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イギリス英語とアメリカ英語の「alright」と「all right」の違いとは?
今回の記事では「alright」と「all right」の違い、使い方とニュアンスを細かく紹介してみたいと思います。
実は、私はもう既にこの表現を過去の記事で紹介した事があると思いますが、過去記事をチェックしたところ、もっとわかりやすく詳しく説明できるのではないか思い書き直してみる事にしました(笑)。
私が最近書いた電子書籍(日本人が知らないイギリス英語)にも「alright」という表現について少し触れていますが、今回の記事ではもっと細かく説明したいと思います。
先ずは、「alright」と「all right」の違いについて話したいと思います。
参考の記事:

「alright」と「all right」はどのように違うのか?
簡単に言うと、「all right」の方が正しいスペル・書き方です。この表現は二つの単語ですが、カジュアルなライティング(メール、テキストなど)の場合には「alright」という「1つに合せた」スペルが使われるようになりました。
実は、「already」と「altogether」という英単語も元々「all ready」と「all together」でしたが、かなり前に一つの単語になりました。
「alright」もいつか「正しい英語」として考えられるようになるかもしれませんが、現在は「正しくない英語」なので、正式な英作文や手紙を書く際に必ず「all right」という書き方を使う事をお勧めします。
参考:「All right’ or ‘alright’?」
「alright/all right」の意味
この表現には、数多くの意味と使い方があります。イギリス英語では、「All right?」は”挨拶”として使われています。イギリスの店員はお客さんに何かを話しかける際に「All right?」や「Are you all right there?」という挨拶を使います。
そして、「all right」には「大丈夫?」という意味もあります。これは、「誰かの体調悪そうに見える」ような際に「Are you all right?」(大丈夫ですか?)という聞き方をします。
その際の問いかけに答える為には「Yeah, I’m all right」(うん、大丈夫です)というフレーズを使えばいいでしょう。
他には、「all right」は「何処かに誘われた」というような場合に、「はい、賛成です」という意味を表す表現として使う事が出来ます。
さらに他の意味と使い方があります。それでは、これからそれぞれの意味と使い方を例文を通してもっと細かく説明していきます。
1. 挨拶として使う「all right」
この使い方は「イギリス英語特有」の使い方だと思います。イギリスに行った際にはこの挨拶は必ず耳にすると思います。そして、先程もちょっと話しましが、イギリス人の店員はお客さんに話しかける際にこの表現を使います。
実際の例文:
友達の挨拶
A:All right Dave? Haven’t seen you for a while!
(やあ、デイヴ!久しぶりだね!)
B:All right Mike. Yeah, I’ve been busy with work recently.
(やあ、マイク!どう。俺は最近仕事で忙しいんだ。)
A:It’s great to see you again.
(会えて嬉しいよ。)
店員の話しかけ方
店員:Are you all right there? Are you looking for anything in particular?
(お客様は大丈夫ですか?特に何かお探しですか?)
客:I’m all right thanks. I’m just looking.
(大丈夫ですよ。見ているだけです。)
2. 「大丈夫」という意味の「all right」
この使い方は英語圏中で使われています。誰かが調子悪そうに見える際や、怪我した際などの場面で使う表現ですね。
誰かの心配事をしている際に「Are you all right?」という質問を使う事が出来ます。
実際の例文:
A:Are you all right? You look a bit pale.
(大丈夫ですか?顔色が悪いようですが。)
B:Yeah, I’m all right. I’m just a bit tired, that’s all.
(大丈夫だよ。ちょっと疲れているだけだよ。)
A:Are you all right? I heard you were in an accident at the weekend.
(大丈夫ですか?週末に事故に巻き込まれたと聞いたんだけど。)
B:I’m all right. My wife broke her leg though.
(私は大丈夫だよ。妻は足を骨折したけど。)
3. 「賛成」という意味の「all right」
この意味の「all right」は誰かの「誘い」に対して使う答えです。つまり、「賛成」という意味になります。カジュアルな答え方なので、正式なイベント、パーティーなどに誘われる際には使わない方がいいです。
しかし、友達や家族が「出かけましょうか?」や「今夜は外食する?」などのカジュアルな「提案」や「誘い」に答える際には「all right」を使っても大丈夫です。
あまり「楽しみ!!」というニュアンスを表すような感じではありません。逆に「いいよ」という少しだけ「無関心」なニュアンスを相手に与えますので使う際には気をつけましょう^^
実際の例文:
A:Shall we get a take-away tonight? I don’t fancy cooking.
(今夜はテイクアウトを食べようか?私は料理をあまり作りたくないね。)
B:All right. How about an Indian? I haven’t had curry for ages.
