marmiteは食べ物だけではない!? イギリス英語「marmite」の形容詞の使い方
皆さんは「marmite(マーマイト)」という食品をご存じでしょうか。最近では日本でもカルディーのような輸入食料品店にいくと見かける事がありますね。
海外でも賛否両論のマーマイトですが、色々な意味で実際に買って食べた事がある方は意外と少ないと思います(笑)。
イギリス料理に関する記事を読んでいると「marmite」という食べ物はよく出てくると思います。イギリス人の私からみても「marmite」はとても変わった食べ物だと思います。
日本人の口に合うかどうか分かりませんが(笑)、多くのイギリス人もmarmiteの味を嫌う人が多いです。
しかし、このmarmiteという食品は食べ物としてだけではなく、最近は会話に出てくる単語(イディオム)としても使われるようになりました。
そのため、今回の記事では「marmite」という食べ物について紹介しながら、その後にイディオムとしての意味と使い方も合わせて紹介してみたいと思います。それでは「marmite」とはどんな食べ物なのでしょうか。
Marmiteとはどんな食べ物なのでしょうか?
Marmite(マーマイト)はとても濃くしょっぱい茶色のペースト状の食品です。元々はドイツ人の科学者によって作られたものですが、1902年からはイギリスで作られています。
元々、Marmiteはイーストエキスのペーストです。ビール醸造の副産物なので、最初に作られたMarmiteの製造工場は、Bassというビールの醸造所の近くにありました。1907年に二つ目のMarmite工場がロンドンで作られました。
Marmiteの特徴は、味が変なかわりにビタミンが沢山入っているという点です。特にビタミンB1たっぷりの食品です。栄養素が多いので、20世紀の前半頃までにとても人気のある食品となりました。
ビタミン不足を防ぐ食品なので、第1次世界大戦で戦場に行ったイギリスの軍人達は定期的にMarmiteを食べていたそうです。
それでは、現在のイギリス人はどのようにMarmiteを食べるのでしょうか。イギリス人でマーマイトを食べる人の中で、最も人気のある食べ方としてはトーストに薄く塗るという食べ方です。
パンを焼いて、バターを塗ってその上にMarmiteを薄く塗るという食べ方が人気なんだそうです。
そして、調味料として使う人も多いです。Marmiteはイギリスのビーフシチューや、煮込み料理の調味料として使われています。そして、お湯に溶かしてスープのようにして飲む人もいます。
それ以外に、イギリスのクラッカーやポテトチップには「Marmite味」があります。確かにしょっぱい食品なので、スナックの味には多少合うのかもしれません^^;
Marmiteを使ったイギリス英語のイディオムの意味と使い方
Marmiteという食品について紹介してみましたが、この「marmite」という単語にはどういった由来と意味があるのでしょうか。
実はこのMarmiteという食品の名前は、フランス語が由来になっているそうです。フランス語のmarmiteは元々料理用の鍋の種類だったそうです。
フランス語の発音では「マルミット」になります。Marmiteという食品が初めて販売された当時は、そういった鍋で販売されたそうです。その事から「Marmite」という名前が付けられたそうです。英語の発音は「マーマイト」になります。
1996年にMarmiteを製造している会社はテレビCMを作りました。このCMでは、「You either love it or hate it」(好き嫌いが分かれる)というスローガンが初めて使用されました。
Marmiteの味はとても強いため、イギリス人でも「Marmiteが好きな人」と「Marmiteが嫌いな人」がはっきり分かれています。その事から「好き嫌いが分かれる物・事」は「marmite」と呼ばれるようになりました。
Marmiteの面白CM
会話で「marmite」という単語を使った場合には二つの使い方があります。先ずは形容詞として使う場合です。形容詞として使うと、「好き嫌いが分かれる○○」という意味になります。
そして、二つ目は「like Marmite」という使い方です。これは「マーマイトのように好き嫌いが分かれる」というニュアンスになります。
結局、「Marmite」は「人の意見がはっきり分かれている物」について話す際に使う単語になります。
下記の新聞記事ではMarmiteのイディオム的な使い方を紹介しています。興味がある方は是非ご覧下さい。
それでは、実際のイギリス英語イディオム marmiteの使い方を例文で確認してみましょう。
イギリス英語のイディオム marmiteの使い方 例文
A: What do you think about Manchester United?
(マンチェスター・ユナイテッドはどう思いますか。)
B: They’re a marmite team, aren’t they. Personally, I don’t like them.
(好き嫌いが分かれるチームですね。僕は個人的にマンチェスター・ユナイテッドが嫌いです。)
A: I can’t stand that new song by One Direction.
(ワンダイレクションの新しい曲が大嫌いです。)
B: It’s a bit of a marmite song. I actually like it!
(その曲を好きな人がいるし、嫌いな人もいるね! 私は好きだけど!)
A: I really want to get a sports car but my husband thinks it’s a bit naff now we are middle-aged.
(私はスポーツカーが欲しいけど、主人はスポーツカーが中年の夫婦にはカッコ悪いと思っている。)
B: Sports cars are like Marmite, aren’t they? I think you should get one if you want. You work hard for your money!
(スポーツカーは好き嫌いが分かれるね。でも、欲しいなら買えばいいと思う。あなたはお金を稼ぐために一生懸命頑張っているし。)
A: What do you think of that new action movie? I thought it was great.
(その新しいアクション映画はどう思う。私はすごい映画だなと思った。)
B: I thought it was terrible! It’s funny that our opinions are so different. That movie is like Marmite!
(私は酷い映画だと思った! 意見がそんなに反対なんて面白いね。マーマイトのように意見が違うね!)
まとめ:Marmite食品とイディオムとしての意味と使い方
まとめると「Marmite」はただの食品以外にも、イギリス英語のイディオムとして使われるようになりました。
このイディオムは多くの新聞記事、会話、映画のセリフに出てきますので、イギリス英語に興味がある方は是非この単語の意味と使い方を覚えておきましょう!