いますが、アメリカのメディアの影響力が強い事もあり、実際に世界で使われている英語はアメリカ英語っぽい、アメリカ英語に近い英語が多いと思います。
つまり、学校でイギリス英語の発音を学ぶヨーロッパ人は多いですが、テレビやハリウッド映画の影響もあり、アメリカ英語の発音を真似する人が多い状況になっています。
そして、イギリス英語を学ぶ国でも、英語の授業ではイギリス英語のボキャブラリーだけでなく、アメリカ英語のボキャブラリーも合わせて学ぶようです。そのため、イギリス英語とアメリカ英語の双方は世界中で通じる英語だと思います。
参考として、世界中でイギリス英語を学ぶ国、アメリカ英語を学ぶ国の地図を紹介します。興味がある方は以下のページをご覧下さい。
イギリス英語の使用国とアメリカ英語の使用国:まとめ
今回の記事をまとめると、イギリス英語の使用国とアメリカ英語の使用国の数を単純に比較すると、イギリス英語を使う国の方が多い事になりです。そして、人数として考えると、イギリス英語を使う国の方が多いと思います。
しかし、アメリカのメディア(ハリウッド映画、テレビドラマなど)の影響もあり、アメリカ英語の発音、ボキャブラリー、スペルの方が好きな英語学習者の方が多いかもしれません。
それでも、イギリス英語を勉強する事は魅力はあると思います。イギリスのカルチャーのファンの方はイギリス英語の知識があれば、イギリス映画やドラマの台詞や音楽の歌詞を深く理解する事が出来るので、さらに深く楽しめると思います。
そして、好きな俳優・女優がイギリス人であれば、イギリス英語を勉強するとその人のインタビューなどをもっと深く理解出来るようになります。
現在のグローバル社会で活躍するためには、色々な国の人が話す英語を理解する必要が出てくると思います。
そのため、ビジネスシーンや海外で活躍したいと思っている人は、アメリカ英語だけではなく、イギリス英語、オーストラリア英語、インド英語、中国人が話す英語などを理解出来るようになる必要があると思っています。