イギリスで流行中のセレブニュースに出てくるスラング表現
皆さんこんにちは。今回の記事では「WAG、Wagatha Christie、The Scousetrap」という流行中のスラング表現を紹介したいと思います。
今現在、イギリス国民はあるセレブのニュースストーリーにハマっています。そのニュースとは、ある二人のサッカー選手の奥さんが巻き込まれた裁判に関するニュースストーリーです(笑)。
このストーリーはとてもくだらなくて恥ずかしい内容なのですが、今多くのイギリス人はまるで中毒のように、このニュースにハマっています。
私の父親と弟は一般的にセレブゴシップなどに全く興味がないのですが、この裁判のニュースに関しては毎日読んでいるそうです(笑)。この裁判はタブロイド新聞で「Wagatha Christie Libel Trial」と紹介されています。
このニュースを簡単に分かりやすく解説すると、イングランドのプレミアリーグ・レスター・シティのサッカー選手であるジェイミー・ヴァーディの奥さん(Rebekah Vardy)は、元有名サッカー選手として活躍していた、ウェイン・ルーニーの奥さん(Coleen Rooney)をある事で訴っていました。
その訴えた理由をルーニー夫人はインスタグラムで「ヴァーディ婦人はThe Sunというイギリスの新聞に自分のプライベート情報を売った」という驚きのコメントをアップしたからです。ヴァーディ婦人は、そのコメントをみて「それは嘘だ!」と主張して訴えました。これではくだらないですね(笑)。
私にとっても、この裁判は面白い内容ですが、実際にテレビニュースや新聞記事のレポーティングもとても面白いと思います。特に「言葉遊び」の大好きな新聞記事はこの裁判について書くたびに素晴らしい見出しやジョークを書いています。
以上の事から、私はこのニュースでよく見られるスラングに関する記事を紹介してみようと思いました。ライターが使うイギリス英語のスラングや用語はとても面白いと思いますので、当サイトの読者の皆さんにシェアしたいと思います^^
WAG(wag)の意味と使い方
まずは「wag」という単語にクローズアップしてみましょう。この単語は「wives and girlfriends」(奥さんと彼女たち)というフレーズの頭文字略から来たスラングになります。発音は「ワッグ」となります。
この単語は特に有名スポーツ選手の奥さんや彼女について話す際に使います。一般人のパートナーについては使いません。実はこのスラングは2000年代前半頃から使われています。
特に最も流行った時期は、2006年のワールドカップの頃です。その時の流行語でした。当時のワールドカップでは、デイヴィッド・ベッカムなどのかっこいいイケメン選手たちの奥さんがタブロイド新聞によく登場していました。
元の「wives and girlfriends of the players」という言い方は長いので、タブロイドの新聞記者はそれを省略して「WAGs」という表現を作りました。この表現はイギリスのセレブニュースでは非常によく目にします。
しかし、この表現はあまりポジティブなニュアンスを与えません。どちらかと言うと「旦那のお金を使ってブランド品を買いまる。ファッションしか興味のない女たち」というイメージを与える表現です。それ
では、実際の使い方を例文で確認してみましょう。
WAGの使い方 例文
Lisa wants to meet a footballer because her dream is to become a wag.
(リサはサッカー選手と出会いたい。何故ならお金持ちのサッカー選手の奥さんになりたいからです。)
Becky doesn’t work for a living. Her husband plays for a Premier League team, so she’s a full-time wag.
(ベッキーは仕事をしていない。旦那さんはプレミアリーグチームの選手なので彼女は働かなくても大丈夫です。)
That woman with the Chanel bag is a famous wag. She’s married to the captain of Manchester United.
(そのシャネルバッグを持っている女性は有名なサッカー選手の奥さんです。彼女はマンチェスターユナイテッドのキャプテンと結婚しています。)
Wagatha Christieってどういう意味?使い方は?
ルーニー夫人は、ヴァーディ婦人が裏切ったという事を「まるで刑事のようにしっかり調べた」という話がありました。そのことから「Wagatha Christie」という言葉遊びが出てきました。
これは「wag」と「Agatha Christie」(アガサ・クリスティ)の組み合わせです(笑)。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、アガサ・クリスティは有名な推理作家でしたので、これはピッタリ合う言葉遊びだと思います。
このニックネームを作った人物は不明ですが、おそらくツイッター等で人気のコメディアンによって作られたかもしれません。今、ヴァーディ婦人対ルーニー夫人の裁判は「Wagatha Christie Trial」と新聞で呼ばれています。これはタブロイド新聞だけではなく、イギリスの普通の新聞でも使われる用語になっています(笑)。それでは、実際の使い方を例文で見てみましょう!
Wagatha Christieの使い方 例文
A: Have you been reading about the Wagatha Christie trial?
(ワガサ・クリスティ裁判について読んでいますか。)
B: Of course! I’ve been gripped!
(もちろん!とてもはまっているよ!)
A: Who do you think will win the Wagatha Christie trial?
(ワガサ・クリスティ裁判は誰が勝つと思う?)
B: Rooney. Vardy is definitely lying.
(ルーニー夫人だよ。ヴァーディ婦人は絶対嘘をついている。)
The Scousetrapってどういう意味? 使い方は?
この「The Scousetrap」はもう一つの言葉遊びです。ルーニー夫婦はリバプール出身です。リバプール出身の人は「Scouse」というニックネームがあります。そして、アガサ・クリスティの演劇に「The Mousetrap」という作品があります。
つまり、この二つを組み合わせる事によって「The Scousetrap」という言葉遊びが出来ました。ヴァーディ婦人対ルーニー夫人の裁判は「Wagatha Christie Trial」以外にも「The Scousetrap」と呼ばれるようになっています。それでは、実際の使い方を例文でみてみましょう。
The Scousetrapの使い方 例文
A: When does The Scousetrap finish?
(ヴァーディ婦人対ルーニー夫人の裁判はいつ終わりますか。)
B: The judge will make a decision this week.
(裁判官は今週中に判断します。)
A: What’s The Scousetrap?
(スカウストラップって何ですか?)
B: It’s what the media are calling the Vardy v Rooney libel trial.
(メディアが呼ぶヴァーディ婦人対ルーニー夫人の裁判のニックネームです。)
まとめ:「WAG」、「Wagatha Christie」、「The Scousetrap」っていったいどういう意味?
今回の記事では、とてもくだらないスラングを紹介しました^^そのうち「Wagatha Christie」と「The Scousetrap」という二つの表現は忘れられると思いますが「Wag」というスラングはこれからも使われ続けると思います。イギリスの新聞やゴシップ雑誌などを読むとこの単語が必ず出てきますので、知識として覚えておくと役立つかもしれません^^。