(いいよ。インド料理のテイクアウトはどう?私は最近インドカレーを食べてないから。)
※イギリス英語では「take-away」になります。アメリカ英語では「take-out」になります。
夫:I’m going out to the shops. Do you want to come too?
(スーパーに行ってくるよ。一緒に来ない?)
妻:All right. I need to buy a few things too. I’ll just get changed first…
(そうだね。私も買いたい物はあるね。先に着替えてくるよ。)
4. 「気にしないで・構わないよ」という意味の「all right」
誰かが謝るような際に「大丈夫だよ。気にしないで」という気持ちを表すために「That’s all right」という表現を使う事が出来ます。
実際の例文:
友達A:I’m so sorry I’m late. The traffic was terrible!
(遅れてすみません。交通渋滞が酷くてさ!)
友達B:That’s all right. Don’t worry about it.
(大丈夫だよ。気にしないで。)
妻:Oh no! I forgot to buy milk!
(やばい!牛乳を買うの忘れちゃった!)
夫:That’s all right. I’ll go out to the shop and get some.
(大丈夫だよ。店に行って買ってくるから。)
5. 「付加疑問」という意味の「all right」
「all right」は特にイギリス英語で「付加疑問」として使われています。付加疑問として使うと「それでいいですか?」、「いい?」という意味になります。
実際の例文:
I can’t fix your car today because I’m busy but I’ll look at it tomorrow, all right?
(私は今日忙しいからあなたの車を直せないけど、明日ちょっと見てみるよ。それでいいですか?)
Just sit down quietly while I make dinner, all right?
(私が夕食を作っている間にあなたは静かに座っててね。いいですか?)
※母親が子供と話しているようなシーン
6. 「悪くない」という意味になる「all right」
この使い方は少し婉曲的な表現です。「~は悪くはないんですが・・・」という意味になります。そして、「普通」、「微妙」という意味として使う事も出来ます。
実際の例文:
母:How was school today?
(今日の学校はどうだった?)
子:It was all right.
(まぁ、普通。)
母:So what did you do?
(じゃあ、何をしてたの?)
子:Nothing much.
(別に何もしなかったよ。)
妻:What do you think of my miso soup?
(私が作った味噌汁はどう思う?)
夫:It’s all right, but maybe you need to add a bit more stock.
(悪くはないけど、もう少しだしを入れた方がいいかな。)
妻:So you don’t like it then!?
(まずいという事?!)
7. 「いい人」、「信用できる人」という意味になる「all right」
誰かの性格を説明する際に「良い人」や「信用できる人」と言いたい際には、「all right」という表現を使う事が出来ます。
しかし、「意外と良い人」というニュアンスが少し含まれていますので、使う最には気をつけましょう。
実際の例文:
A:What’s your new teacher like?
(あなたの新しい先生はどんな人ですか?)
B:She’s all right. She’s quite young but she’s a good teacher.
(彼女はいい人だよ。結構若いけど、いい先生だよ。)
友A:What do you think about Peter? I think he’s a bit up himself.
(ピーターの事はどう思う?彼はちょっとプライドが高いと思うんだけど。)
友B:Really? I think he’s all right. Perhaps he is just a bit shy.
(本当?彼はいい人だと思うけど。ちょっとシャイな人というだけじゃないの?)
イギリス英語特有のスラング・イディオムとして使う「all right」
最後は、イギリス英語特有のスラング・イディオムを紹介したいと思います。このイディオムは中年のおばさんがよく使います(笑)。「He’s a bit of all right!」という表現です。
この表現は「彼はセクシーだね!」という意味になります。男性も女性に対して使いますが、私のイメージでは主におばさんが使うイディオムですね(笑)。
おばさん1:What do you think about Benedict Cumberbatch?
(ベネディクト・カンバーバッチはどう思う?)
おばさん2:I think he’s a bit of all right. I quite fancy him!
(彼はセクシーだと思うよ。私は彼の事が好きだよ!)
おばさん1:Really? I just don’t see it myself. Tom Hardy’s more my cup of tea.
(本当?私はそれが理解できないね。私はトム・ハーディーの方が好きだよ。)
※「fancy」は「~の事が好き」というイギリス英語の口語です。「my cup of tea」は「私の好み」という意味になります。
以上、少し長くなりましたが、今回は「alright」と「all right」の違い、細かい使い方とニュアンスを紹介してみました。イギリス英語ではかなり使われる表現なので、この機会に是非覚えてみて下さいね^^
それでは、その他に意味は似ているけど、使い方が違う単語などの質問、使い方の気になる表現のなどがあれば、是非質問してみて下さいね^^
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