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theの発音は「ザ」か「ゼィ」のどちらなのでしょうか?
Mair
皆さんこんにちは。今回の記事では読者の方から頂いた質問「theの発音」に関するテーマについてお話してみたいと思います。
具体的な質問内容としては、英語ネイティブは「the」の発音は「ザ」か「ゼィ」のどちらを使うのか?という内容です。それでは、実際に読者の方から頂いた質問を見てみましょう。
読者の方の質問:
いつも見て楽しませていただいてます!
theの発音は子音の前では”ザ”、母音の前では”ズィ”と発音すると習ったのですが、実際ネイティブが話している動画を見ていたりすると、”the most”の”the”を”ズィ”と言っているなど、子音の前で”the”が”ズィ”と発音されるのを何回か耳にしました。
これはどういうことなのか説明していただけないでしょうか。
先ずはご質問ありがとうございます。そして、いつも当サイトを読んで頂き本当にありがとうございます。確かに英語を勉強していると「theの発音」はとても重要なポイントになりますね。
そこで、このページではこのtheの発音に関する質問に詳しく質問に答えながら「the」の正しい発音とネイティブの発音について徹底解説していきたいと思います。
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子音の前で使う theの発音とは?

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読者の方がおっしゃったように、子音の前で使う「the」の発音は「ザ」になります。もちろん、「th」の発音はカタカナでは正確に表現できませんが、「/ð/」という発音になります。
そして、「the」に入っている「e」の発音はとてもソフトであまり強調しなくても大丈夫です。発音記号では、「/ə/」という発音になります。これは「shwa」という発音です。
「shwa」についてもカタカナで表現する事は難しいですが、音的には「ア」と「エ」の間くらいのソフトな母音といった感じになります。
例えば:
- the bus ➡ ザ・バス
- the train ➡ ザ・トレイン
- the man ➡ ザ・マン
また「The USA」や「The UK」など言う場合には、「ザ」という発音を使う必要があります。「U」は一応母音ですが、頭文字省略なので、「ユー」という発音になります。つまり、子音の発音になりますので「the」は「ザ」という発音になります。
他には、「the university」(ザ・ユニバーシティ)、「the unicorn」(ザ・ユニコーン)などの「u」から始まる単語の例外もあります。
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母音の前で使う theの発音とは?

一方、母音の前で使う「the」は一般的に「ゼィ」という発音になります。また、「th」は「/ð/」という発音になります。「e」の発音は「イ」になります。実は英語ネイティブがこれを言う際には「単語と単語を繋げる」という癖があります。
これは「linking(リンキング)」という現象になります。そのため、「ゼィ+母音で始まる単語」という組み合わせを発音する際には「y」という発音が自然に入ってしまいます。
例えば、ですが「the apple」は「ゼィ・アプル」よりも「ゼィヤプル」という発音になってしまいます。
- the apple ➡ ゼィ・ヤプル
- the egg ➡ ゼィ・イェッグ
- the octopus ➡ ゼ・ヨクトパス
- the umbrella ➡ ゼィ・ヤンブレラ
等があります。しかし、以下のように例外もあります。
「ゼィ+母音から始まる」ルールには、例外もあります。例えば、時々「hから始まる単語」は、「h」の発音にはなりません。例えば、「honour」の発音は「ホナー」ではなく、「オナー」になりますので「子音」としては扱いません。
以上の事から、「ザ・オナー」ではなく、「ゼィ・ヨナー」といった発音になります。まとめると以下のようになります。
- the hour ➡ ゼィ・ヤワ
- the heir ➡ ゼィ・イェア
他にも「hから始まる単語でhを発音しない」単語は沢山あります。そういった単語は「母音から始まる単語」の扱いをします。
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英語ネイティブは何故「the most」を「ゼィー・モスト」と発音するのか?

先程も紹介したようにネイティブは自然に発音ルールを守って会話していますが、時々ルールを破って違う「the」の発音を使う事があります。それはどんな時なのでしょうか?
読者の方が紹介した例は「the most」の発音です。発音ルールを守ると「ザ・モスト」という発音を使うべきですが、「ゼィ・モスト」という発音を使った人がいたそうです。
そうなった理由としては、「the」を強調しようとしてい為なのではないかと思います。「the」という単語の元々の意味は、「その一つだけの」という意味になります。
「the most ~」は「最も~」という意味になります。普段、「ザ」という発音を使うと、とてもソフトな感じになりますが、「ゼィ」という発音を使うと、「その一つだけの」という部分を強調できると思います。
読者の方は動画でその「ゼィ・モスト」という発音に気が付いたそうです。おそらく、その動画に出てきた人は面白い事などを紹介して、「the」を強調したかったのではないかと思います。
theの発音で方言と訛りについて

今回の記事で紹介した「the」の発音ルールは標準語のルールです。実は、英語圏の国の中にも発音のバリエーションがあります。そして、地方訛り・方言によって「the」の発音のされ方が違います。
例えば、多くのアイルランド人は日常会話で、「the」が「タ」または「ダ」という発音になります。それは何故なら、アイルランド語(=アイルランドのゲール語)では「th」(/ð/)という発音は存在しないという事が関係しています。
アイルランド人が英語を話すようになったその当時、アイルランド語の影響でその発音の「癖」が残っていました。現在のアイルランド人はみんな英語が話せますが、元々のアイルランド語の発音の影響が残っています。
他の例としては、イングランドのヨークシャー訛りがあげられます。イングランドのヨークシャー州の訛りでは、「the」は時々省略されて「t」という発音になってしまいます。
例えば、「I need the toilet」はイギリス英語の標準語では「アイ・ニード・ザ・トイレット」という発音になりますが、ヨークシャー訛りでは、「ザ」は「t」という発音になります。例えば、「アイ・ニーットイレット」という発音になります。「the」と「toilet」の「t」は一緒になってしまいます。
ジャマイカの英語はジャマイカのパトワ(=クリール後)に影響されています。パトワ語は英語に基づいている言語ですが、アフリカの言語の発音や文法が混ざっています。
ですからそういったアフリカの言語の影響もあり、「the」の発音が「ディ」になってしまう場合が多いです。アイルランドのゲール語と同じように、パトワ・クリオール語には「/ð/」の発音が存在しません。そのため、「d」という発音になりました。
まとめ:「the」のそれぞれの発音について
今回の記事では、「the」の発音ルールを紹介して、例外についてもお話してみました。簡単にまとめてしまうと、「the + 子音から始まる単語」の場合には、「the」は「ザ」という発音になります。「the + 母音から始まる単語」の場合には、「the」は「ゼィ」という発音になります。
ネイティブが「the」という単語を強調したい時には、「ゼィ」という発音を使う場合があります。そして、地方訛りや国による発音の違いがあります。アイルランドとジャマイカは良い例です。他にももっと知りたい事があれば、是非質問がしてくださいね!
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