autumnとfallの違いについて:イギリス英語とアメリカ英語の歴史
私は先日、ある生徒の一人に、「autumnとfallの違いについて」の質問を受けました。またその生徒はどうして英語では、「秋」を表わす際に、「autumn」と「fall」の二つの単語があるのでしょうかという質問もしてくれました。
「autumn」と「fall」は両方とも「秋」という意味になりますが、英語圏各国によっては、秋という単語をいう際に「autumn」という場合と、「fall」という場合があります。
現在、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでは「秋」という単語を言う場合には「autumn」を使います。そしてアメリカとカナダでは「fall」という単語を使っています。
つまり、「autumn」という単語を使っている場合はイギリス英語で、「fall」という単語を使っている場合はアメリカ英語といえます。
しかし、元を辿れば「fall」という単語は元々イギリス英語でした。遡る事17世紀にイギリス人の移民達はアメリカに移動しました。当時、「fall」という単語はイギリス英語だったので、アメリカに渡った移民達は、「fall」という単語をアメリカに持っていき定着させました。
その後アメリカでは、「fall」という単語が使われ続け広く伝わっていきましたが、イギリスではそのあとにフランスから新しい単語として「autumn」という単語が輸入されました。(当時イギリスではautumnという単語にスタイリッシュなイメージがありました。)
そしてイギリスでは少しずつ「autumn」が使われるようになりました。現在イギリスでは、「fall」という単語は使われていません。
のちにイギリス人は18世紀にオーストラリアとニュージーランドを「発見」しました。その当時イギリス人は「autumn」という単語を現地に持っていきました。現在の、「autumnとfallの違いについて」はこのような背景が関係しています。
それでは、「fall」と「autumn」の例文と関連する単語を紹介していきたいと思います。
イギリス英語のautumnの使い方
My favourite season of the year is autumn.
(一年を通して私の一番好きなシーズンは秋です。)
The autumn leaves in Japan are beautiful.
(日本の紅葉は美しいです。)
※「紅葉」は「autumn leaves」になります。「autumn colours」、「autumn foliage」というフレーズも使います。
It often rains in autumn in the UK.
(イギリスの秋は、雨がよく降ります。)
I’m in the autumn of my life.
(私はもう年を取っている。)
※「autumn of my life」というイディオムは、「人生の秋」という意味になります。つまり「中高年」になっているという事を遠まわしに表現しています。
イギリス英語のautumnalの使い方
We are having some very autumnal weather this week.
(今週の天気はとても秋らしい天気です。)
※イギリスの場合、「秋らしい天気」といえば寒くて雨が降るような天気になります。
アメリカ英語のFallの使い方
I’m going to college in the fall.
(私は秋に大学に入学する予定です。)
Washington is a great place to see the fall colors.
(ワシントンはとても良い紅葉スポットです。)
※「Fall colors」、「fall leaves」、「fall foliage」などの表現も使われています。