「労働」,「陣痛」,「労働党」という意味になるlabourの使い方、ニュアンス
皆さんこんにちは。今回は読者の方から頂いたメッセージを元に「labourの意味と使い方」についてお話していきたいと思います。
読者の皆さんお元気ですか。冬の寒さはまだまだ続いていますね。風邪やコロナなどにお互い気をつけましょう! それでは、実際に頂いた質問はこちらになります:
読者の方の質問:
ドラマ(コール・ザ・ミッドワイフ)の出産場面の事を調べていて、こちらのホームページを読ませていただきました。いろいろ解説ありがとうございます。
ドラマを理解するのに役立つ英語の説明の中で、labourを『生産活動』と訳されていますが、『分娩、出産』の意で使われる事が多いような気がします。
気になりましたので、お便りいたします。
先ずはご質問ありがとうございます。そして、当サイトをご覧頂きありがとうございます。
「コール・ザ・ミッドワイフ」はとても面白いドラマですね! 以前に私は「コール・ザ・ミッドワイフのレビューと作品内の英語」について記事を書きました。
その記事では作品内で使われている役立ちそうな英単語のリストも合わせて紹介しています。確かにその記事の単語リストをよく見ると、読者の方がおっしゃる通り、「labour」という単語は変な日本語に訳されていますね。
これは私のタイプミスなのか・・、「labour」という英語は「出産活動」という意味ではありませんね(>_<)。ご指摘頂きましてありがとうございます! しかし、「labour」という単語は単純に「出産・分娩」という単純な意味に訳す事は出来ないと思います。実はもっと掘り下げてみると「labour」という言葉にはもう少し広い意味がありますので、今回の記事ではその単語の意味を詳しく説明したいと思います。
「出産」に関する「labour」について
繰り返しになりますが、コール・ザ・ミッドワイフのレビュー記事で、「出産活動」と誤って書いてしまいましたが、「labour」という単語は「出産、分娩」以外にも別の意味があります。むしろ、「陣痛が始まる時から分娩直後までの時間」すべてを表現する言葉として訳した方が良いと思います。
単語だけでみると「labour」は元々「労働する、苦労する」という意味になる単語なので、「赤ちゃんを産むママが苦労している時間」という意味を表す単語ですね。例えば、陣痛が始まる瞬間は「to go into labour」というフレーズになります。
そして、「陣痛が続いている時間」は「be in labour」という言い方になります。「labour」は一般的に名詞として使いますが、この文脈では”動詞”としても使う事ができます。
例えば、「she laboured for 12 hours」(=陣痛は12時間が続いていました)という表現もあります。
英語圏の医学関係ウェブサイトを例にみてみると、「labour」(陣痛など)と「birth/delivery」(分娩)は別の表現になります。
例えば、イギリスのNHSのウェブサイトを見てみると、「The stages of labour and birth」という記事があります。この記事では、labourの三つのstageが説明されています。
- first stage/early stage of labour (陣痛が始まる、子宮頸部が開く)
- second stage of labour (赤ちゃんが下がって、ママがいきんで、赤ちゃんが生まれる)
- third stage of labour (胎盤が出てくる)
以上の事から、labourは正式な医学用語でもないですし、口語に近い単語なので広く曖昧な意味を与える単語です。その事から単純翻訳が難しい単語ですね^^。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう!
labourの使い方 例文
A: Has your wife gone into labour yet?
(奥さんの陣痛は始まりましたか。)
B: Not yet. We are still waiting for labour pains to start!
(まだですよ。まだ陣痛の始まりを待っています!)
A: Congratulations on your new baby! She’s gorgeous! How long were you in labour for?
(出産おめでとう! 赤ちゃんはとてもかわいいですよ! 陣痛から分娩までどのくらいかかりましたか。)
B: It was very quick! I laboured at home for an hour, called a taxi to the hospital and she was born straight away.
(とてもはやかったですよ。家で陣痛を1時間くらい我慢しました。そしてタクシーを呼んで病院に行って、赤ちゃんはすぐに生まれました。)
A: I’m excited about meeting my baby for the first time but I’m scared that labour will hurt.
(私は赤ちゃんと出会う事を楽しみにしているけど、陣痛の痛みは怖い!)
B: Don’t worry. The contractions aren’t that bad. Just try to relax!
(大丈夫だよ。陣痛はそんなに悪くないよ。できるだけリラックスしてね!)
その他のlabourの意味と使い方
日常会話では「labour」は主に「出産に関するlabour」という意味で使いますが、他の使い方もあります。これは先程も少し説明したように「labour」は元々「苦労する・労働する・労働」という意味になる単語です。
そのため、イギリスの「労働党」という政党は「The Labour Party」という言い方になります。しかし、イギリス人はみんな単純に「Labour」という言い方を使っています。「the leader of the Labour Party」は「労働党党首」という意味になります。
イギリスでは「labourer」という単語があります。これは「労働者」という意味になりますが、会話上では主に「肉体労働者」というニュアンスを与えます。例えば、「farm labourer」という表現は「農業労働者」という意味で使います。
その他には「child labour」という表現もあります。これは「児童労働」という意味になる表現です。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう!
「労働」という意味になるlabourの使い方 例文
A: Which party did you vote for in the election?
(選挙は何の党に投票しましたか。)
B: Labour. I could never vote for the Tories.
(労働党だよ。私は絶対保守党に投票しません。)
A: Who is the current Labour Party Leader?
(今の労働党の党首は誰ですか。)
B: Keir Starmer.
(キア・スターマーですよ。)
A: What does your husband do?
(旦那さんは何の仕事をしていますか。)
B: He is a farm labourer.
(彼は農業労働者です。)
A: Why don’t you buy this brand’s clothes anymore?
(この洋服のブランドを買わない理由は何ですか。)
B: I read an article recently saying they use child labour.
(最近読んだ記事によると、このブランドは児童を使い働かせているよ。)
まとめ:labourの意味と使い方
まとめると、「出産に関するlabour」は広くて曖昧な意味になります。単純に「出産・分娩」だけではなく、「陣痛の始まりから胎盤が出るまで」という時間を表す表現です。
この単語は元も「苦労・労働する・労働」という意味になる単語なので、色々な使い方がありますね! 以上になりますが、もっとこんな事を知りたいという質問がある方は是非ご連絡くださいね!