イギリス英語で「Dodgy end」とはどういう意味なのでしょうか?
今回の記事では、読者の方から頂いたイギリス英語・映画の台詞についての質問に答えていきたいと思います。今回のテーマは「ラブ・アクチュアリー」というイギリス映画に出てくる台詞についての質問です。
では、質問はこちらです!
読者の方の質問:
「いいサイトをみつけた、とわくわくしながら読んでいます。いつも楽しいお話をありがとうございます。
好きな映画”Love Actually” に出てくる”dodgy end”がわからなくて、辞書の意味から「危険な通り」だと解釈していました。「アヤシイ区画」のような感じなのでしょうか。
ずっと謎だったので(だって映像では明るくて素敵な通りに見えたので)”dodgy”の解説を読んで、アヤシイのか?とやっぱり確信が持てません。
あれはどのような意味なのでしょうか。教えていただけると数年の謎がとけます。」
ご質問ありがとうございました。サイトの更新を楽しみにして下さってありがとうございます^^
こういう温かいメッセージを頂けるとサイトを運営していてよかったな~と本当にやりがいを感じます。とても嬉しいです^^

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イギリス映画「ラブ・アクチュアリー」に出てくる「dodgy end」という表現について
では、「ラブ・アクチュアリー」の台詞のミステリーを解決してみたいと思います。実は以前私はこの「dodgy」という単語を紹介した事があります。
参考:「怪しいという意味になるイギリス英語のスラング「Dodgy」、「Shifty」の意味と使い方を紹介」
その記事では、「dodgy」は「怪しい」、「やばい」、「調子が悪い」などのネガティブな意味になると説明しました。
しかし、今回の質問では、ラブ・アクチュアリーに出てくる「dodgy end」という台詞は映画に出た「素敵な通り」と合わないのではないか?という事のミスマッチについての疑問です。
私も過去に何回もラブ・アクチュアリーを観た事がありますが、残念ながらその台詞は覚えていませんでしたので(笑)。改めて調べなおしてみました。文脈によって、英語の台詞の意味が変わりますので、その台詞をネットで調べてみました。
ラブ・アクチュアリーのスクリプトはこちら:「Love Actually Script」
私はこのスクリプトに目を通してみたところ、「dodgy end」という台詞を見つける事が出来ました。実は、このフレーズは二つのシーンに出てきます。
1. 総理大臣(ヒュー・グラント!)とナタリーは総理大臣のオフィスで話しています。総理大臣はナタリーの事が好きなので、彼女の事について色々知りたい・・・
PM: Well, erm, where do you live, for instance?
(例えば、あなたは何処に住んでいますか?)
Natalie: Wandsworth. The dodgy end.
(ワンズワーズの怪しい側)
PM: Ah, my sister lives in Wandsworth.
(お!僕の姉もワンズワースに住んでいますよ。)
Natalie: Oh.
(そうですか。)
PM: So which exactly is the dodgy end?
(ところで、「怪しい側」って具体的に何処にある?)
Natalie: Right at the end of the high street, Harris Street, near the Queen’s Head.
(ハイ・ストリートの突き当たりにあるハリス・ストリートですよ。クイーンズ・ヘッドというパブの近くに。)
PM: Right, yes, that is dodgy.
(そうですか。確かに、あそこのエリアは怪しいよね。)
ナタリーと総理大臣のお姉さんは二人ともワンズワースというエリアに住んでいるみたいです。
しかし、ワンズワースの中には良いエリア(ストリート?)と治安の悪い(=dodgy)エリアがあるそうです。総理大臣のお姉さんは中流階級の中でも上の方だと思います。
ですから、彼女はワンズワースの良いエリアに住んでいます。ナタリーは、ワーキング・クラス(元々労働階級)の人なので、ワンズワースの治安の悪いエリアに住んでいるそうです。
この映画の中で表現されているのは、総理大臣とナタリーの「違う階級の同士のラブ・ストリーリー」という部分だと思います。
ですから、「dodgy end」(怪しいエリア、治安の悪いエリア)という情報が強調されています。
2. 総理大臣はナタリーの家を探しに行きますので、車の運転手に道を説明しています。
PM: Jack, yeah, I need a car. Right now. Thank you. Oh, don’t wait up. I’d like to go to Wandsworth, the dodgy end.
(ジャック、はい。車が必要。今だよ。ありがとう。先に寝てもいいよ。 ワンズワースに行きたいです。「怪しい側」。)
この台詞で総理大臣はナタリーとの話を引用して、「ワンズワースの怪しいエリアに行きたい」という表現を使って説明をしています。車の運転手は「dodgy end」という意味が直ぐに分かりました!
私も、そのシーンを観た時に「この道路はそんなにdodgyに見えないのに!」と思いました。実はネットで少し調べると、そのシーンはワンズワースで撮影されていなかったという情報を見つけました。
映画に出たロケーション(ナタリーの家)は「102 Poplar Road, Herne Hill」という住所です。これはワンズワースの住所ではありません。
参考:ラブ・アクチュアリーのロケーション
私はロンドンに住んだ事がないのでワンズワースの事はあまり詳しくありません。しかし、調べてみると色々な情報を見つけました。ワンズワースはロンドンの南西にあるエリアです。
「Borough of Wandsworth」と呼ばれ、東京の「~区」と同じようなエリアです。ワンズワースは良いエリアとdodgyなエリアがあるようです。
dodgyなエリアには、公営団地が多く貧しい人たちが多いようですが、近くにとても豪華で値段の高い家も沢山あります。「ヒュー・グラント総理大臣」のお姉さんはあそこに住んでいるのでしょう(笑)。
参考:ワンズワースについて
では、「dodgy end」のミステリーは解決できましたでしょうか?他の質問があれば是非ご連絡ください。いつも当サイトを読んでくれてありがとうございます!
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