イギリスのテレビドラマ ダウントン・アビーを聞き取れるようになる方法を紹介
先週、当サイトの読者の方からイギリスのテレビドラマを使った英語学習方法で面白い質問を頂きました。では早速、頂いた質問内容について答えてみたいと思います。
読者の方の質問(一部省略):
「テレビドラマのダウントンアビーの英会話を聞き取れるようになるには、何をすればよいか教えて頂けると有難いです。」
読者の皆さんは、「ダウントン・アビー」というイギリスのテレビドラマをご存知でしょうか。
ダウントン・アビーはイギリスのテレビ時代劇ドラマ(英語:period drama)です。
舞台はヨークシャー(イギリスの北部)の大邸宅です。ストーリーは1912年から1920年代にかけて行われています。詳しいストーリーについて知りたい方はこちらをご覧ください。
ダウントン・アビーはイギリスだけではなく、アメリカ、オーストラリア等の他の英語圏の国でも大人気です。そして、NHKでも放送されていますので日本でも多くのファンがいると思います。
そして多くの日本人の英語学習者は、ダウントン・アビーで英会話を勉強しているようです。イギリスのBritish Councilという組織は「ダウントン・アビーで英会話を勉強しよう!」というコンセプトで日本人向けのレッスンを行っているようです。
ダウントン・アビーの英会話を聞き取れるようになりたいと思っている方は、下記のポイントを知っておくべきです。
ダウントン・アビーを聞き取れるようになるには「ヨークシャーの訛り」に慣れる事
多くのキャラクター(主にお手伝いさん達)はイギリス英語の中でもヨークシャーの訛りで話しています。アメリカ英語の発音やイギリス英語のRPという発音に慣れている方には、ヨークシャーの訛りは少し聞き取りづらいかもしれません。
ヨークシャーの訛りとRPの最も大きな違いは母音の発音です。以下に例を紹介していきます。
例えば:
Class
・RPの発音: クラース
・ヨークシャーの発音:クラス
Bus
・RPの発音: バス
・ヨークシャーの発音: ブッス
Funny
・RPの発音:ファニー
・ヨークシャーの発音: フネ
ダウントン・アビー会話を聞き取りたいなら Poshな英語に慣れる事
ダウントン・アビーに登場するキャラクターは、お手伝いさん以外はかなり高級(アッパークラス)なアクセントで英語を話しています。
本当に「クイーンズ・イングリッシュ」を話していますね。これは英語学習者にとってヨークシャー訛りよりも聞き取りやすいと思います。
ダウントン・アビーの会話に慣れるには1920年代のスラングとイディオムを理解する事
ダウントン・アビーは時代劇なので、台詞のライターは出来るだけ1920年代の話し方を使おうとしています。この為、現代の英会話では使われないような表現がよく出てきます。
例えば:
Blighty
意味:イギリス
私は別の記事でこの単語を紹介しましたが、第一次世界大戦の頃に初めて使われました。
to chivvy
意味:人にしつこく言って仕事をさせる
この単語は現在でも使われています。アメリカ英語では「chevy」というスペルになります。
dropsy
意味:浮腫
当時の医学用語です。現在の用語では「oedema」(アメリカ英語:edema)になります。
guinea a minute
意味:楽しい(人)
このイディオムは現在使われていませんが、当時の会話ではよく使われていたイディオムです。「guinea」とは、当時のお金の種類です。
Tommy
意味:イギリスの軍人
第一次世界大戦の頃、イギリス人の軍人は「Tommy」というニックネームがありました。ドイツの軍人は「the hun」や「hun」と呼ばれていました。
両方のニックネームはダウントン・アビーの台詞に出てきます。
squiffy
意味:酔っ払っている
イギリス英語では、「酔っ払っている」という意味になるスラング言葉は多いですが、「squiffy」は現在、あまり使われていません。
しかし、1920年代くらいにはよく使われていましたのでダウントンの台詞によく出てきます。
他のダウントン・アビーに使われているスラングとイディオムは下記のウェブサイトで紹介されています。
参考サイト:
・Word Soup: Downton Abbey
・11 Words and Phrases From Downton Abbey Season Three
字幕なしでダウントン・アビーを聞き取れるようになる方法
私が本格的に日本語を勉強していた時、日本のテレビドラマをとにかく、しつこく観て、多くの会話的なフレーズ・スラング・表現を吸収しました。
(例えば、「ごくせん」、「花より男子」、「のぶたをプロジュース」など^^)ですから、私の個人的な意見では、その勉強している言語の国のテレビドラマを観る事はとても良い勉強法だと思います。
そしてなによりも、「しつこさがカギ」だと思います。つまり、それぞれのエピソードを一回観ただけではあまり良い勉強にはならないと思います。
同じエピソード(同じシーンでも)を何回もしつこく繰り返してみないと聞き取れるようにならないと思います。
ステップ1
日本語の字幕でエピソードを観てストーリーが理解出来るようになる。
ステップ2
英語の字幕と英語の音声で同じエピソードを観て知らない単語、フレーズ等の意味を調べます。聞き取れないパーツをリワインドしてしつこく観ましょう。
ステップ3
字幕なしで英語の音声だけで観てみましょう!
私は「花より男子」という日本のテレビドラマをiPodに入れて通勤時にしつこく観ていました。そして英語の字幕バージョンを見つけて、日本語の音声と聞き比べて英語の意味とマッチングさせる練習を行いました。
話の意味が分かるようになったら、音声だけを聞いていました(最後はiPodをポケットに入れて散歩しながら音声だけを聞いていました!)。今でも「花より男子」の台詞は頭に入っていて、時々そのまま日本語の会話に使っています(笑)。
ダウントン・アビーの英語版と日本語版
ダウントン・アビーの台詞(本)
この本のレビューはとても良いです。英語学習者にとっても良い教材になると思います。台詞を読みながらイディオムやスラングの意味を確認する事が出来ます。
そして、その後ドラマを観れば台詞の意味が分かるはずです。こういった資料を活用して是非、リスニングを頑張ってみて下さい。