イギリス人が会話を終わらせたい時に使う遠回しな表現
実は日本人は世界で「空気が読める」という事で有名なようです。日本人は相手の建前と本音のギャップを上手に読む事ができるという事ですね。日本語では、会話相手にダイレクトに話す事はあまり丁寧な話し方ではないですね。実はイギリス人にも日本人と似たような傾向があります。
イギリス人は日本人よりも、もう少しダイレクトなコミュニケーションをすると思いますが、英語圏の国の国民としては、特に遠回しな表現がよく好まれ、様々なシチュエーションで使われます。
例えば、来客が家に来ているような場合を例にすると、その人に「そろそろ帰る時間だよ!」と伝えたいと思っていますが、いきなり「すみません帰ってください」とは言えません(笑)。
そういった時にイギリス人は曖昧な伝え方で相手に「時間を気にしてよ!」と伝える事があります。今回の記事ではそういったイギリス人がよく使う遠回しな英語表現を紹介したいと思います。
家までの距離を尋ねる表現 「How long will it take you to get home?」
この「How long will it take you to get home?」というフレーズは相手に「home」というキーワードを思い出させるために利用します(笑)。意味は「おうちに帰るにはどのくらいかかりますか」という質問です。これはかなり遠回しな表現ですね(笑)。
これを聞いて空気が読める人はその言葉のヒントを理解して「あ、こんな時間だ!そろそろ帰らないと!」というように答えるはずです。一方、空気が読めない人はその質問の本音を理解せず素直に答えるだけかもしれません(笑)。それでは、実際のイギリス人の使い方を例文でみてみましょう。
空気読める相手との会話例:
A: So, how long will it take you to get home? The traffic is usually really heavy on that road.
(おうちに帰るまでにどのくらいかかりますか。あの道はいつも渋滞がひどいよね。)
B: It should take about 30 minutes, but that reminds me – I’ve got something to do later so I’ll have to leave soon.
(30分かかるはずですけど。。あ思い出した!後で用事があるからそろそろ帰らないと。)
空気が読めない人との会話例:
A: So, how long will it take you to get home?
(おうちに帰るまでにどのくらいかかりますか。)
B: Only about 30 minutes. Don’t worry, I’m not in a hurry to get home.
(30分しかからない。大丈夫だよ。まだ家に帰りたくないから。)
大切な時間を無駄にしているだろうという表現 「Anyway, don’t let me keep you」
この「Anyway, don’t let me keep you」表現は「とにかく、あなたは忙しそうだから私の事を気にせずに帰っていいよ」というニュアンスを与える表現です。つまり、「自分が来客の大切な時間を無駄にしているだろう」という意味になる表現です。
この「keep you」は「引き止める」という意味になります。もちろん、本音はその逆の意味ですね。空気読める人は「いいえいいえ、こちらこそ」などの返事をするはずです。そして、このヒントがきっかけで来客は帰る支度をするはずです。それでは、実際のイギリス人の使い方を例文で確認してみましょう。
空気読める人との会話例:
A: Anyway, I know how busy you are so don’t let me keep you.
(とにかく、あなたは忙しいから、私の事を気にせずにいつでも帰ってね。)
B: No, not at all! I’ve enjoyed talking with you butI’m sure you’ve got things to do too.
(いいえ、こちらこそ。お話はとても楽しかったけど、あなたも用事が沢山あるだろうね。)
空気読めない人との会話例:
A: Anyway, I know how busy you are so don’t let me keep you.
(とにかく、あなたは忙しいから、私の事を気にせずにいつでも帰ってね。)
B: It’s fine – I’ve got nothing planned today.
(大丈夫ですよ。今日は特に用事内から。)
相手の今後の予定を尋ねる表現 「What are your plans for the rest of the day?」
この「What are your plans for the rest of the day?」表現は「今日のこの後の残りの予定は何ですか」という直訳になります。つまり、相手に「他にやることがあるでしょう!」という事を思い出させるために言う表現です(笑)。
こう言われると空気読める人は「あ、彼・彼女は私に帰ってほしい」というメッセージなんだと感じます。一方、全く空気が読めない人はその表現を聞いても「帰ってくれ!」という意味に感じないと思います(笑)。それでは実際の使い方を例文でみてみましょう。
空気が読める相手との会話例:
A: What are your plans for the rest of the day?
(今日の今後の予定は何ですか。)
B: I’ve got a few things to buy at the shops, then I need to make dinner for everyone. That reminds me – it’s getting late. I’d better get going.
(スーパーで買い物をしたり、みんなのために夕食を作ったりするだけです。そういえば、もう遅くなってきましたね。帰らないと。)
空気が読めない人との会話例:
A: What are you plans for the rest of the day?
(今日の今後の予定は何ですか。)
B: Nothing much. Don’t worry, I don’t have to leave yet.
(特にないです。心配しないで、まだ帰らなくても大丈夫です。)
そろそろ話を切り上げようという表現 「It’s been great/lovely talking to you」
この「It’s been great/lovely talking to you」という表現は「あなたと話せてとても嬉しかったです」という締めくくりの挨拶ですね。この「現在完了形」という時制で「そろそろ話しを終わらせましょう」というニュアンスを与えます。
「現在形」の「It’s great/lovely…」を使う場合には「話の途中なので続けましょう」という意味になりますが「現在完了」の「it has been」を使うと「もう終わりましょう」というニュアンスを与えます。少し微妙な違いですが、とても大きな違いになりますね。それでは、実際の使い方を例文で見てみましょう。
空気が読める相手との会話例:
A: Well, it’s been great talking to you. We should do it again soon.
(それでは、あなたと話せてとても嬉しかったです。また近いうちに会いましょう。)
B: Yes, I’ve had a lovely time. I’d better be going now.
(そうですね。とても楽しかったです。では、もう帰らないと。)
空気が読めない人との会話例:
A: Well, it’s been great talking to you. We should do it again soon.
(それでは、あなたと話せてとても嬉しかったです。また近いうちに会いましょう。)
B: Yes, it’s so much fun! Do you mind if I have another cup of tea?
(そうですね!楽しいです。もう一杯の紅茶を飲んでもいいかな。)
まとめ:イギリス人が会話を終わらせたい際に使う表現
まとめると、イギリス人はできるだけダイレクトな言い方を避ける傾向にあります。その為、来客に帰ってほしい場合、会話を終わらせたい際には遠回しな表現を使う事をお勧めします。そんな際には下記の表現が役に立つと思います。
- How long will it take you to get home?
- Anyway, don’t let me keep you.
- What are your plans for the rest of the day?
- It’s been lovely/great talking to you.
これらの4つのフレーズを覚えておけば上手に印象良く会話を終わらせることができると思います! イギリス英語や英語に関する質問があれば是非ご連絡くださいね。