Contents
イギリスカルチャーの紹介:イギリスの秋の花火大会:ガイ・フォークス・ナイト(Guy Fawkes Night)についての質問に答えてみました
皆さん、こんにちは。今回の記事も引き続き当サイトの読者の方から頂いた面白い質問に答えてみたいと思います。
今回の質問のテーマはイギリスの人気ドラマ”シャーロック”でも出てきた「ガイ・フォークス・ナイト」(Guy Fawkes Night)というイギリスの最も大きな秋のお祭りについてです。
では、質問はこちらです!
読者の方の質問:
もうすぐ11月5日です。最近までガイ・フォークスやボーンファイアのことを全く知りませんでした。
なので「SHERLOCK」シーズン3の1はあまり理解できませんでした(泣)。
いまのイギリスでは、この行事はどんなふうに楽しまれていて、そして宗教、政治面ではどんな意味あいがあるのでしょうか。

おススメ記事:
- マーガレット・サッチャー時代のイギリス文化と歴史について:お勧めの映画
- イギリス英語の歴史と現在のイギリス英語について:イギリス英語の今後と存続についてまとめ
- イギリスのおすすめ観光名所一覧ガイド:イギリス世界遺産ガイド紹介
ガイ・フォークス・ナイト(Guy Fawkes Night)の歴史について
質問を下さった方ありがとうございました^^!
実は、私はちょうど今週「ガイ・フォークス・ナイト」について記事を書こうと思っていました。そんな時にこの質問が来たのでタイミングは完璧です(笑)。
質問を下さった方と同様、私もシャーロックが大好きです。シリーズ3の1を見た時に「もしかすると殆どの日本人にはガイ・フォークス・ナイトが知られていない可能性があるのでこのストーリーの意味が通じないのでは?」と考えていました。
そんな事もあり、いつか当サイトで「ガイ・フォークス・ナイト」について紹介しておきたいと思っていました。そこで先ずは、ガイ・フォークス・ナイトの歴史を紹介していきたいと思います。
「ガイ・フォークス・ナイト」とは?
11月5日に「ガイ・フォークス・ナイト」(またはBonfire Night, Fireworks Night)というイギリス特有の祭りが行われます。この祭りは17世紀以来ずっと続いています。
「ガイ・フォークス・ナイト」(英語:Guy Fawkes Night)は1605年に起こった「火薬陰謀事件」の失敗を祝うための記念日です。
現在では、11月5日の日に多くの町で花火大会や、かがり火パーティーを行います。これはイギリスの最も大きい秋のイベントになります。
「火薬陰謀事件」とは
殆どの日本人の方は「火薬陰謀事件」という事件について聞いた事がないと思いますので少しだけ紹介したいと思います。
1605年イギリスの王様はジェームズ1世でした。彼はプロテスタント(カトリックではないキリスト教)で、イギリスの国教はプロテスタントでした。
しかし、その当時イギリスの国教をカトリックの国に戻そうとしている人達がいました。
ある14人のカトリックは団体を作ってジェームズ1世を暗殺する計画を立てました。彼らの計画は1605年11月5日に上院議場の地下に大量の爆薬を仕掛け、ジェームズ王を爆殺させる事でした。
この計画は「火薬陰謀」と呼ばれるようになりました。しかし、その14人のカトリックが立てた陰謀は未遂に終わりました。
ガイ・フォークスという人物は上院議場の地下で36樽分の火薬を見張っている状態で逮捕されました。団体の他のメンバーは逃げようとしましたが、彼らも捕らえられました。
これによってジェームズ1世の人生は救われました。
それ以来、火薬陰謀事件が失敗に終わったという事で毎年イギリスでこの記念が祝われています。
歴史をもっと詳しく知りたい方は、是非読んでくださいね^^
参考:「火薬陰謀事件について」
イギリス人の多くの子供達は下記の詩を覚えます。
Remember, remember
(思い出せ、思い出せ)
the fifth of November
(11月の5日を)
Gunpowder, treason and plot
(火薬陰謀事件と反逆を)
I see no reason
Why gunpowder treason
Should ever be forgot
(私は、火薬陰謀事件を忘れる理由がないと思う)
現在のイギリスでガイ・フォークス・ナイトはどのようになっているのか?
