吃り(吃音)はイギリスで恥ずかしい事なのでしょうか?

「吃り」(どもり)はイギリスで恥ずかしい事なのか?イギリスとアメリカの吃りの発生率は違うのか?
目次

イギリスとアメリカの吃りの発生率は違う? イギリス人の方がアメリカ人よりも吃っている人は多い?

最近、読者の方から多くの質問を頂いてとても嬉しいです。頂いた質問に正しい答えを出すために色々な文献やメディアをリサーチしたり、その結果をまとめて記事にする事は時間がかかりますが、それを喜んでもらえると、私自身とてもやりがいを感じます。

このサイトに対する質問はマニアックな質問でもオッケーなので、イギリスや英語に関する質問があれば、是非ご連絡ください。今回の記事でも、読者の方から頂いたちょっと変わった質問に答えてみたいと思います。

それでは、質問内容はこちら:

読者の方の質問:

人には面と向かって聞けないことがあります。日本では「吃り」は恥ずかしいことなので、注意すると余計しゃべらなくなるので、分かっていても注意しないようにしよう、と云う雰囲気があります。

英国、特にロンドンはどうでしょうか?私が30年前ロンドンに駐在していた時は結構多くの人(特に男性が多かったです)が、人前のテレビに出る人まで吃っていたように記憶しています。

英国では吃りは恥ずかしことではないのでしょうか?ロンドンへ行く前にニューヨークに研修で1年間滞在しましたが聞いたことがありませんでした。

先ずはご質問ありがとうございました。そして、当サイトを発見してお読み頂きありがとうございます。

少しマニアックな質問ですね。英語の質問とは少しそれますが、リサーチするにもとても興味深いテーマですね。

国籍によって吃る人が多いや、少ないという事は関係ないと思いますが、このテーマについて詳しくリサーチしてみました!

そして、まずは吃りについて詳しく調べてみましたので、ご覧下さい。

吃り(吃音)とは?

私は「吃り」の事にあまり詳しくなかったので、色々な情報を調べてみました。先ずは「吃り」の英語に言い方を紹介します。

「吃り」はイギリス英語では主に「stammer」という言い方になります。アメリカ英語では「stutter」という言い方になります。イギリス人も「stutter」という言い方も使う場合がありますが、単語の使用率を考えると、イギリス英語では「stammer」の方が使われているそうです。

そして、私は「stammer」の発生率を調べました。欧米では、どの国でも「約5%くらいの子供が吃りを経験する」時期があるそうです。しかし、多くの子供は大人になって吃りが消える場合が多いです。

ある研究によれば「1%の大人」は会話の際に吃る事があるようです。この統計はイギリスでもアメリカでも同様の結果になります。しかし、一般的に吃りは「主に男性の方が強い」という傾向があるようです。

また、「約80%の吃っている大人は男性」という結果もあります。各国の詳しい統計・研究の結果はありませんが、こういった研究をしている研究者はどの社会でも、どの言語であっても吃りの発生率は同じくらいだと考えているようです。

何故なら、吃りは「神経的な原因」が関係しています。研究者達は、まだ具体的な原因を解明出来ていないようですが、吃りには様々な原因があるようです。例えば、「遺伝子的な要素」は多いと考えられています。

そして、「ストレスやトラウマ」などによって、それらが吃りのトリガー(引き金)となるようです。

言語的な吃りは治せるのか?

吃りは完全に治せる問題ではないですが、子供の頃に吃りに早く気が付く事が出来れば、言語療法(英語:speech therapy)を行う事が出来ます。

この言語療法では、リラクゼーションテクニックや流暢に話せるようになるテクニックを専門的な先生に習うようです。言語療法を早く行えば、殆どの場合吃りが消える可能性は高いようです。

イギリス人の吃りに対する意見は?

現在のイギリス人は「吃りが言語障害で自然な現象」だという事を理解していますので、殆どの人は吃った相手と会話する際に優しく接すると思います。ですから、当然「指摘したり、注意する」という事はないと思います。

しかし、小さい子供は「言語障害」というコンセプトをあまり理解していないので、吃りのある子供は学校でいじめられる可能性があると思います。しかし、先生がそのいじめに気付いたら、いじめを止めるはずです。

現在のイギリス人は昔の人よりも、言語障害などの事について詳しいと思います。イギリスの社会は最近、色々な障害、精神病、見えない障害などについてオープンとなったと思います。

ですから、吃る人が恥ずかしく感じても、周りの人は殆どの場合、「その人のせいではない」という事が分かっていますので、優しく接すると思います。※勿論、どの社会でも「注意する、バカにする」悪い人間はいます。

吃りのある有名人は?

質問を下さった方も少し触れていましたが、吃りのある有名人も勿論います。最も有名な「吃りのあるイギリス人」としてはジョージ6世かもしれません。「英国王のスピーチ」という映画はジョージ王の言語障害がテーマとなっています。

英語の「speech」には二つの意味があります。一つは「発表・スピーチ」という意味で、二つ目は「話し方」という意味もあります。ですから、「The King’s Speech」という映画のタイトルには二つの意味があるんですね。

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元総理大臣のウィンストン・チャーチルにも、吃りがあったそうです。そして、吃りの他に「舌がもつれる癖」もありました。

ヒュー・グラント、エミリー・ブラント、ロアン・アトキンソン(ミスター・ビーン)というイギリス人の俳優・女優達も実は吃りがあるそうです。

以上、出来るだけ私が調べられる範囲で詳しく質問に答えてみました。私は言語障害の専門化ではないし、医者でもないので全ての情報は自分でインターネット使って調べています。

しかし、殆どの情報はイギリスのNHS(イギリスの国民健康サービス)の公式サイトから得たので正しい情報だと思います。

参考情報:「Stammering

「吃り」(どもり)はイギリスで恥ずかしい事なのか?イギリスとアメリカの吃りの発生率は違うのか?

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