発音記号を使ってイギリス英語の母音、子音をアメリカ英語と比較しながら詳しく紹介
今回の記事では、イギリス英語の発音を細かく分析して紹介していきたいと思います。過去に別の記事で「r」の発音や「th」の発音について紹介した事がありますが、今回はさらに深くゼロからイギリス英語の母音と子音の発音を紹介しています。
「イギリス英語の発音」という表現を使っている人が多いと思いますが、実はイギリス英語の中には、地方の訛りの種類が多く、その違いも細かいです。
イギリスはあまり広い国ではありませんが、地方の訛りは意外に多いです。例えば、リバープールとマンチェスターは距離にして55キロメートルしか離れていませんが、それぞれの発音はだいぶ異なります。
上記でも書いたようにイギリス英語の中には、地方の訛りの種類が多いです。そこで今回の記事では「RP」という典型的なイギリスの発音を中心に紹介していきたいと思います。
この発音はロンドンやイギリスの南の地方で使われます。テレビアナウンサーやラジオのアナウンサーは主にRPの発音で話しますので、日本人の学習者に最も参考になるイギリス英語の発音だと思います。
英語のアルファベットには26字の文字がありますが、イギリス英語のRPという発音では「43個の音素」があります。下記に三つの図でRPのぞれぞれの音素を紹介してきたいと思います。図の左側の欄で発音記号を紹介します。真ん中の欄ではカタカナ読みで発音を紹介します。(音素によってはカタカナで表す事が出来ない場合もあります)
右側の欄では、その音素を使うキーワードを紹介します。実際に発音を聞きたい方は、こちらのオンライン辞書がお勧めです。キーワードで調べると、イギリス英語とアメリカ英語の発音を聞く事が出来ます。
参考:「Meaning of “dog” in the English Dictionary」
では、各発音について細かくみていきましょう。先ずは母音について紹介します。イギリス英語には12個の単母音があります。
イギリス英語の母音:
次は、二重母音についてです。
イギリス英語の二重母音:
最後はイギリス英語の子音です。
イギリス英語の子音:
イギリス英語とアメリカ英語の発音の比較
上記の図はイギリス英語の発音しか掲載していませんが、イギリス英語とアメリカ英語の母音の発音には数多くの違いがあります。例えば、「bath, path, can’t」などの単語はイギリス英語では「a:」という発音が入っています。しかし、「a」はアメリカ英語の発音で「æ」という発音になります。
例:can’t
イギリス英語:カーント
アメリカ英語:ケアント
そして、「box, dog, long」などの単語に入っている「o」はイギリス英語で「o」という発音になりますが、アメリカ英語では「ɑ」になります。
例:dog
イギリス英語:ドッグ
アメリカ英語:ダーグ
アメリカ英語では、単語の真ん中にある「r」と単語の最後の「r」をはっきりと発音しますが、イギリス英語(RP)では、それらの「r」を発音しません。
例: car
イギリス英語:カー (aの発音を伸ばすだけ)
アメリカ英語:カール(最後のrをはっきり発音します)
例:dark
イギリス英語:ダーク (aの発音を伸ばすだけ)
アメリカ英語:ダールク (rをはっきり発音します)
イギリス英語では、「tu」から始まる単語を「チュ」か「トュ」で発音する場合が多いですが、アメリカ英語では、「トゥ」という発音になります。
例:Tuesday
イギリス英語:チューズデイ
アメリカ英語:トゥーズデイ
例:YouTube
イギリス英語:ユーチューブ
アメリカ英語:ユートゥーブ
イギリス英語とアメリカ英語の発音・イントネーションを比較した際に他にももっと多くの違いがありますが、最も大きく違うポイントは上記で紹介したものが中心です。
イギリス英語の初心者は先ず、上記の発音の違いについて理解して、その後に発音の練習をした方がいいと思います。
イギリス英語の発音を勉強したいと考えている人は、私が書いた「British English Master」という教材はお勧めです。この教材の音声は全てイギリス英語でレコーディングされています。教材にはイギリス人が日常的に使う役立つ例文が数多く入っていますので興味がある方は読んでみて下さいね。