現在、ガイ・フォークス・ナイトは「火薬陰謀事件が失敗に終わった」というお祝いの為というより、「イギリスの寒く暗い秋にお祭り事を行う」という言い訳になってきたと思います(笑)。
プロテスタントの人でも、カトリックの人でも花火大会や花火イベントを楽しんでいると思います。
多くの町では大きい花火大会を行っています。そして、大きいかがり火を付ける習慣があります。伝統的に、かがり火の上に大きい「かかし」(スケアークロー)のような像を置いて燃やす習慣があります。
このかかしは「ガイ」と呼ばれ、ガイ・フォークスという人物を象徴する物です。イギリスのケント州のある町では、このかかしは嫌われているセレブの巨大像になります(笑)。
そんな事もあり「セレブリティー・ガイ」と呼ばれています。セレブリティー・ガイのモデルとしては、嫌われている政治家とか、失言した芸能人などになる場合が多いです。
2014年のセレブリティー・ガイはJose Manuel BarrosoというEUの政治家でした。過去にウェイン・ルニーというイングランド代表サッカー選手もセレブリティー・ガイになりました(笑)。
参考:「Edenbridge Townのセレブリティー・ガイ写真集」
ガイ・フォークス・ナイトの食べ物
イギリスの11月はかなり寒いので、花火大会の食べ物は体を温める食べ物が多いです。例えば、じゃがバターとかスープ、ソーセージなどの食べ物が販売されています。
Parkin cakeというケーキも伝統的に食べられています。これはジンジャー(生姜)の味がするオーツで作ったケーキです。
参考:「Parkin Cake」
シャーロックのシリーズ3の1のストーリー
質問を送って下さった読者の方はシャーロックのシリーズ3の1を見て、ガイ・フォークス・ナイトを初めて知ったんだと思いますが、そのエピソードは「現代の火薬陰謀事件」というコンセプトを基にしたストーリーだと思います。
今回の悪者は「カトリックの団体」ではなく、「テロ団体」になります。このテロ団体は11月の5日に国会議事堂の下に火薬・爆弾を置く計画があります。
これは400年前の火薬陰謀事件と同じ計画ですね。このエピソードでは、イギリスのかがり火パーティーや花火大会を見る事が出来ます。
最近、イギリスでもハロウィンの人気が出てきましたので、ガイ・フォークス・ナイトはいつか祭りとして消えると考えている人がいます。
しかし、私の意見では、400年間も続いているイベントはそんな簡単に消えないと思います。11月にイギリスにいる人は、是非ガイ・フォークス・ナイトの花火大会に行ってみてくださいね!
質問が下さった方、ありがとうございます。
他にも質問があれば、是非下記のページよりメッセージ下さいね^^
>> ブリティッシュ英語のマリへ質問ページ
スポンサーリンク
ブリティッシュイングリッシュマスターは本サイトの運営者である私が完全監修・制作したイギリス英語を習得する為の専門教材です。音声のレコーディングから、本文の制作・編集も私が手作りしているので、イギリス人としての英語のニュアンスも完璧です。ネイティブのイギリス人が使う自然なフレーズや、アメリカ英語との違いを中心にイギリス英語の文法、発音、スペルについてもアメリカ英語と比較しながら詳しく紹介しています。
教材内では、イギリスのカルチャーも紹介していますので、イギリス英語以外にも、イギリスのカルチャーに興味がある方にも是非読んでもらいたい内容です。RPアクセントの音声も付属しているので、通勤中の電車中や空いた時間を使ってこの音声教材でいつでもイギリス英語の発音が勉強出来ます。

スポンサーリンク
イギリス英語に特化したイディオム教本
ブリティッシュイングリッシュイディオムマスターはイギリス英語のイディオムを学習する為の専門教材です。本教材ではイギリス英語特有のイディオム表現や諺、その他にもマニアックなイギリス英語のイディオムを紹介している日本でも珍しいイギリス英語専門の辞書教材です。
イギリス人の日常会話やイギリスの映画、テレビドラマ、新聞、小説等に使われているイディオムをコツコツと集め、イディオムの歴史やルーツを調べて日本人のイギリス英語学習者の為に分かりやすく解説しています。
1つのイディオムにつき2つの例文を掲載しているので、イディオムの使い方やニュアンスもしっかりと学習できます。この教材もmp3の音声が付属しているので、場所を選ばす空いた時間を有効に利用していつでもイギリス英語のイディオムが勉強出来る教材です。
