イギリス英語とアメリカ英語の医学用語の違いについて
今回の記事では、少し「かたい」テーマになるかもしれませんが、イギリス英語とアメリカ英語の”医学用語”に関するボキャブラリーの違いを紹介したいと思います。
実は、外国語を学ぶ際には医学用語を少し覚えた方がいいと思います。私は11年間程日本に住んでいますので、過去に何度か病院に行った事があります。
私の場合は、国際病院ではなく普通の日本の内科などに行きましたので、当たり前の事ですが、殆どのスタッフは英語が話せませんでした。ですから、私は日本語で自分の症状を説明する必要がありました。
そして、医者や看護師の話を理解するためにある程度医学用語を覚える必要がありました。
イギリスやアメリカに留学やワーキングホリデーなどを考えている人は万が一の為に必ずベーシックな医学用語を覚えた方がいいと思います。
日本語が話せるイギリス人やアメリカ人の医者は殆どいないと思いますので病院に行く際に、会話が英語になると思います。
私は以前、別の記事ではベーシックな医学関係のボキャブラリーを紹介しましたので、興味があれば下記のリンクから記事をご覧ください。
参考記事:
- 病院に行った際・医者と英語で話す際に使う英語表現:「hurt」、「pain」、「ache」、「sore」の意味と使い方を紹介
- 病院に行った際に使う英語:「お腹」,「お腹が痛い」,「下痢しそう」,「生理痛」の英語の表現紹介
- イギリス英語とアメリカ英語の違い:英語の「Hospital」(病院)の正しい使い方について
先ずは、ボキャブラリーに関する違いを紹介していきたいと思います。イギリスとアメリカと日本では医療に関するシステムやカルチャーの違いもありますので、少し説明しにくい単語もあるかもしれません。
例えば、「医者」という単語は一般的に「doctor」になりますが、医者にも種類がありますのでそれによってボキャブラリーの違いが出てきます。そして、それぞれの国の医療制度が違いますので用語も異なります。
イギリスの医療システムとアメリカの医療システムの違い:医者と会話する際に役立つボキャブラリー紹介
イギリスの医療制度では、「内科」、「皮膚科」などの病院が分かれていませんので、緊急ではない場合、みんな近所の「surgery」(=小さいクリニック)に行きます。
こういうクリニックで働く医者は「general practitioner」と言います。日常会話では「GP」(発音:ジーピー)という省略が使われています。
アメリカの医療システムはイギリスと違いますが、GPのような一般の医者は「family doctor」と呼ばれるようです。正しい言い方は「primary care physician」になります。
イギリスのGPは内科、皮膚科、産婦人科など全てに精通していますので、どの病気であってもローカルクリニックに行けば大丈夫です。しかし、複雑な病気である場合、GPはその分野の専門家を紹介してくれます。
専門家は「consultant」と言います。アメリカ英語では、そういう専門家は「specialist」になるようです。
イギリスでは、GPや病院の一般の医者は「Dr ~」という呼び方が使われています。例えば例として、「Dr Smith」という言い方を使います。
しかし、「consultant」(専門家)レベルの医者は「Mr/Mrs/Miss ~」という呼び方になります。つまり、専門性の高い医者は「ドクター」という呼び方を使いません。一方、アメリカでは、どの医者でも「Dr ~」と呼ぶ習慣があります。
医学の分野で使われているボキャブラリーは殆どの場合違いがありません。しかし、「麻酔学専門医」(手術の前に麻酔をする医者)はイギリス英語で「anaesthetist」と言います。
アメリカ英語では「anesthesiologist」という単語の方が使われています。
病院の「救急処置室」はイギリス英語で「accident and emergency」か「casualty」になります。アメリカ英語では「emergency room」なります。
「emergency room」は会話で「ER」に省略される場合が多いです。イギリス英語の「accident and emergency」は「A and E」という省略にもなります。
病院の「手術室」はイギリス英語では「operating theatre」や「theatre」になります。アメリカ英語では「operating room」や「OR」になります。
産科学という分野には双方で用語の違いがあります。子供を産む前の診察はイギリス英語では「antenatal checkup」と言いますが、アメリカ英語では「prenatal checkup」という言い方になります。
子供が生まれた後に行う診察はイギリス英語で「postnatal checkup」になり、アメリカ英語では「postpartum checkup」という言い方が使われています。「産後うつ病」はイギリス英語で「postnatal depression」になりますが、アメリカ英語で「postpartum depression」と言います。
病気の名前の違いも時々出てきます。例えば、「結膜炎」(目が赤くなる病気)はイギリス英語の日常会話で「conjunctivitis」という専門用語が使われていますが、アメリカ英語の日常会話では「pink-eye」という「ニックネーム」が使われています。
「腺熱」という病気はイギリス英語の日常会話で「glandular fever」になります。アメリカ英語の日常会話では「mono」になります。これは「infectious mononucleosis」という専門用語の省略です。
イギリス英語とアメリカ英語の医学用語のスペルの違い
次は、イギリス英語とアメリカ英語の医学用語のスペルの違いを紹介していきたいと思います。スペルの違いに関してはかなり多いです。そこで今回の記事では最も役に立つ用語を中心に紹介します。
他にも違いがありますが、医者ではない限りあまり使う必要がないと思いますので割愛します(笑)。
貧血
イギリス英語: anaemia
アメリカ英語: anemia
麻酔薬
イギリス英語: anaesthetic
アメリカ英語: anesthetic
帝王切開
イギリス英語: caesarian
アメリカ英語: cesarian
※日常会話では「c-section」という言い方がよく使われています。
婦人科学
イギリス英語: gynaecology
アメリカ英語: gynecology
小児科(医学)
イギリス英語: paedriatrics
アメリカ英語: pediatrics
下痢
イギリス英語: diarrhoea
アメリカ英語: diarrhea
胎児(生まれる前の赤ん坊)
イギリス英語: foetus/fetus
アメリカ英語: fetus
※イギリスでは、専門用語ではない場合(新聞記事、雑誌など)、「foetus」というスペルが使われています。イギリスの医学専門雑誌・ジャーナル等では「fetus」というスペルが使われています。
食道
イギリス英語: oesophagus
アメリカ英語: esophagus
エストロゲン
イギリス英語: oestrogen
アメリカ英語: estrogen
他にも化学や医学用語に関するボキャブラリー、さらにもっと違った分野の専門的なボキャブラリーが知りたい方は是非質問してくださいね^^