イギリス英語でトイレに行くという意味になる遠回しな4つ表現
実はイギリス人は結構口が悪いです(笑)。他の英語圏の人と同様に下品なスラングも沢山使いますし、罵り言葉も沢山使います(笑)。
また、一般的にイギリス人は遠回しな表現を好んで使う傾向があります。例えば、トイレの話、体の部位に関する話、セックスに関する話は一般的に下品なテーマとして考えられていますので、そういった内容をダイレクトな単語・表現を使わず「婉曲的な表現」で表すイギリス人は多いです。
例えば、私のもう亡ってしまったおばあちゃんの話なのですが、彼女はとても上品な女性でした。トイレに行く際に「toilet」という単語は使わず、代わりに遠回しな言い方を使っていました。
その表現というのが「I’m going to spend a penny」という表現でした(笑)。その表現をを日本語に直訳すると「1ペンスを費やしに行ってきます」という意味になります。
この文章をみた時に決してトイレに関係する表現とは思いませんよね。この表現は何故「トイレに行く」という意味になるのでしょうか?
この記事では「spend a penny」の由来も合わせて説明したいと思います。そして、他にもトイレに行くという意味になるイギリス英語っぽい婉曲的な表現も合わせて紹介していきます。
イディオム表現 spend a pennyの意味と使い方
冒頭でも少し紹介したように「spend a penny」とは「1ペンスを費やす」という意味になります。このイディオムは「トイレに行ってくる」や「トイレに行きたい」、「オシッコしたい」という意味になります。
これは少し古いイディオムです。その昔イギリスの公衆トイレのドアにはお金を入れる機械が付いていました。つまり、外でトイレに行きたくなった時には、その機械に1ペンスを入れる必要がありました。その事から「spend a penny」=「トイレに行ってくる」というちょっと遠回しな表現が出来ました。それでは、実際のイギリス人の使い方を例文でみてみましょう。
spend a pennyの使い方 例文:
I’m just going to spend a penny. I’ll be back soon.
(私はトイレに行ってきますよ。もう直ぐ戻ってきますよ。)
I really need to spend a penny. Are there any loos around here?
(私はトイレに行きたいよ。この近くにトイレはあるかな?)
少しふざけた表現の use the facilities
この遠回しな表現は比較的に最近になって使われるようになりました。私も時々この表現を使いますが、実は少しふざけた言い方です(笑)。
このfacilityとは「設備」や「施設」という意味になります。つまり、トイレとは直接言わずに「ある設備・施設」と遠回しに表現しているわけです(笑)。その為、少しふざけた言い方というニュアンスになっています。それでは実際の使い方を例文で確認してみましょう。
use the facilitiesの使い方 例文:
I need to use the facilities.
(私はトイレに行きたい。)
A:Where’s Katy?
(ケイティーは何処にいるの?)
B:She’s using the facilities.
(トイレに行ったよ。)
A:Ah, I see.
(あ、そうか。)
トイレの代わりに使う go to the ladies/gents
イギリスの公衆トイレやパブ、レストランのトイレのドアには「ladies」(女性)と「gents/gentlemen」(男性)と表記されています。その事から、トイレに行きたい際、「toilet」という代わりにその表記名である「ladies’」又は「gents’」という遠回しな表現を使う人もいます。それでは使い方をみてみましょう。
go to the ladies/gentsの使い方 例文:
I’m just off to the gents’.
(俺はトイレに行ってくるよ。)
I’m just going to the ladies’.
(私はトイレに行ってくるよ。)
A:Where’s Pete?
(ピートは何処にいるの?)
B:I think he went to the gents’.
(彼はトイレに行ったと思うよ。)
A:He’s been in there a while!
(彼は長いね!)
化粧を直しに行く=トイレに行くという意味の powder one’s nose
この表現は「女性限定」の使い方です。そして、最近はあまり耳にしませんね。この「powder one’s nose」という表現は「化粧を直しに行ってくる」という意味なので、つまり「トイレに行ってくる」という意味に直結しますね。そういった事から出来た表現です。それでは実際の使い方を確認してみましょう。
powder one’s noseの使い方 例文:
I’m just going to powder my nose.
(私はトイレに行ってくるよ。)
A:Where’s Sarah?
(セイラはどこにいるの?)
B:She said she was going to powder her nose.
(化粧を直しに行ってくるって言ってたよ。)
A:She’s in the bog, then?
(じゃあ、便所にいるという事?)
※bogはイギリスのスラングで「便所」という意味になります。
アメリカ人は「toilet」という単語は出来るだけ使わないようにしていると思います。アメリカ英語で、トイレ・お手洗いは「restroom」(公衆トイレの場合)や「bathroom」(家のトイレの場合)という言い方になります。
一方でイギリス人は「toilet」という単語を使いますが「loo」や「lavatory」(アッパークラスの言い方)という単語を使う人もいます。ここは英米の大きな違いかもしませんね。