共感を表す表現、一緒に使う具象名詞と動名詞も紹介
今回の記事では、私の職場のある同僚から受けた質問に答えてみたいと思います。具体的な質問のテーマは『excited at/about/forの使い方の違い』に関する質問です。
イギリス人である私の母国語は当然英語なので、英語教師になる前は細かい英語の文法ポイント等について深く考えた事はありませんでした。日本人のネイティブスピーカーが何も考えずに日本語を話すように、私たち英語ネイティブも特に何を考える訳でもなく普通に文法を使います。
そのため、誰かに英語の文法について質問されると、それを理論付けして解説するために自分も色々と調べる必要があります(笑)。そんな経験から、今回の記事では自分が色々と調べた際にに分かったある答えを紹介したいと思います。
それでは、excited at/about/forの使い方の違いを紹介していきたいと思います。
excited atの意味と使い方
be excitedという表現は「興奮している、~を楽しみにしている」という意味になる英語です。そのまま、I’m excitedという表現でも問題ありませんが、一般的には前置詞と一緒に使うことが普通です。例として、excited atや、excited about、excited for、excited toといったコロケーションで使います。
excited atは主に「抽象名詞」と一緒に使う表現です。例として、『excited at the idea』や『excited about the thought』といった表現で使います。しかし、具象名詞と一緒に使ってしまうと少し変な英語になる場合もあります。例えば、excited at the present、excited at the new computerという使い方にしてしまうと非常に不自然です。抽象名詞の良い例としては。
- thought 考え方
- prospect 見通し
- idea アイディア
- opportunity/chance 機会
以上の抽象名詞はexcited atと共によく使われます。それでは、実際の英語ネイティブのexcited atの使い方を例文で覚えていきましょう。
excited atの使い方 例文
A: I’m excited at the thought of getting a new car.
(新しい車を購入することを考えるとワクワクします。)
B: You must be! You’ve had your old car for about ten years.
(そうでしょうね! あなたは古い車を約10年くらい乗ってるからね。)
A: My son is going to live abroad next year. He’s excited at the prospect of learning a new language and culture.
(私の息子は来年海外に住む予定です。彼は新しい言語と文化を学ぶ事を楽しみにしています。)
B: I’m sure he’ll have a great time.
(きっと楽しい時間を過ごせると思いますよ。)
excited aboutの意味と使い方
excited aboutは主に具象名詞と動名詞と一緒に使います。この表現は先程紹介したexcited atよりも、会話上でよく使われます。どちらを使えばよいのか迷っている場合、aboutを使った方が良いと思います。
aboutは「~について」という意味になりますが、この文脈では「~に興奮している・ワクワクしている」や「~を楽しみにしている」という意味になります。それでは例文で実際の使い方を確認してみましょう。
excited aboutの使い方 例文
A: Are you excited about your holiday?
(旅行を楽しみにしていますか。)
B: Yes, I can’t wait!
(はい、待ちきれないほど楽しみにしています!)
A: My daughter is excited about going to university. She starts in September.
(娘は大学に行くことを楽しみにしています。9月に入学します。)
B: That’s great. She’ll enjoy the experience.
(それは素晴らしいですね。その経験を楽しむでしょう。)
excited forの意味と使い方
excited forは一般的に「人に共感する際」に使う表現です。このforは「誰々のために」という意味になります。他には「be happy for 人」という表現もあります。例えば、友達がプロポーズされて結婚式の計画を立てているとします。
そのような際には「I’m excited for you!」という表現を使います。少し直訳っぽい表現ですが、これは「あなたのために楽しみにしているよ」という意味になります。I’m happy for youは「あなたのために嬉しい」というニュアンスを与える表現です。
しかし、最近の口語でbe excited forはbe excited aboutの代わりに使われるようになっています。例えば、I’m excited for school (学校を楽しみにしています)や「I’m excited for the match」(試合を楽しみにしています)といったような文章で使われます。
実はこの使い方は文法的には誤りなのですが、英語ネイティブ(特にアメリカ人)と会話していると耳にするかもしれません。それでは実際の使われ方を例文で確認してみましょう。
excited forの使い方 例文
A: I’m getting married next year. My boyfriend just proposed!
(私は来年結婚することになったよ。彼氏はプロポーズしたばかりです!)
B: That’s wonderful news! I’m so excited for you!
(それは素晴らしいニュースですね!楽しみです!)
A: Are you excited for your trip to Paris?
(パリへの旅行が楽しみですか?)
B: Yes. It will be my first time travelling abroad, so I’m really excited.
(はい。初めての海外旅行なのでとても楽しみです。)
※このexcited forの使い方は口語なのでフォーマルなライティングでは使用を避けるべきです。
excited toの意味と使い方
excited toは動詞と一緒に使う表現です。これは「~して興奮する」という意味になります。例えば、「be excited to hear ○○」は「○○を聞いて興奮する」という意味になります。そして、この表現は名詞と一緒には使用する事が出来ません。それでは実際の使い方をみてみましょう。
excited toの使い方 例文
A: I was excited to hear that you were coming to Tokyo.
(あなたが東京に来ると聞いて興奮しました。)
B: Yes. It was a last-minute business trip.
(はい、そうですね。いきなり頼まれた出張でした。)
A: Are you excited to start skateboarding lessons?
(スケートボードのレッスンを始めることに興奮している?)
B: Yeah! I’ve always wanted to learn skateboarding.
(そうだね! 私はずっとスケートボードを習いたいと思っていたからね。)
まとめ:excited at/about/for/toの違い
まとめると、各表現は微妙に異なる使い方です。
- excited at = 抽象名詞と一緒に使う表現
- excited about = 具象名詞・動名詞と一緒に使う表現
- excited for = 誰かの良い知らせを聞いた際に使う「共感を表す表現」
- excited to = 動詞と一緒に使う表現
今回はこれで以上になります。もっとこんな英語表現が知りたい、イギリス英語、イギリスのカルチャーについてこんな事を聞いてみたいといった質問がある方は是非ご連絡ください。質問お待ちしています。