イギリス人の劇作家:シェイクスピアに作られたイギリス英語イディオム
イギリスの文学、カルチャーに興味がある方はご存じだと思いますが、ウィリアム・シェイクスピアとは、イギリスで最も有名な劇作家(playwright)です。
彼の名作は現在でも世界中の人達、イギリスの国語の教師達に愛されていますが、イギリス人の中学生には嫌われています(笑)。
イギリス人の子供達は中学校でシェイクスピアの作品を題材に国語の勉強をするのですが、シェイクスピアの作品には古い文語が沢山が出てきます。ですから、子供達には少し難しいイメージがあります。
しかし、シェイクスピアは天才でした。彼は新しい単語を沢山作り出し英語という言語に多大な影響を与えました。例えば、彼は「動詞を名詞にしたり」、「名詞を動詞にしたり」、「外国語の単語から新しい英単語を作ったり」と様々な言葉を作り出しました。
そして彼が作った言葉は、現在のイギリス英語でもまだ使われていますし、日常英会話でも普通に使われています。その他にも単語だけではなく、シェイクスピアが作ったイディオムも多く、それらの中には現在でも使われているイディオムも多いです。
実際にシェイクスピアによって作られた新しい単語は数百語を超え、それ以外にも沢山のイディオムを作り出しました。ですから、さすがにこのサイトの記事だけでは全て紹介しきれるものではありません・・。
現在、私はイギリス英語のイディオムを勉強出来る「イギリス英語専門のイディオム教材」を書いていますので、イギリス英語のイディオムにつさらに詳しく知りたい方はこちらの本を是非お楽しみにして下さね。
そこで今回はシェイクスピアが作った言葉、イディオムを紹介していきたいと思います。今回紹介するイディオムはイギリスの日常会話でも使われていますので、イギリス人と話す時には、これらの表現使って会話しても通じます。また、これらの表現はニュアンス的にも問題ありません。
それでは、早速ウィリアム・シェイクスピアが作ったイディオム表現と言葉を紹介していきたいと思います。
シェイクスピアが作ったイディオム「night owl」
night owl
直訳:夜のフクロウ
意味:夜更かしをする人・夜型タイプの人
作品名:「The Rape of Lucrece」
night owlの使い方 例文:
Masa is a night owl. He gets up at 11am and works until 4 in the morning.
(マサは夜更かしする人です。彼は夜の11時に起きて朝の4時まで働きます。)
シェイクスピアが作ったイディオム「to lead a charmed life」
to lead a charmed life
直訳:魔法をかけられた人生
意味:ラッキーな人
作品名:Macbeth」
to lead a charmed lifeの使い方 例文:
I am healthy, I have a beautiful wife, wonderful children and a well-paid job. I lead a charmed life!
(私は体が丈夫だし、妻は美人だし、子供が可愛いし、お金のいい仕事をしています。私はとてもラッキーな人です!)
シェイクスピアが作ったイディオム「mum’s the word」
mum’s the word
直訳:その単語はママだ!(笑)
意味:これは秘密だから誰にも言わないで
作品名:「Henry VI」
mum’s the wordの使い方 例文:
I am planning a surprise birthday party for my sister so, mum’s the word!
(私はお姉ちゃんの為に誕生日でびっくりさせるパーティーを計画しているので秘密だから何も言わないで!)
シェイクスピアが作ったイディオム「as dead as a doornail」
as dead as a doornail
直訳:ドアの釘ほど死んだ(直訳なので日本語としての意味は変ですね。)
意味:完全に死んだ
作品名:「Henry VI」
as dead as a doornailの使い方 例文:
My son’s hamster was dead as a doornail.
(息子のハムスターは完全に死んだ。)
シェイクスピアが作ったイディオム「lie low」
lie low
直訳:低い場所で横になる
意味:(何かの罪でばれないように)身を隠す
作品名:「Much Ado About Nothing」
lie lowの使い方 例文:
I broke my mum’s favourite vase so I think I’ll lie low for a while.
(私はお母さんの気に入っている花瓶を壊してしまったので、私はしばらくの間いなくなった方がいいかもね。)
シェイクスピアが作ったイディオム「wild goose chase」
wild goose chase
直訳:野生ガチョウの追走
意味:無駄骨を折る
作品名:「Romeo and Juliet」
wild goose chaseの使い方 例文:
I went on a wild goose chase today. I spent three hours looking for my car keys but it turned out they were in my pocket the whole time.
(私は今日無駄骨を折った。私は3時間もの間、車のカギを探していたけれど結局、鍵はずっと私のポケットの中に入っていたという事が分かった。)
シェイクスピアが作ったイディオム「a sorry sight」
a sorry sight
直訳:あわれな壮観
意味:あわれな姿
作品名:「Macbeth」
a sorry sightの使い方 例文:
You are covered in mud! What a sorry sight!
(あなたは泥だらけだよ!なんてあわれな姿なんだ!)
シェイクスピアが作ったイディオム「eaten out of house and home」
eaten out of house and home
直訳:家まで食べられた
意味:来客や自分の子供が料理を全て食べてしまって何も残っていない
作品名:「Henry IV」
eaten out of house and homeの使い方 例文:
My son came back from university on Friday and he has already eaten me out of house and home!
(私の息子は金曜日に大学から帰ってきて、もうすでに家の中の食べ物を全て食べてしまった!)
※この表現は少し皮肉めいたイディオムです。本気で文句を言おうとしているわけではありません。冗談っぽく話す感じで使います。
シェイクスピアが作ったイディオム「send (him) packing」
send (him) packing
直訳:彼に荷物を詰めさせる
意味:(人を)追い出す
作品名:「Henry IV」
send (him) packingの使い方 例文:
Mary found out that David had been cheating and she sent him packing.
(メアリーはデイヴィドの浮気を発見して、彼を家から追い出した。)
シェイクスピアが作ったイディオム「seen better days」
seen better days
直訳:もっと良い日を見た経験がある
意味:(何かが)ぼろい、駄目、壊れている
作品名:「Timon of Athens」
seen better daysの使い方 例文:
This apartment looks like it has seen better days…
(このアパートはぼろい。)
※この例文を直訳すると「このアパートは、もっと良い時代があったのだろう」という意味になりますが、ニュアンス的には「このアパートはぼろい」という意味として使われます。
このイディオムは皮肉った表現として使う場合、婉曲的な表現としてに使われる事が多いです。イギリス人はこのような話し方が好きな国民性ですからね^^。
シェイクスピアを使ってイギリス英語を勉強する為のお勧めの教材
シェイクスピアの作品を読んでみたいと思って初心者にとってはちょっと難しいと思います。しかし、このように読みやすく作られた簡単なバージョンもあります。
このバージョンは英語学習者向けですので、比較的簡単な英語で書き直されています。本文の内容としては高校レベルの英語で読めると思います。リーディング学習する際には比較的分かりやすいと思います。
シェイクスピアに興味を持っている方は以下の映画もお勧めです。 シェイクスピア本人については不明な事が多いと思いますが、この映画は彼の若い時について語られている映画になります。