読者の質問

イギリスの新首相 リズ・トラスの名前とイギリスでの夫婦別姓問題

イギリスの新首相 リズ・トラスの名前とイギリスでの夫婦別姓について

英新総理大臣のリズ・トラスの本名とイギリスでの夫婦別姓の考え方、ファミリーネーム


Mairi
Mairi
皆さんこんにちは。今回の記事では「新総理大臣のリズ・トラス」に関するお話しと「イギリスでの夫婦別姓の考え方」についてお話したいと思います。


久しぶりの更新になってしまいました。夏休みも終わって私は無事に日本に帰国出来ました。これから少しづつになってしまいますがもう少し定期的にサイトを更新したいと思っています。

帰ってきて早速だったので、イギリスでの出来事について書こうと思っていましたが、その前に読者の方から旬なテーマの質問を頂いたので、そちらを先にお答えしたいと思いました。

それでは、実際に頂いた質問はこちらになります:


読者の方の質問:


こんにちは。ご無沙汰しております。

先日、イギリスでジョンソン首相の後任を選ぶ、与党・保守党の党首選挙の結果が発表され、トラス外相が選出されました。

彼女のことをウィキペディアで調べたところ、正式氏名はメアリー・エリザベス・トラス(Mary Elizabeth Truss )とのことでした。

父親はジョン・ケネス、母親はプリシラ・メアリー・トラス、ご主人はヒュー・オレアリーというお名前のようです。

ボリス・ジョンソン氏のときにお聞きしたように、新首相のお名前について質問させていただきたいと思います。


1.彼女のファーストネームは報道されている通り「エリザベス」で、苗字が「トラス」で良いのでしょうか?

2.母親の苗字である「トラス」を名乗っているということでしょうか?

3.父親の苗字を名乗らないということもあるのですね?

4.ご主人の苗字を名乗らないということは、イギリスでは夫婦別姓がOKということですね?

5.イギリスでの夫婦別姓の考え方や、ファミリーネームとう概念や考え方も日本と違うようですので、イギリスでの姓名についての概念(国民の考え方)や法律などをご説明いただけないでしょうか?

御存知の通り、日本では夫婦別姓には賛否両論ありますが、現在の法律では夫婦は同じ苗字を名乗らなければならないと決められています。


先ずはご質問ありがとうございました。そして、いつも当サイトを読んで頂きましてありがとうございます。

それでは、早速、頂いた個々の質問に答えてみたいと思います。




ファーストネームは「エリザベス」で苗字が「トラス」で良いのか?


はい。これはその通りですね。ウィキペディアで紹介されているように、リズ・トラスのフルネームは「Mary Elizabeth Truss」と言います。メアリーは名前になり、エリザベスはミドルネームです。

しかし、以前にもお話した事があると思いますが、色々な理由でミドルネームを名前として使う人は多いです。下記のガーディアンの記事によれば、トラス総理は子供のころからミドルネームで呼ばれていたそうです。

そして、本名の「メアリー」はどうも嫌いなようです。「リズ」は「エリザベス」の省略・ニックネーム(愛称)です。メディアでは必ず「Liz Truss」と呼ばれています。





母親の苗字である「トラス」を名乗っているということなの?


リズ・トラスのお父さんのフルネームは「John Kenneth Truss」と言います。Kennethは、ミドルネームになります。ウィキペディアによると「Mary Elizabeth Truss was born on 26 July 1975 in Oxford, England, to John Kenneth and Priscilla Mary Truss」という文章が書いてあります。

これをぱっと見ると、お父さんの苗字が「Kenneth」(ケネス)だと思う方がいると思いますが、英語では夫婦のフルネームを書くとこういった書き方が多いです。

例えば「Tom Jones」と「Mary Jones」という名前の夫婦がいるとします、その場合には「Tom and Mary Jones」という書き方を使います。ですから、リズ・トラスのお父さんの苗字は「Truss」となります。彼は数学の博士です。そして、現在でもリーズ大学で働いているそうです。

メディアによれば、リズ・トラスの家族はとても左翼的な意見があり、リズが保守党のメンバーになった際に、とてもがっかりしたそうです。現在でも、彼女の少し「保守的・右翼的」な考え方を反対しているそうです。親子で会う際に政治的な話は避けるようです(笑)。



イギリスでは父親の苗字を名乗らないこともあるの?


はい。これは場合によってですが、子供が母の苗字を名乗る事もあります。例えば、子供が生まれたときに親が結婚していない場合には、母親の苗字を使うカップル(またはシングルマザー)がいます。

そして、これは珍しい事ですが、父親が自分の苗字を嫌っているというケースがあります。そういった場合には、家族は母親の苗字を使うという事も可能です。男性側は法律的に苗字の変更を届け出る必要がありますが、一応できます。

そして、夫婦が離婚した場合には、その子供は後でお母さんの苗字に変えるというケースもあります。最近イギリスで流行っているのは「double-barrelled surnames」です。これはどういう事かと言うと、例えば、スミスさんという人とジョーンズさんという人が結婚し子供が生まれた場合、子供の苗字を「Smith-Jones」や「Jones-Smith」のようにするケースもあります。

例として、イングランドのプレミアリーグをみていると、そういった苗字の選手が数多くいます。例えば、リバプールのTrent Alexander-Arnoldや、サウサンプトンのJames Ward-Prowseが良い例です。選手の名前の付け方はわかりませんが、もしかすると、親が結婚していないか、親が再婚したのかもしれません。




イギリスでは夫婦別姓がOKなの?


