イギリスの美味しい紅茶について質問を頂きました
皆さん、こんにちは。最近はぐっと寒くなってきましたね。急に秋から冬にスイッチしたような気温の変わりようですね。
さて、今回の記事も読者の方から頂いた質問に答えてみたいと思います。今回の質問のテーマは「イギリスの紅茶」についてです。
質問はこちら↓↓
読者の方の質問:
「こんにちは。いつかの記事で、「日本にはまずいリプトンしかない」というイギリス人もいる、といった旨が書いてありましたよね。そこで、ふと思ったのですが、紅茶で一番美味しいのはどこのものなのでしょうか?もちろん個人差があると思うのですが、Mairiさんの個人的なご意見、もしくは一般的にイギリス人に人気のあるものを伺いたいです。
ちなみに、私は紅茶通ではありませんが、日東紅茶は薄すぎてあまり好きではなく、Liptonもいまひとつで、Twiningがお気にいりです。」
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イギリスの「美味しい」紅茶についてイギリス人として思う事
ご質問ありがとうございます。これはとても良い質問です。読者の方の中に多くいるイギリスのカルチャーファンはイギリスの紅茶について知りたいと思っている事と思います。
そこで今回はイギリスの「tea drinking culture」について紹介していきたいと思います。
イギリス人はどうして紅茶を飲むでしょうか? イギリスは現在こそ「紅茶」を好み日常的に飲んでいる人が多いですが、その昔(1600年代)は緑茶(green tea)の方が人気があったようです。
当時、東洋で活躍していたイギリス人の貿易業者達は中国から緑茶を輸入していました。
1700年代に入ってから紅茶は緑茶よりも人気がでました。それがどうしてなのか分かりませんが、当時から紅茶に砂糖を入れる習慣が始まりました。
当時は紅茶は「体に良い」というイメージがありましたので、薬のように飲まれていたようです。その後イギリスへの紅茶輸入量はどんどん増え続けて、20世紀の前半にはロンドンは世界の紅茶貿易の中心になりました。
結局、イギリス人が紅茶を飲む理由として、歴史的にイギリスはアジアと貿易をしてきたからという事が関係しています。
大英帝国の影響で、元々アジアの緑茶と紅茶を飲む習慣はイギリスに移って人気が出ました。他のヨーロッパの国でも紅茶と緑茶は飲まれていますが、イギリスほどの人気はありません。
現在のイギリスのティー・カルチャー
イギリスのスーパーに入ったら、数多くの紅茶ブランドを見る事が出来ます。
現在のイギリス人は紅茶を入れる最に紅茶の葉っぱではなく、主にティーバッグを使っています。そしてイギリスの最も人気のある紅茶のブランドは以下になります:
- Tetley
- PG Tips
- Typhoo
- Yorkshire Tea
他にも多くの紅茶ブランドがありますが、この4つのブランドは紅茶マーケットの60%以上のシェアになります。
勿論、スーパーのプライベートブランドもありますが、一般のイギリス人の家に行って紅茶を飲んだ場合、上記のブランドの紅茶になると思います。(私の母親はPG Tipsを買っています!)
実はLiptonsという紅茶はイギリスであまり人気がありません。Liptonsはアメリカの会社ですが、イギリス人のテイストに合わないのかな?と思います。
Twiningsというブランドは勿論人気がありますが、Twiningsの紅茶よりもハーバルティーや緑茶などの「エキゾチック」な種類の方が売れているような気がします。
ですから一般的に日常的に飲む紅茶を買う場合はTwiningsを選びません。Twiningsには少し「高級」なイメージがあります。そして一般の紅茶より少し高いからです。
実は私は紅茶より日本の緑茶の方が好きです^^ 日本に来てからは紅茶よりも緑茶を飲むようになったので、紅茶通の方にお勧めのイギリス紅茶を紹介する事は難しいですが、上記のブランドを試してみたら好きな味を見つけられるのではないかと思います。渋さや風味等は個人によっても好みがあると思いますので、色々試してみて下さいね^^
イギリスの紅茶の飲み方
私は別の記事で紅茶の飲み方について紹介した事がありますが、せっかくの機会なのでもう一度紹介したいと思います。
イギリス人は殆どの場合「ミルクティー」を飲みます。急須で紅茶を作ってからカップに注ぎます。そして牛乳を加えます。もし甘いミルクティーが好きであれば砂糖を加えます。
砂糖と牛乳の多いミルクティーは「builder’s tea」というニックネームがあります。何故なら、builder(工事の職人)の人たちがそういうテイストの紅茶が好きだというイメージがあるからです。
現在のイギリス人はマグを使って紅茶を飲みますが、正式なイベントではちゃんとしたティーカップを使っています。
私のおばあちゃんは紅茶が大好きで必ず青白の「willow pattern」の急須とカップを使っていました。「Willow pattern」という食器のデザインはイギリスで200年間以上使われています。
中華風のデザインですが、とてもイギリスらしい食器のデザインだと思います。
参考:「Willow patternについて」
イギリス人は海外に行く時必ず現地の紅茶の味の文句を言います^^
インターネットで調べると、「アメリカに住んでいるイギリス人への紅茶アドバイス」などの記事をよく見かけます(笑)。
イギリスの紅茶は「世界一美味しい」とは言えませんが、イギリス人には好きな紅茶のブランドがありますので海外に行くと困ります(笑)。
参考:「How to Do Tea in the U.S.」
では、以下に紅茶関係の単語とフレーズを紹介していきます。
紅茶関係のフレーズ: char
イギリス人は紅茶を「tea」と呼びますが、「char」(発音:チャー)という呼び方もあります。これは日本語の「茶」と同じルーツの単語になりますね。
I fancy a cup of char.
(私は紅茶が飲みたいなぁ。)
紅茶関係のフレーズ: cuppa
「cup of tea」というフレーズは省略され、「cuppa」というスラングになりました。
Would you like a cuppa?
(紅茶を飲まない?)
紅茶関係のフレーズ: brew
「Brew」という単語は動詞で「お茶などを入れる」という意味になります。
しかし、イギリス英語のスラングでは「brew」は名詞になり、「一杯の紅茶」という意味になりました。
Let me make you a brew.
(紅茶入れましょう。)
紅茶関係のフレーズ: Rosy Lee
コックニー・ライミング・スラングでは、紅茶は「Rosy Lee」か「Rosy」になります。
Do you fancy a cup of Rosy?
(紅茶飲まない?)