英語の罵り言葉やタブーな言葉「Oh, Christmas!」,「Oh my God!」,「Christ! Jesus!」って使っていいの?ニュアンス的にはどんな意味なのか?
皆さん、ゴールデン・ウィークは楽しく過ごせましたか? 天気が良かったですね^^。私はとても良いゴールデン・ウィークを過ごせました。
実は私は長野県に旅行に行ってきました。そこで日本の美しい自然を楽しむ事が出来ました。残念ながら、これからまた仕事が始まりますね(笑)。
それでは、早速、今回の記事では久しぶりに読者の方から頂いた質問に答えてみたいと思います。今回の質問は少しマニアックなテーマですね。これは意外に細かく解説されていないと思います「英語の婉曲的な罵りの言葉」に関する質問です。
読者の方から頂いた質問はこちらです:
読者の方の質問:
はじめまして、こんにちは。とても勉強になる記事をいつもありがとうございます。
1つ、調べても分からなかった事があり、もしよろしければ教えて頂けないでしょうか?
大好きな Downtown Abbey を観て英語の勉強をしています。その中で、メイドがキドニースフレを焦がしてしまい、’Oh, Christmas!’ と慌てていました。
日本語の訳は「大変!」Christmas は感動詞としても使えるのでしょうか?
正確にはどういう意味で、なぜ Christmas なのですか? また、現在でも使われる言葉ですか? もし私が欧米人の前で使っても問題ないでしょうか?
色々な映画やドラマを観てきましたが、Oh, Christmas には初めて出会いましたし、Downtown Abbey の中でもこのシーンでしか聞かない気がします。
突然のお便りで失礼しました。
お時間ありましたら、よろしくお願い致します。
先ずは、いつも当サイトを読んで頂きありがとうございます^^。そして、質問のメールを送ってくれてありがとうございます。それでは、早速頂いた質問に答えてみたいと思います。
こちらの記事もお勧めです:
英語において婉曲的な罵り言葉とは?
私はこのダウントン・アビーのエピソードを観た事がなかった事をあり、情報を探してみました。しかし、色々な方法で探してみても残念ながらこのエピソードのスクリプト(台詞)は見つかりませんでした。
しかし、私が知っている限り「Oh, Christmas!」という表現は英語の「婉曲的な罵り言葉」だと思います。
それでは一体「婉曲的な罵り言葉」ってどんな言葉なんでしょうか? 先ずは、それを説明する為に英語の罵りの言葉についてちょっと話したいと思います。
罵り言葉(英語:expletives/swearwords)とは、怒り、驚き、痛み、フラストレーション等の「強い感情」を表す際に使う表現ですね。
日本語の場合には、「クソ!」や「チクショー!」などの言葉が使われると思いますが、英語の場合にはもっと”強い意味”の言葉が使われています。英語の罵りの言葉は殆どの場合「タブー」な言葉です。
英語の罵り言葉は主に三つのカテゴリーに分ける事が出来ます。
- 1. 宗教に関する罵り言葉(例えば、Oh my God! Christ! Jesus!)
- 2. 性に関する罵り言葉 (例えば、Fuck! Bugger! )
- 3. 糞や尿などの汚い物に関する罵り言葉 (例えば、Shit! Piss off!)
