BBCラジオドラマの「Cabin Pressure」のスクリプトに関する質問:「knock it off」、「punt」の意味とは?
皆さんこんにちは。Mairiです。今回の記事ではBBCラジオドラマ「Cabin Pressure」に関する質問に答えてみたいと思います。
当サイトの読者の中には「ベネディクト・カンバーバッチ」の大ファンという方は多いと思います。そして、今回の頂いた質問もカンバーバッチの大ファンの方から頂いた質問です^^。
具体的な質問内容は、彼が出演したBBCラジオドラマ「Cabin Pressure」の台詞に関する質問です。では、頂いた質問はこちらになります。
Cabin Pressureっていうラジオドラマの中のセリフについてです。以前からCabin Pressureっていうラジオドラマを聞いているんですが、最近スクリプトを読んできちんと理解しようと勉強中です。
Episode 1 「Abu Dhabi」より
MARTIN: Post take-off checks complete, Douglas.
DOUGLAS: Thank you, Captain. Perkins.
MARTIN: Oh, knock it off, Douglas.
DOUGLAS: Knock what off? (← ココは茶化しているように思いますが、どういう意味なのかよく分からないんです)
MARTIN: Yes, all right, I’ve never heard of Captain Perkins. Happy now? You win again in the game of Referencing Fictional Captains I Don’t Recognise. But d’you know, that’s because of instead of reading The Adventures of Captain Perkins in my punt at Eton College Oxford, I was re-reading Principles of Climatology for Pilots, and underlining bits in red, all right?
(↑ in my punt と書いてありますが、pantsに聞こえます。しかも意味が分かりません。そして観客が笑っているのですが・・・なぜ笑えるのか分からないんです(涙)
DOUGLAS: All right. Feel better?
MARTIN (quietly): Yes.
DOUGLAS: Good. I said, “Thank you, Captain. Perkins.” Brian Perkins.
(Brian PerkinsはBBCのニュースキャスターのようですが・・・)
MARTIN: Oh. Right. Hanrahan.(Hanrahanでも笑いが起きているのですが・・・わからない・・・)
上のスクリプトは、CDで言うと、5番目のセクションの冒頭です。
よろしくお願いします!
まずはいつもご質問ありがとうございます! そして、いつも British Eigoを読んで頂きましてありがとうございます^^ そして、いつも面白い質問を送ってくれてありがとうございます^^
このドラマのスクリプトの質問に答える前に、まずはこのドラマの事を知らない読者の方のために少し紹介したいと思います。
BBCラジオドラマ「Cabin Pressure」について
「Cabin Pressure」は2008年に初めてBBCラジオ4で放送されたラジオドラマです。このドラマはコメディードラマとして、とても人気になりました。最後のエピソードは2014年に放送されました。
この作品は「MJN Air」という「世界一小さい航空会社」がストーリーの中心になったドラマです。この航空会社のオーナーはカロリンという女性です。彼女はお金持ちの旦那と離婚した時にその旦那の飛行機をもらいました。
そして、その飛行機を使い航空会社を設立しました。彼女は二人のスタッフを雇いました。その二人のスタッフはダグラスとマーティン(ベネディクト・カンバーバッチ)です。ダグラスは元々偉いパイロットでしたが、密輸という犯罪によって前職を失いました。
マーティンはダグラスほど良いパイロットではありませんが、MJM Airの機長です。マーティンとダグラスの関係はあまり良くないです。そして、ダグラスはマーティンより年上で上手なパイロットなので、お互いにライバル意識があります。
「Cabin Pressure」を聴く方法
このラジオドラマはもうラジオでは放送されていませんが、CDで聴く事が出来ますし、オンラインではポッドキャストとして聴く事も出来ます。
私は今までこのラジオドラマを聞いた事がありませんでしたが、インターネットで調べているとポッドキャストを見つけました。私は1番目のエピソードしか聞いていませんが、とても面白い内容でした。
Cabin Pressureを無料で聴く事が出来るポッドキャスト:
Cabin PressureのCD(全てのエピソード):
Cabin Pressureのスクリプト:
S1E1: Abu Dhabi 後半(Cabin Pressure和訳)
それでは、今回のメインの質問、ドラマの台詞に関する質問に答えて見たいと思います。
「knock it off」ってどういう意味?
「knock it off」という表現は「やめて」、「ふざけるな」という意味になります。つまり、相手の嫌な行動をやめさせたいという時に「knock it off」という表現を使います。つまり「stop it」と同じ意味です。
このドラマではダグラスというキャラクターが、いつもマーティンをからかっています。それは何故なら、ダグラスは「自分の方が年上で経験があり機長になるはずだった」と考えているからです。
このエピソードの初めの方に、マーティンは「僕をSir(機長)と呼んでください」とダグラスに言いました。ダグラスは自分の方が偉いと考えているので「Sir」と呼びたくないと思っています。
マーティンをイライラさせるために、ダグラスは皮肉めいた色々な呼び方で彼をからかいます。ですから、ダグラスが「Thank you, Captain. Perkins.」(パーキンス機長、ありがとうございます)というセリフを言った後に、マーティンは「knock it off」(やめろ)と言います。
ダグラスは自分が悪い事を言っていないふりをして「knock what off?」(何をやめる?)という質問をします。しかし、「knock what off?」は少し子供っぽい表現なので、観客は笑っています。
「punt」ってどいう意味?
「punt」(pantsじゃなくて!)は船の種類です。オックスフォードやケンブリッジにある川でレンタルできる船のことです。
ダグラスはかなり「posh」(上流階級)のキャラクターなのでマーティンが怒った時にダグラスの生まれ育った恵まれた環境の文句をいいます。オックスフォードやケンブリッジ大学の大学生は「posh」なイメージがあります。
そのセリフの翻訳を観たら意味が分かると思います。
※この翻訳は私の翻訳ではなく、「Black, Two Sugars, Please(kanakana009)」という方のブログの翻訳です。私はこの翻訳を読んですごく上手だなと思いました^^
MARTIN: Yes, all right, I’ve never heard of Captain Perkins. Happy now? You win again in the game of Referencing Fictional Captains I Don’t Recognise. But d’you know, that’s because of instead of reading The Adventures of Captain Perkins in my punt at Eton College Oxford, I was re-reading Principles of Climatology for Pilots, and underlining bits in red, all right?
マーティン:ああ、そうさ、僕はキャプテン・パーキンスなんて知らない。満足かい?『フィクションのキャプテン』ゲームもきみの勝ちだ。でもそれは、イートン・カレッジやオクスフォードで舟を漕ぎながら『キャプテン・パーキンスの冒険』なんて本を読む代わりに、僕は『パイロットのための気象学』を繰り返し読んで、赤ペンで下線を引いていたからなんだよ。分かった?
このマーティンのセリフを読むと分かると思いますが、マーティンには「劣等感」(コンプレックス)があると思います(笑)。
「Perkins」と「Hanrahan」ってだれ?
正直にいうと、私もその二つの名前が分かりません(笑)。PerkinsとHanrahanはラジオ4のアナウンサーかもしれません。このドラマの観客はラジオ4のファンが多いので、そのような「ラジオ4の観客の内輪ネタ」なんだと思います。
私はクリケットの試合の時にしかラジオ4を聴かないので、残念ながら、そういった内輪ネタは通じません(笑)。
それでは以上になりますが、期待していた回答になりましたか^^ 他の質問があれば、是非ご連絡くださいね^^