英米の歴史からみるスペルの違い
歴史的にみてもイギリス英語のスペルとアメリカ英語のスペルは18世紀頃まで共にとても曖昧で詳しくは決められていませんでした。その当時イギリス、アメリカでは、地方やエリアによって英語の発音が異なっていたので、当然の事ながら単語のスペルも違いがありました。
時代は18世紀に入り英語辞書が出版されるようになってからは英語のスペルが明確に決められるようになりました。1755年にイギリス人のサミュエル・ジョンソンは「A Dictionary of the English Language」という辞書を出版しました。
後の1828年には、アメリカ人のノーア・ウェブスターが、辞書「An American Dictionary of the English Language」を出版しましたた。現在、イギリスとアメリカで使われているスペルの多くは、殆どこの二冊の辞書をベースに作られています。
ウェブスターは当時、自身の思想に基いてアメリカの独立的なアイデンティティーを守る為に「アメリカ英語だけのスペル」を作りました。
しかしイギリスでは、「ラテン語やフランス語やギリシャ語」等の外来語がルーツの単語は、そのスペルが保存されました。歴史的にはこのような違いがあります。
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違いについて詳細
「~ourの単語」
単語の最後の「our」の音節にアクセントがなければ、アメリカ英語のスペルは「u」を抜きます。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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colour | color |
favourite | favorite |
flavour | flavor |
harbour | harbor |
honour | honor |
humour | humor |
labour | labor |
neighbour | neighbor |
rumour | rumor |
(他の例もある)
イギリス英語とアメリカ英語を比較: ~re/erの語尾
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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calibre | caliber |
centre | center |
fibre | fiber |
litre | liter |
manoeuvre | manoeuver |
meagre | meager |
sabre | saber |
sombre | somber |
spectre | specter |
theatre | theater |
(他の例もあります)
デザインやスタイルの為としてアメリカ英語では、「場所」、「建物」、「地名等」にイギリス英語のスペルを使う事があります。
イギリス英語とアメリカ英語を比較: ~ce/seの語尾
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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licence 名詞 | license |
licence 動詞 | license |
practice 名詞 | practice |
practise 動詞 | practice |
defence | defense |
offence | offense |
pretence | pretense |
イギリス英語とアメリカ英語を比較: ~ise / izeの語尾
このルールは複雑で英語圏のネイティブもよく間違えます。イギリス英語ではギリシャ語がルーツの単語は「izeの語尾」になり、フランス語やラテン語がルーツの単語の場合は「iseの語尾」を使う事になっています。
しかし一般的には、イギリス英語では「~ise」の方が多く、アメリカ英語では「~ize」の方が多いです。
以下に最もよく使われている単語を紹介していきます。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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organise / ize | organize |
recognise / ize | recognize |
realise / ize | realize |
イギリス英語とアメリカ英語を比較: ~yse/yzeの語尾
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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analyse | analyze |
catalyse | catalyze |
hydrolyse | hydrolyze |
paralyse | paralyze |
イギリス英語とアメリカ英語を比較: ~ogue/ogの語尾
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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analogue | analog |
catalogue | catalog |
dialogue | dialog |
homologue | homolog |
monologue | monolog |
イギリス英語とアメリカ英語を比較: ae/oe ギリシャ語ルーツの単語
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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amoeba | ameba |
anaemia | anemia |
anaesthesia | anesthesia |
archaeology | archeology |
caesium | cesium |
diarrhoea | diarrhea |
encyclopaedia | encyclopedia |
faeces | feces |
foetal | fetal |
gynaecology | gynecology |
haemophilia | hemophilia |
leukaemia | leukemia |
oesophagus | esophagus |
oestrogen | estrogen |
orthopaedic | orthopedic |
palaeontology | paleontology |
paediatric | pediatric |
イギリス英語はギリシャ語のスペルを保存しています。
イギリス英語とアメリカ英語を比較: ~llのルール
一般的にイギリス英語では「 l 」で終る単語は過去形になると、もう一つの「 l 」を入れます。勿論、例外もあります。
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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cancelled | canceled |
counsellor | counselor |
cruellest | cruelest |
labelled | labeled |
modelling | modeling |
quarrelled | quarreled |
signalling | signaling |
traveller | traveler |
travelling | traveling |
イギリス英語とアメリカ英語を比較: e抜きのルール
イギリス英語 | アメリカ英語 |
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ageing | aging |
likeable | likable |
liveable | livable |
rateable | ratable |
saleable | salable |
sizeable | sizable |
unshakeable | unshakable |
さらに詳しくイギリス英語とアメリカ英語の違いについて知りたい方は、私が書いたこちらの教材:「イギリス英語教材:ブリティッシュイングリッシュ・マスター」を是非下さい^^