イギリス英語学習者にお勧めのイギリスのお笑い・コメディー(sitcom)について
今回の記事は少し前に頂いた読者の方からの質問に答えてみたいと思います。
まずは質問を下さった方、ありがとうございます^^。今回の質問はイギリスのお笑いテレビ番組についての質問です。
具体的な質問内容はこちらです^^
読者の方の質問:
「私は「A bit of Fry and Laurie」の大ファンでDVDを買って何度も観ています。
なんとなくの面白さはわかるのですが、日本語字幕の付いているものがないので、辞書を引いたりしなければならないのが、残念です。
イギリス人にとっても、「Fry and Laurie」のような笑いは、やはり面白いものなのでしょうか。
どのような笑いが人気がありますか。
「Blackadder」も好きですが、日本語字幕がないので、辛いです・・・。」
- イギリスの音楽・ラジオカルチャーを理解出来るイギリスのコメディー映画の紹介:「The Boat that Rocked」(パイレーツ・ロック)
- イギリス英語の発音トレーニング動画紹介:ジミー・カーの地方のアクセントトレーニング(コメディー動画です!)
- イギリス英語スラングの使い方・例文紹介:マンチェスター特有のスラング単語
- イギリスが考えるイギリスの地方の人のステレオタイプ一覧ガイド!(笑)
私がお勧めするイギリスのお笑い・コメディー番組について
質問ありがとうございます。(返事遅れてすみません!)
私は「A Bit of Fry and Laurie」と「Blackadder」というコメディー番組が大好きだったという事もあり、以前に別の記事で紹介しましたね。
参考記事:「第一次世界大戦の頃に出来上がったイギリス英語のスラング紹介:スラング表現「blimp」,「blotto」,「bumf」,「lousy」,「scarper」の使い方と例文、ルーツを紹介」
実は、「A Bit of Fry and Laurie」と「Blackadder」は両方とも古いコメディー番組です。
「A Bit of Fry and Laurie」は1989年から1995年までBBCテレビで放送されました。この番組は「comedy sketch show」(スケッチ・コメディー)というコメディーのジャンルです。
つまり、コメディードラマではなく、様々な短いお笑いシーンを演じている番組です。スケッチコメディーは元々イギリスで生まれたコメディージャンルです。
参考ページ:「スケッチ・コメディーについて」
現在でも、このジャンルはとても人気があります。イギリス人の中にはスケッチ・コメディーが好きな人が多いですが、一般的な英語学習者には、このような内容はかなり分かりづらいと思います。
何故なら、スケッチ・コメディーは英語の言葉遊びやイディオム等が数多く登場します。ですから、このような内容を外国人が観た場合、「これはどうして面白いのか?」と思ってしまう時が多いかもしれません。
A Bit of Fry and Laurieのアメリカンassスケッチ
この「スケッチ」はアメリカの軍隊映画のパロディーです。二人ともアメリカ英語の発音を真似して、「ass」(ケツ!)という単語を使いまくります。
アメリカ英語では、「ass」を含むイディオムとスラングはかなり多いです。
ですから、このパロディーを作るために多くの「ass」関係の表現を沢山使います。
例:
「Get your ass in here right now」
(お前、早く来い!)
「What the hell am I gonna do with your ass?」
(お前の事はどうしよう?)
