イギリス英語のイディオム!? PG TipsCMに出てくる「Keep it tea」という表現
皆さん、こんにちは!イギリス英語の勉強は捗っていますか^^ 今回の記事では、久しぶりに読者の方から頂いた「イギリス英語の表現・イディオム」に関する質問に答えてみたいと思います。
今回読者の方から頂いた質問のテーマは「イギリスのテレビCMで放送されている紅茶ブランドの出てくる「Keep it tea」という表現」についての質問になります。
頂いた質問内容はこちら:
読者の方の質問:
こんにちは、いつも英語学習の為に、このサイトを利用させていただいております。
最近YouTubeでイギリスなどのCMを見ているのですが、イギリスで一番ポピュラーな紅茶、PG TipsのCMでKeep it teaという表現が使われています。
この表現はどのような意味でしょうか? また日常的にも使われますか?
ご質問ありがとうございました。そして、いつも当サイトを読んでいただき、ありがとうございます。読者の方が言った通りに「PG Tips」というメーカーはイギリスで最も人気のある紅茶のブランドの一つです。
私は小さい頃からテレビでPG TipsのCMを見ていますので、このメーカーがテレビCMの制作にかなり力を入れているという事を知っています。
それでは、まず、PG TipsのCMの歴史について少し紹介してみたいと思います。
PG TipsのCMについて
私が小さい頃、PG TipsはCM内で「チンパンジーを起用した」という事で話題になりました。私と同じ世代のイギリス人であれば、絶対にそのCMのシリーズを覚えていると思います。
実は、そのPG Tipsのチンパンジーを起用したCMは1950年代に初めて放送されていました。このCMは当時とても人気が出ました。
そのCMの効果もあって、当時PG Tipsの(紅茶)売り上げランキングは「4位から1位に上がった」という効果があったそうです。現在、PG Tipsはイギリスで最も売れている紅茶のブランドです。
当時のチンパンジーのCMはこちら:
2002年にPG TipsはチンパンジーのCMシリーズを止めて、ある会社とのコラボレーションで、「クレイメーション」(粘土の人形で作るアニメーション)で「動物のキャラクター」を使り、CMを制作しました。
現在のPG TipsのテレビCMは「monkey(サル)」のキャラクターが出てきます。彼は色々な変わったテーマについて話した後に「Keep it tea」というキャッチフレーズを言います。
上記のCMで、このmonkeyは以下の台詞を話しています:
As a coping strategy, I blend kale with essence of jupiter.For past life stress, pine nuts. But for sanity, I keep it tea.
Keep it teaという表現の意味とは?
この表現を簡単に説明すると「keep it tea」これは「表現・イディオム」ではありません。このイディオムはPG TipsのCMを作った人(クリエイター?)が勝手に考えたキャッチフレーズです。
私の意見では「keep it tea」とは「keep it real」という表現の言葉遊びなんだと思います。「keep it real」という表現には色々な使い方がありますが「自分自身であれ」や「自分ではない何かであるフリをするな」というニュアンスを与えるフレーズです。
つまり、CMのメッセージは「自分でない何かであるフリをしないで紅茶を飲み続けよう」というメッセージだと思います。
そのため、CMに出てくるmonkeyはお洒落な物や、トレンディーな飲み物(スムージーやファンシーなコーヒーなど)をバカにして「俺はそういうファンシーな物がいらない。俺は紅茶を飲み続ける」という事を表現しているんだと思います。
つまり、まとめると「keep it tea」は「keep it real」(自分自身であれ)と「keep drinking tea(紅茶を飲み続けろ)」の組み合わせだと思います。
「tea」という単語の入ったイギリス英語のイディオム
「keep it tea」は本当のイディオムではないし、日常会話では使われませんが、イギリス人は昔から紅茶(tea)が大好きで日常的にも沢山飲みますので「tea」という単語が入ったイギリス英語のイディオムは多いです。
そこで、以下にイギリス人が使う最も有名な「tea」に関係するイディオムを紹介したいと思います。
~ is not my cup of tea.
(私は~があまり好きではない。)
Baseball is not really my cup of tea. I’m more of a cricket fan.
(私は野球があまり好きじゃない。私はクリケットファンですね。)
not for all the tea in China.
(絶対~したくない。)
I wouldn’t work for that company for all the tea in China.
(私は絶対にその会社で働きたくない。)
a storm in a teacup
(大して重要でない事、空騒ぎ)
I don’t think Mike and John really had a fight. It was just a storm in a teacup.
(マイクとジョンは本当に喧嘩したと思わない。空騒ぎだけだったよ。)
イギリス英語のイディオムに特化した専門教材の紹介
もし、さらに詳しいイギリス英語のイディオムを知りたいという方は、私が書いた「British English Idiom Master」というイディオム教材はお勧めです^^
この教材では、イギリス人の日常会話で使われるイギリス英語特有のイディオムとそのイディオムの由来を詳しく紹介しています。読み物としても楽しめる内容になっていると思いますので、是非ご覧下さい。
そして、もちろん、教材付属の音声は私の声でレコーディングしているので、イギリス英語のRPの発音です^^
以上になりますが、期待していた通りの回答になりましたか^^ 今回の記事は、PG Tipsというイギリスの紅茶ブランドが出しているテレビCMのキャッチフレーズを分析してみました。
他にもイギリスに関する質問、英語に関する質問があれば、是非ご連絡くださいね!