イギリス英語のイディオム・スラングでbrass(黄銅)という単語が含まれている表現
今回に記事では「brass」(黄銅)という単語が含まれているイギリス英語のイディオムとスラング」を紹介してみたいと思います。
理由が分かりませんが、イギリス英語には「brass」という単語が含まれているイディオムが数多くあります。「brass」は元々「黄銅」という金属の種類ですが、イギリス人の日常会話で使われるような様々なスラングやイディオムにこの単語が入っています。
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1. 「お金」という意味になる「brass」
先ずは、イギリス英語のスラングで「brass」は「お金」という意味になります。このスラングは16世紀頃から使われているそうです。このスラングの由来は「金色の硬貨の色」から来ているそうです。
現在のイングランドの南の地方でお金という意味になる「brass」の使い方は滅多に耳にしませんが、北の方に行くとまだ使っている人がいると思います。
例えば、「where there’s muck there’s brass」という諺はイングランドの北部の地方でまだ使われています。
この諺は「汚れ・泥のあるところにお金がある」という意味になります。つまり、「手を汚すような仕事・職業をするとお金がもらえる」というニュアンスを与える諺です。
例文1:
Can you lend me some brass? I’ll pay you back tomorrow.
(お金をちょっと貸してくれる?明日ちゃんと返すよ。)
例文2:
息子:I need a part time job. What do you think I should do?
(私はバイトをしないと。どんな仕事をすればいいと思う?)
父親:You could work at that pig farm in the next village. Where there’s muck there’s brass!
(隣の村にある養豚場で働けるかも。”汚れのあるところにお金がある”でしょう!)
2. 「be brassed off」というイギリス英語特有のスラング
この表現は「怒っている」、「イライラしている」、「うんざりしている」という意味になります。この表現もイギリスの北部の地方でよく使われています。
私は以前の記事で「Brassed Off」(ブラス!)というイギリス映画を紹介しました。この映画はブラスバンドの話が出ますので、タイトルは言葉遊びになりますね。
参考:「イギリス映画「ブラス!」を見た際の感想と映画中のイギリス英語を分析して紹介します!」
例文1:
A:I’m feeling really brassed off at the moment.
(私は最近とてもうんざりしているよ。)
B:What’s wrong?
(どうしたの?)
A:My boyfriend has been sending messages to another woman.
(彼氏は違う女にメッセージを送っていたのよ。)
例文2:
母親:Stop messing about! You are really brassing me off!
(ふざけるのを辞めなさい! 私は本当に怒ってるよ!)
子供:Sorry mummy.
(ごめんなさい、ママ。)
3. 「brass neck」という表現について
「to have a brass neck」という表現は「誰々は図々しい」という意味になるイディオムです。このイディオムはイギリスでも全土で使われています。
例えば、「誰かが生意気な事を頼むような際」、「失礼な事を言ったような際」に使うようなイディオムです。
アメリカ英語にもこれと似た「brass balls」という表現があります。意味としては「勇気がある」という意味になります。この表現の「balls」は「睾丸」という意味になります!(笑)
例文1:
高校生:Dad, can you lend me twenty pounds?
(お父さん、20ポンドをちょうだい。)
父親:You’ve got a brass neck! I gave you a tenner yesterday!
(君は図々しいね! 昨日10ポンド上げたばかりのに!)
例文2:
妻:My boss said I can’t take Monday off to go to the dentist.
(上司は私が月曜日に歯医者に行くために休みは取れないって。)
夫:He’s got a brass neck! He’s always taking time off to play golf!
(彼は図々しいね! 彼はいつもゴルフをする為に仕事を休んでいるのに!)
4. 「top brass」という表現について
「top brass」とは、元々軍隊のスラングでした。そして、アメリカ英語のスラングでしたが、現在は英語圏の国中で使われるようになりました。軍隊の最も偉い人の帽子には金属のメダル・モチーフがあります。
その事から「地位の高い偉い人」は「top brass」と呼ばれるようになりました。現在、軍隊の地位の高い人だけではなく、どんなタイプの地位の高い人も「top brass」と呼ばれます。
例文1:
友達1:Did you get a pay rise this year?
(今年は賃上げをもらいましたか?)
友達2:No. But the top brass got massive bonuses as usual.
(もらわなかったよ。でも、社長などの偉い奴は大きなボーナスをいつも通りもらったよ。)
例文2:
友達1:What does Mike do for a living?
(マイクは何の仕事をしているの?)
友達2:He’s one of the top brass at an investment bank.
(彼は投資銀行の偉い人だよ。)
友達1:He must be raking it in then!
(そうなら凄く稼いでるだろうね!)
※「raking it in」というイディオムは「かなり儲かっている・稼いでいる」という意味になります。
以上、今回は「brass」という単語が含まれたイディオムを紹介してみました! 今度イギリス人と会話する機会があれば是非、会話で使ってみて下さいね^^
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