面倒なイギリスの物の測り方(身長・体重・液体の量・距離)等
イギリスとアメリカの異なる点としてもあげられるのが色々な物の「測り方」の違いだと思います。例えば、インターネットでケーキやクッキーのレシピを検索した際、時々アメリカ人が書いたレシピが出てきます。
オーブンの温度はセルシウス(摂氏 °C)ではなく「かしど」(°F)で表記されています。そして、液体の量はミリリットルではなく「cup」や「Oz」で紹介されています。
これはかなり面倒なので、最近は料理のレシピを探す際には必ずイギリスか日本のウェブサイトで探すようになりました(笑)。何故ならイギリスのレシピでは、セルシウスやmlなどの単位を使っているからです。
しかし、そうは言ってもイギリス人も物の測り方に癖があります。例えば、イギリスの道路の標識は「キロメートル」ではなく、「マイル」で距離が表示されています。そして、イギリス人は自分の身長について話す際には「センチメートル」ではなく「feet」と「inches」で表します。
体重等の表現の仕方も人によって異なりますが、「stone」と「pounds」という単位を使う場合が多いですね。
ですから、実はどちらかというとイギリスの物の測り方はアメリカよりも面倒だと思います(笑)。そこで今回の記事ではイギリス人が使う量、身長、距離の測り方を測る物毎に紹介したいと思います。かなり複雑で面倒なので頑張って覚えてみて下さい(笑)。
イギリス人の距離の測り方
先程も少し触れましたが、イギリス人は「目的地までの距離や何処から何処まではどのくらい?」という際にマイルで表します。例えば、誰かが私の地元について質問をした場合に「ロンドンから50マイルくらい離れているよ」といったように説明します。
道路の標識もマイルで書いてありますし、車のダッシュボードにある速度計はマイルとキロメートルで表示されています。
しかし、イギリス人はジョギングや陸上の話をする際にはメートルとキロメートルを使います。例えば、ジョギングの話の際には「5キロも走ってきたよ!」という言い方を使っています。
ちなみにマイルを使う人はお年寄りしかいないです。オリンピックなどの陸上競技の大会では、全てキロメートルやメートルを使っています。
しかし。サッカー(フットボール)の話となるとまた話は違います(笑)。例えば、ゴール周辺のエリアは「12 yard box」と表現します。選手が長距離の位置からシュートした際には「yard」(=0.914m)という距離の測り方を使います。
使い方の例として「He scored from 30 yards out」などの言い方をしています。それでは、実際にイギリス人が距離の話をする際の例文をみてみましょう。
イギリス人が距離を表す際の例文
A: Where are you from?
(どこの出身ですか。)
B: Bedford. It’s about 50 miles from London.
(ベッドフォードです。ロンドンから50マイルくらい離れている町です。)
A: Who scored?
(誰がゴールを決めたの?)
B: James Maddison. A free-kick from 30 yards.
(ジェイムズ・マディソン選手だった。30ヤードからのフリーキックだった。)
イギリス人の液体の量の測り方
液体の量を測る際にもイギリス人は複雑な使い分けをします。例えばビールと牛乳の場合は「pint」(パイント)で表現します。例えば、パブでビールを注文する際には必ず「pint」か「half pint」という言い方をします。
ミリリットルという言い方を使う人はいません。牛乳もスーパーではミリリットルという単位で販売されていても「pint」という言い方をするイギリス人は多いです。
しかし、料理のレシピなどでは液体はリットルとミリリットルで表現します。ガソリン(英:petrol)は現在リットルで表しますが「gallon」という言い方をする中高年の人は多いです。
それでは、実際にイギリス人の液体の量の測り方を例文でみてみましょう。
液体の量を表す際の言い方 例文
A: Where’s mum?
(お母さんはどこ?)
B: She went to the shop to buy a pint of milk.
(1パイントの牛乳を買うためにスーパーに行ったよ。)
A: What do you want to drink?
(何が飲みたいの?)
B: A pint of lager, please.
(ビール1パイントください。)
イギリス人の身長・高さの測り方
イギリス人は身長について話す際にまだ「feet」と「inches」という言い方を使っています。1 footは約30㎝になります。1 inchは約2.5㎝になります。
つまり、180センチの人は一般的に「5 feet 11 inches」や「5 feet 11」、「almost 6 feet」という言い方になります。
他の国の人からみるとすごく複雑な表し方だと思います。例えば身長「163㎝」という人はイギリスでいうと「about 5 feet 4」と表します。しかし、ビルなどの高さを表す際にはメートルを使います。
山の高さは最近まで身長と同じように「feet」を使っていましたが、最近ではメートルを使う人が多いです。
身長・高さを表すイギリス人:例文
A: How tall are you?
(あなたの身長はどのくらい?)
B: About five four.
(5フィート4インチくらいだよ。)
A: What’s the UK’s highest mountain?
(イギリスで最も高い山はどれですか。)
B: Ben Nevis. It’s 4,413 feet high.
(ベン・ネヴィスですよ。高さは4,413フェート*です。)※1,345 m
イギリス人の体重・重さの測り方
最後は体重と重さの表し方です。これは以前に少しだけ紹介した事がありますが、一般的に人の体重について話す際にはまだ「stones」と「pounds」を使っています。例えば「10 stone」という体重は日本では「63.5㎏」になります。
例えば、赤ちゃんの体重・重さなどを表す際には「pounds」と「ounces」で表します。例として「3㎏の赤ちゃん」はイギリスでは「6 pounds 10 ounces」と表現します。しかし、人間以外の重さを計測する際には日本と同じようにkgを使います。
例えば、ジム等で使う重り(バーベルプレートやダンベル)の重さについて話す際にはkgという表し方を使っています。それでは、実際にイギリス人の体重・重さの測り方についての例文をみてみましょう。
体重・重さを表す際のイギリス人の会話例文
A: How much did your daughter weigh when she was born?
(娘さんが生まれた時の体重はどのくらいでしたか。)
B: She was big! She weighed almost 9 pounds!
(大きかったですよ!9パウンドに近いですよ!)※9パウンドは約4㎏
A: How much flour do you need for this recipe?
(このレシピにはどのくらいの小麦粉が必要ですか。)
B: About 200g should be fine.
(約200gで大丈夫です。)
まとめ:イギリス人が使う測り方
まとめると、現在イギリス人が使っている物の測り方は結構面倒ですね(笑)。まずは何を測っているのか考えて、その後に表し方を選択する必要がありますね。
日本人の立場から見るとかなり複雑で変に感じるかと思いますが、イギリス人と会話する機会がある方は知っておくと役立つのではないかと思います。