リズ・トラスの母親世代は、主に夫の苗字を使っていましたが、最近の若い世代の女性は結婚しても自分の苗字をそのまま変えずに使っています。それは特に結婚する前に色々なキャリアがある人に当てはまる事です。

例えば、医者や弁護士といった職業に就いている女性は多くの場合、結婚後も自分の苗字をそのまま使っています。その理由としては、今までのキャリアは自分の苗字で作り上げてきたことなので、結婚を機に変更してしまうと、客や取引先などを混乱させてしまうという考えからのようです。

そして、単純に「苗字を変えたくない」と考える女性もいます。イギリスでは、結婚しても女性は苗字を変更しなくても大丈夫なので、苗字の変更するしないは個人のチョイスになります。

私の友達をみても、だいたい半々くらいの割合だと思います。旦那の苗字に変えた人もいますし、そのまま自分の苗字を使っている人もいます。

リズ・トラスは結婚する前に政治のキャリアがあり、その世界ではトラスという名字で知られているので夫の苗字(O’Leary)には変えなかったようです。正式な書類上の苗字を変えたのか、どうかの真相はわかりませんが、現在のプロフェショナルなキャリアの生活では元の苗字を使っています。




イギリスでの夫婦別姓の考え方や、ファミリーネームとう概念や考え方も日本と違うようですか


イギリス社会は20世紀の前半くらいから、かなり変わったと思います。70年代、80年代からは社会の「自由化」が続いていると思います。元々、イギリスは日本と同じようにファミリーネームを大切にしていたと思います。

そして、日本と同じように人の苗字をみると、その人の出身地の地方などが分かりました。私の苗字は「McLaren」ですね。これはスコットランドの苗字です。実は「Mc ○○」という苗字はスコットランドが由来です。

そのため「Mc ○○」という苗字の人は元々はスコットランド人の祖先がいたという事がわかります。「O’Leary」などの「O’○○」という苗字の人はアイルランドのルーツがあります。やはり、苗字を見れば人の歴史は色々と分かります。

しかし、現在のイギリスではフェミニズムがメインストリームです。「なぜ結婚した男性の苗字に変えなきゃならないの?」と質問する女性は多いです。最近、そういった考え方は日本でもあるのではないかと思います。

実は多くの国では「結婚して苗字を変える必要がある」というルールはありません。韓国や中国にはそのようなルールはない気がします。スペイン語圏の国では、子供は両親の苗字を付けます。アイスランドは父親の名前を使います。

例えば、「Bjorn Jonsson」の息子は「○○ Bjornsson」という名前になります。娘は「○○ Bjornsdottir」という苗字になります。つまり、「○○の息子・娘」という意味になる苗字です。色々な苗字の付け方がありますね!


元の話に戻りますが、イギリスでは伝統的な考えを持っている人は必ず家族全員同じ苗字を付けます。もう少しモダンな人、複雑な家族歴の人は色々なパターンがあります。正直に言ってしまうと、私も自分の苗字が好きなので、あまり変えたくないと思っています(笑)。

それでは、今回はこれで以上になりますが、期待していた通りの答えになりましたでしょうか。わからない事やもっと詳しく説明してほしい事があれば、是非ご連絡くださいね^^


イギリス英語を学習する為の専門教材

この「ブリティッシュイングリッシュマスター」という教材はイギリス人の私が書き下ろしたイギリス英語を学習する為の専門教材です。制作・編集も私が手がけたので英語のニュアンスも完璧です。ネイティブのイギリス人が使う自然なフレーズや、アメリカ英語との違いを中心にイギリス英語の文法、発音、スペルについてもアメリカ英語と比較しながら詳しく紹介しています。

教材内では、イギリスのカルチャーも紹介していますので、イギリス英語以外にも、イギリスのカルチャーに興味がある方にも是非読んでもらいたい内容です。イギリス英語の音声も付属しているので、通勤中の電車中や空いた時間を使ってこの音声教材でいつでもイギリス英語が勉強出来ます。

イギリス英語専門教材:ブリティッシュイングリッシュマスター




イギリス英語のイディオム専門教材


この教材「ブリティッシュイングリッシュイディオムマスター」はイギリス英語のイディオムを学習する為の専門教材です。本教材ではイギリス英語特有のイディオム表現や諺、その他にもマニアックなイギリス英語のイディオムを紹介している日本でも珍しいイギリス英語専門の辞書教材です。

イギリス人の日常会話やイギリスの映画、テレビドラマ、新聞、小説等に使われているイディオムをコツコツと集め、イディオムの歴史やルーツを調べて日本人のイギリス英語学習者の為に分かりやすく解説しています。

1つのイディオムにつき2つの例文を掲載しているので、イディオムの使い方やニュアンスもしっかりと学習できます。この教材もmp3の音声が付属しているので、場所を選ばす空いた時間を有効に利用していつでもイギリス英語のイディオムが勉強出来る教材です。


イギリス英語のイディオム専門教材:ブリティッシュイングリッシュ・イディオムマスター
➡ 教材の詳細