以上のような表現が使われています。
「Fry and Laurie」は「シュール」なキャラクターやシーンもよく使います。このようなスケッチ番組は多くのイギリス人に好まれています。
これ以外にも多くのスケッチ・コメディーがあります。
例えば以下のようなものがあります。
「The Fast Show」(1990年代)
このスケッチ・コメディーはイギリス人のステレオタイプをパロディーにしています。
(7:55「お喋りのおばさん」)
「The Catherine Tate Show」(2000年代)
このスケッチ・コメディー番組はイギリス人のステレオタイプ的なキャラクターを数多くクローズアップしています。最も有名なキャラクターは「生意気な高校生のローレン」です。
ローレンのキャッチフレーズは「Whatever」(どうでもいい)と「bothered?」(興味ない)です(笑)^^。このスケッチではローレンはフランス語の試験に挑戦しています・・・。
「That Mitchell and Webb Look」 (2000年代)
このスケッチコメディーもイギリス社会によくいるステレオタイプ的なキャラクターが数多く登場し、イギリス的なシーンをパロディーにしています。
下に紹介しているスケッチシーンはイギリスのホームパーティーのパロディーです。「It’s not brain surgery」と「It’s not rocket science」という二つの英語イディオムの言葉遊びを基にしたスケッチです。
「It’s not brain surgery」(直訳:それは脳外科ではない)と「It’s not rocket science」(直訳:それはロケット科学ではない)という英語のイディオムは両方とも「それは難しい事ではない」という意味になります。このスケッチでは、ロケット科学者と脳外科の医者が出会います。さてどうなるのでしょうか?(笑)。
「Blackadder」は、イギリスの最も人気のあったシチュエーション・コメディー(英語:sitcom)です。このsitcomはかなり古い(1980年代に初めて放送された)ものですが、まだ現在でも人気があります。「Blackadder」は「時代劇コメディー」というコンセプトです。
それぞれのシリーズは違う世紀が舞台になっています。(15世紀、16世紀、17世紀、18世紀、19世紀、20世紀等)私は「Blackadder Goes Forth」(第一次世界大戦が舞台)というシリーズが一番好きです。このシリーズは皮肉ったコメディーや、ブラック・ジョークや言葉遊びをよく使います。
このシーンでは軍人の「Blackadder」は自分を殺そうとしている銃殺隊と話しています。
他にも数多くのsitcomがあります。「Blackadder」は英語学習者にとって少し難しいと思いますので、以下にもう少し簡単なsitcomを紹介します。
「Miranda」(2000年代)
このシリーズは2014年に終わったばかりです。Mirandaという女性が主人公です。彼女は可愛くないし、彼氏が中々出来ません。そして、不器用な人なので、色々な事件を起こしてしまいます。
この番組は主に「スラップスティック・コメディー」ですが、言葉遊びやステレオタイプのパロディーも含まれています。
このコメディー番組は外国人の英語学習者には分かりやすいと思います。
「My Mad Fat Diary」(2000年代)
このコメディードラマは若者向けの内容です。レイという16歳の子は精神病院から退院して、自分の色々な悩みを友達から隠そうとしています。このドラマにはブラックジョークが数多く入っています。
「The Kumars」(2000年代)
このsitcomのコンセプトはとても面白いです。インド系イギリス人の「Kumar家」の息子は、テレビアナウンサーになる夢があります。彼は自分のリビングルームで数多くの有名人をインタビューします。
そして彼等に自分のお父さん、お母さん、お祖母さんを紹介します。家族のメンバーは有名人にふざけた質問を聞きます。
このシーンではハリー・ポッターの俳優のダニエル・ラッドクリフがインタビューされます。
BBC Warner
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今回頂いた質問の答えになっているかどうか分かりませんが、今回の記事ではイギリス英語学習者にとって比較的分かりやすいコメディーを紹介しました。
イギリス人の好きなコメディーは主にブラックジョーク、皮肉ったジョーク、言葉遊びを含んだ内容のものが好まれると思います。この為、複雑な表現や文化的な背景を含むために日本人の英語学習者(外国人の英語学習者)には少し分かりづらいと思います。
私も、テレビで日本のコメディー番組を見ると、「これは意味が分からないなぁ」と思う時が多々あります(笑)^^。
やっぱり、コメディーは一番分かりにくいジャンルだと思います。個人のテイストもありますし、英語圏の国によってもコメディーのテイストが違います。
例えば、イギリスのコメディーとアメリカのコメディーのテイスト、好まれる物はかなり違うと思います。一般で販売されている多くのイギリスのコメディーは、残念ながら日本語の字幕が無いものが多いです。
これは非常に残念な事だと思います。イギリス英語に詳しい日本人の方が字幕を作ってくれるといいと思いますが^^。やはりこういった内容の字幕を作る事はとても難しいと思います。
他の質問があれば、是非ご連絡くださいね^^!