イギリス英語特有表現「to tell on」,「to dob someone in」,「to grass someone up」の意味とは?
皆さんこんにちは。今回の記事では、日常会話でよく出てくるイギリス英語特有のボキャブラリーで「「密告する」=「スニッチする」」という意味になる言葉を紹介してみたいたいと思います。
今回の記事で紹介する表現は自分の会話で使わなくても、イギリスの映画やドラマには必ず出てきますので覚えておいたほうがよいと思います。
それでは、「密告する・スニッチする」ってイギリス英語では何というのでしょうか。
to tell on someoneの意味と使い方
このto tell on someoneという表現は「密告する(スニッチ)」という意味になりますが、主に子供が使う表現になります。例えば、小学生がクラスメートの悪い行動を先生に言いつけるといった行動です。
ですから、基本的に大人はこの表現をあまり使いません。そのため、例えば刑事ドラマなどには出てきませんが、子供や家族がキャラクターとして登場するドラマには出てくる可能性が高いです。
よくスニッチをする子供の事を「telltale」と言います。それでは、実際のイギリス人の使い方を例文で確認してみましょう。
to tell on someoneの使い方 例文
A: Benjamin drew graffiti on the desk!
(ベンジャミンは机に落書きをしたよ!)
B: Let’s tell the teacher on him!
(先生にスニッチしようよ!)
A: You ate all the biscuits! I’m going to tell mummy on you!
(あなたはクッキーを全て食べたでしょう! お母さんに言うよ!)
B: Nooooo! Don’t tell on me!
(いやだ! お母さんにスニッチしないでよ!)
to dob someone inの意味と使い方
次に紹介する「to dob someone in」は子供だけではなく、大人も使います。「dob」は「ドッブ」という発音になります。この表現はイギリス英語だけではなく、オーストラリア英語でもよく使われます。
残念ながらこの表現の由来は不明ですが、時代的には1950年代から使われているそうです。「dobber」は「スニッチ」や「他人の秘密をばらす人」という意味になります。それでは、実際の使われ方を例文で確認してみましょう。
to dob someone inの使い方 例文
A: That man is shoplifting! He just put that packet in his coat pocket!
(あの男性は万引きしているよ! 彼は今パケットをコートのポケットに入れたんだよ!)
B: Let’s dob him in to the security guard.
(警備員に言おうよ。)
A: Listen. I’m going to throw a sickie tomorrow. Don’t tell anyone.
(ねえ。私は明日病気のふりをして仕事を休むよ。誰にも言わないで。)
B: Don’t worry – I won’t dob you in.
(大丈夫だよ。私はスニッチしない。)
to grass someone upの意味と使い方
もう一つの言い方は「to grass someone up」という表現です。この表現の由来はコックニー・ライミング・スラングだそうです。その昔、ロンドンのギャング世界では、警察のニックネームは「grasshopper」(バッタ)だったそうです。
そのことから、「grass」という動詞ができました。「grass」は「警察にスニッチする」という意味になります。
現在、ロンドンのギャングスターだけではなく、色々な人が使う表現になっています。子供でも、大人であっても「to grass someone up」という表現を使います。
そして、「警察にスニッチする人」は「a grass」といいます。それでは、実際のイギリス人の使い方を例文でみてみましょう!
to grass someone upの使い方 例文
A: Where is Dave? I haven’t seen him since last year.
(デイヴはどこにいる?去年以来会ってないね。)
B: He’s in the nick. His mate grassed him up.
(彼は刑務所にいるよ。友達が警察にスニッチしたって。)
A: Why does everyone hate Mike? He seems a nice guy.
(マイクはなんで皆に嫌われているの?良さそうな人なのに。)
B: He’s a grass. Apparently, he grassed up his brother for drug dealing.
(彼はスニッチだよ。ドラッグディーラーの弟のことを警察に密告したらしい。)
アメリカ英語では「スニッチする」は何と言う?
アメリカ英語にも「スニッチする」という意味になるアメリカ英語特有のスラングがあります。それは「to rat someone out」という表現です。ちなみにこれはイギリス英語でも通じます。
そして、他にも「to tip off (the police)」という表現や、「to snitch on someone」という表現もあります。これは日本語の「スニッチ」の由来ですね。これもイギリス英語で通じます。
この「snitch」は名詞としても使うことができます。名詞として使うと「警察にスニッチする人」という意味になります。
「to whistleblow」という表現もありますが、これは少しだけ違うニュアンスになります。この表現は「不正を告発する」という意味になりますので、例えば「ブラック企業の情報を告発する」という意味として使います。そして「不正を告発する人」のことを「whistleblower」という言い方になります。
まとめ「密告する」という意味になるイギリス英語ボキャブラリー
イギリス英語では「スニッチする」という意味になるボキャブラリーが多いです。最もイギリス英語っぽい表現はとしては。
- to tell on someone
- to dob someone in
- to grass someone up
以上の3つが特にイギリス英語っぽい言い方ですね。この三つの表現を覚えておくと、イギリス英語の会話だけではなくテレビドラマや映画がもっとわかりやすくなると思います。
今回紹介したボキャブラリーは「句動詞」です。句動詞に興味があれば、私が書いたこちらの電子書籍を是非ご覧下さい。