ミドルネームって何故あるの? イギリス人のミドルネームカルチャーも紹介
多くの日本人は何故、欧米人には「ミドルネーム」があるの?と思っている方が多いと思います。イギリス人である私にもミドルネームがあります。
これはイギリス人として別に特別変な事ではありませんが、日本に住んでいる私にとってこのミドルネームがある事によって不便になる事が多いです。
一般的に多くの日本人にはミドルネームは付いていないので、私のミドルネームの存在を理解できない人が事が多いです。そして、私は日本で正式な書類を記入する際に名前をカタカナで書く必要があるのですが、その時によく困ります。
それは何故かと言うと、ミドルネームを書いてしまうとフルネームがとても長くなり書類の記入欄に名前を書くスペースがなくなってしまうからです。
時々病院などに行く際、受付の人や医者はミドルネームが名字や名前だと思って、「○○(ミドルネーム)様!」と呼ばれる時が多いです(笑)。日本で生活していて私のミドルネームの存在は不便になりますが、名前の一部なので消す事はできません。
そして、多くの日本人の知人は「なんで外国人にはミドルネームが付いているの?」と尋ねられることが多いのですが、正直にいってしまうと、私たち欧米人にもミドルネームがついている理由はよくわかりません(笑)。
そのため今回の記事では、欧米人にミドルネームが付いている理由について少し話してみたいと思います。
欧米人のミドルネームの習慣はいつから始まったのか?
ミドルネームを付ける習慣は元々古代ローマから来ている習慣だそうです。古代ローマ人の偉人には3つの名前がありました。その三つの名前とは、「名前(親が選んだ名前)」と「名字」と「家族の支部を示す名前」というものがありました。
1700年代には、名字と名前以外の名前を付ける習慣が他のヨーロッパ諸国にも広がりました。ヨーロッパの貴族たちは子供に数多くの名前を付けました。
この習慣が自分の階級を示す事になりました。スペイン人は子供に父の名字だけではなく、母の名字も付けていました。
現在のイギリス人のミドルネームカルチャーは中世時代に始まったそうです。その頃、子供の名前には「好きな名前」か「聖人の名前」か、どちらをつければよいのかを決められない時に「二つの名前を付ける」という習慣が始まりました。
そのことから、自分が選んだ名前の後に聖人の名前を付ける習慣が始まりました。その後、聖人の名前をミドルネームとして使う習慣が少しずつなくなり、母の名字をミドルネームとして使う習慣が始まりました。
現在のイギリスでは、ミドルネームを自由に選んでいます。聖人の名前を選ぶキリスト教の人もいますし、母の名字を使う人もいます。単純に「この名前が好き!」という理由で選ぶ人もいます。
また、多くのイギリス人は好きな親戚の名前をミドルネームとして使う事もあります。赤ちゃんのミドルネームとして、おじいさんやおばあさんの名前をつける人も多いと思います。
実は私のミドルネームは「父親の妹の名前」になっています。弟のミドルネームは「母親の弟の名前」です。私の父親のミドルネームは「私のひいおじいさんの名前」です。私の母親のミドルネームは生まれた時にいた「助産師の名前」だったそうです(笑)。
イギリスでは、ミドルネームを付ける事が普通ですが、ミドルネームがいない人もいます。ミドルネームを付ける事は別に法律で決まっているわけではないので、ミドルネームが必要ないと思っているなら、赤ちゃんにミドルネームをつけなくても構いません。
ちなみに私のスコットランド人のおじいさんにはミドルネームがなかったです。ですから、このようにミドルネームのいないイギリス人もいます。
イギリスのミドルネームカルチャー
イギリスでは、ミドルネームが多ければ多いほど「poshな人」だという傾向があります(笑)。例えば、イギリスの王家の人の名前を見ればその理由がわかると思います。
イギリスの王家の人は多くの場合、数多くのミドルネームが付けられています。例えば、例を紹介すると以下のような感じです。
エリザベス女王のフルネームは何?
Elizabeth Alexandra Mary
チャールズ王子のフルネームは何?
Charles Philip Arthur George
William王子のフルネームは何?
William Arthur Philip Louis
王家の人のミドルネームは「昔の王様」や「女王様」、そして「親戚の名前」が多いです。そして、聖人などの名前を使う場合は少ないと思います。
そして、王家の人は所謂「キラキラネーム」は絶対に使いません(笑)。必ずクラシックな名前(昔から使われている名前)しか使いません。
一般の人もミドルネームを選ぶ際、「トレンディーさ」や「キラキラネーム(とてもユニークで読めないような名前等)」を選ぶ場合が少ないです。たとえ、ファーストネームが今風の名前になっていても、ミドルネームだけはクラシックな名前を選ぶ人が多いと思います。
それは何故なら、ミドルネームは「その人よりも年上の親戚の名前になる場合が多い」という理由からです。一般的におじいちゃんやおばあちゃんの名前を選ぶ人が多いので、多くの場合、伝統的なミドルネームになる事が普通です。
イギリスで最も人気のあるミドルネームリスト
あるイギリスの雑誌によれば、イギリスで最も人気があるミドルネームは以下のようになります。私のミドルネームもイギリスではとても人気です(笑)。
女の子のミドルネームトップ10
- Louise
- Rose
- Grace
- Elizabeth
- Ann/Anne
- May/Mae
- Marie
- Mary
- Amy
- Catherine
- Victoria
男の子のミドルネームトップ10
- James
- John
- William
- Thomas
- David
- Robert
- Edward
- Peter
- Lee
- Christopher
ミドルネームを名前として使っているセレブって誰?
一般的にミドルネームは日常生活では使われません。ですから、日常会話の中でミドルネームを使う人はいません。私も勿論、普段の生活ではミドルネームは使いません。
日常でミドルネームを使うケースとしては、正式な書類を記入する際にしか使いませんね。
しかし、自分の名前が気に入らないという人は「ミドルネームを名前として使う事が可能」になります。実は皆さんもご存じの多くの有名なセレブ達の名前はミドルネームなんです!
例えば、イギリスの総理大臣のボリス・ジョンソンの本名は「Alexander Boris de Pfeffel Johnson」になります。ビートルズのポール・マッカートニーの本名は「James Paul McCartney」だそうです。
俳優のブラッド・ピットは「William Bradley Pitt」になります。ジェイムズ・ボンド007の俳優のショーン・コネリーは「Thomas Sean Connery」でした。英語圏の名前について興味があれば、下記の商品がお勧めです!
まとめ:欧米の人がミドルネームを付ける理由
まとめると、欧米ではミドルネームを付ける習慣はとても歴史が長いです。しかし、ミドルネームを付ける事は決まっているわけではありません。
ミドルネームのない人がいますが、殆どの人はミドルネームがあります。現在、殆どのミドルネームは親戚の名前から来ていますが、単純に親がその名前を気に入ったというミドルネームがあります。
イギリスの貴族や王家は数多くの伝統的なミドルネームを付ける習慣があります。ミドルネームが多ければ多いほどその人が「posh」というイメージがあります(笑)。
私は一つのミドルネームしかありませんので残念ながら「posh」な人だと思われません(笑)。
自分にミドルネームを付ける事が出来れば、どういう名前を選ぶのでしょうか?意見があれば是非フェイスブックページにコメントを書いてね!