こちらも参考になります:
- イギリス英語スラング:「piss」、「Pissed」、「Piss off」、「a piss-up」の意味、使い方
- 「Crap」とはどういう意味なのでしょうか?イギリス英語のスラング・罵りの言葉「crap」の使い方
「性に関する罵り言葉」や「汚い物に関する罵り言葉」は日常会話ではタブーなテーマですね。ですから、罵り言葉として使うとかなり強い感情を表す事が出来ます。
「宗教に関する罵り言葉」は日本人の立場から見るとあまり「タブー」には見えないかもしれませんが、キリスト教(又はイスラム教)の国では、「みだりに神の名を唱える」事は昔からとてもタブーです。
実は、多くの国では「神様をバカにする事」は犯罪になっています。日本人の小学生であっても「Oh my God!」という表現を分かっていると思いますが、実は、最近までその表現はかなりタブーな罵り言葉でした。
現在のイギリスではその表現を使っても誰もびっくりしませんが、保守的なアメリカの州で「Oh my God!」という表現を言うと周りの人は結構びっくりすると思います。「Christ!」(=キリスト!)という罵り言葉は現在のイギリスでも相手によって少しタブーです。
元のテーマに少し戻ります。英語の罵り言葉は下品でタブーな言葉なので、その代わりに「婉曲的な罵り言葉」という種類の「感動詞」が進化してきました。
例えば、「Shit!」(=クソ!)という罵り言葉はかなり下品なので、子供やお年寄りや同僚の前では使ってはいけません。しかし、時々「Shit!」と同じくらい強い感動詞を使いたい場合があると思います(笑)。
そんな時には「Shit!」の代わりに「婉曲的な罵り言葉」を使う事が出来ます。私の母親は私たち(私と弟)の前で「Shit!」のような強い言葉を使いたくなかったので、その代わりに「Oh, sugar!」という表現を使いました(笑)。
「shit」と「sugar」は同じ「シュ」という音素から始まりますので「Shit!」という下品な言葉を言おうとした時に、途中で「sugar」という安全な言葉にすり変えてそれを「セーブ」出来ます(笑)。
例えば、私の母親が料理をしている時に焦がしてしまうと「Oh, ssshhh…sugar!」という安全な表現を使います^^
それぞれのタブーな罵りの言葉にはよく使われている「婉曲的なバージョン」があります。それは、タブーの単語の代わりに「同じ最初の文字・音素」を使うと婉曲的に強い感情を表す事が出来ます。
例えば:
- 「Fuck!」の代わりに「Flip!」や「Fudge!」や「Fiddlesticks!」
- 「Shit!」の代わりに「Sugar!」や「Shoot!」
- 「Crap!」の代わりに「Crud!」や「Crabsticks!」
などを使う人がいます。
「宗教に関する罵り言葉」にも婉曲的なバージョンがあります。例えば、「God!」の代わりに「Gosh!」を使う人がいます。「Jesus!」の代わりに「Jeez!」や「Jeepers!」などの言葉を使う人がいます。
「Oh, Christmas!」という表現に関するまとめ
それでは、読者の方の質問をやっと答えられます(笑)。私の意見では、「Oh, Christmas!」は上記で説明したような「婉曲的な罵りの言葉」の一種だと思います。
例えば、料理を焦がしたメイドは怒りやフラストレーションを表す為に「Oh, Christ!」という罵り言葉を使いたかったのかもしれませんが、「Christ」はタブーな言葉なので「Oh, Christmas!」という「安全な罵り言葉」にすり変えたんだと思います。
現在のイギリスでは「Oh, Christ!」は凄くタブーというわけでもありません。ですから、現在のイギリス人の若者は「Oh, Christ!」の代わりに「Oh, Christmas!」といった婉曲的な表現を使う必要がなくなっているのではないかと思います。
しかし、ダウントン・アビーの時代では、「Oh, Christ!」はメイドが言えないくらいタブーな表現だったので、その代わりに「Oh, Christmas!」という表現を使ったんだと思います。
日本語訳では「大変!」という意味になりますが、代わりに「チクショー!」という訳を使っても大丈夫だと思います(笑)。
私の意見では、日本人の英語学習者は「Oh, Christmas!」を感動詞として使わない方が良いと思います。何故なら、この言い方は少し古くてちょっと変な感動詞だと思います。そして、現代のイギリス人は使わないと思います。
最後にその他の安全に使える「婉曲的な罵りの言葉」を紹介したいと思います。
- Oh no! (=やばい!大変!~をしまった!)
- For goodness sake! (=フラストレーションやいらいらを表す表現)
- Oh my gosh! (=驚きを表す表現)
この三つの表現を使うと、驚きやショックやフラストレーションなどの感情を表す事が出来ます。そして、タブーな言葉を使わないのでどんな場面でも使えます^^
それでは以上になりますが、頂いた質問に上手に答えられましたでしょうか? 他に質問があれば、是非連絡してくださいね^^
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