英語をタイピングする時にピリオドの後に二つのスペースを打つ必要がある?
今回の記事では当サイトの読者の方から頂いた質問に答えてみたいと思います。今回のテーマは「英語のスペースの扱い方」に関するテーマになります。
この記事を書く際に私も色々と調べる必要がありましたので、結果として色々とルーツを知るきっかけになり勉強になりました。それでは実際に頂いた質問はこちらになります。
読者の方の質問
こんにちは。英語表現や生活スタイルコラムなど、いつも参考にさせていただいています。
今回は、ピリオド後のスペースについて質問させていただきます(過去、既に同じ質問が送られていたらごめんなさい)。先日公開されたばかりの「Darkest Hour」という映画を見ました。
第二次世界大戦中のWinston Churchillが首相に就任した数日間の記録映画で、歴史的背景、英国の国会の議論、国王の苦悩、首相・大臣の責任及び重大な判断への経緯などと共に、イギリス上流社会の英語表現、肩書で呼ぶのかFirst Nameで呼ぶのか等々についても、興味が尽きることなく見ることができました。その中で、新たに雇った秘書に対してChurchillは、タイプするときは必ず「Double Space」でと強調していました。
これは映画の字幕表示では行間を空けるような説明になっていたように記憶しているのですがこれは誤りで、ピリオド後のスペースの個数のことを言っているのではないかと疑っています。。。
それに関連して、私はパソコンで英文を書くとき、ピリオド後は常に2個のスペースを入れていますが、イギリス人は学校ではどのように習うのでしょうか。
そのスペースを1個・2個入れることを、英語ではSingle/Double Spaceというのでしょうか。また、フォーマル・カジュアル、口語・文語、時代背景、地域などで運用が異なることがあるでしょうか。また、「Double Space」がピリオド後のスペースではなく、(字幕の言う通り)行間を1行空けるようなタイプスタイルは、昨今の世の中ではあまり見られないのではないかと思います。
これはタイプライター時代に特徴的な表現方法なのでしょうか。少々長くなりましたが、よろしくお願いします。
まずはご質問ありがとうございました。そして、いつも当サイトを見て頂きましてありがとうございます。それでは頂いた質問に答えてみたいと思います。先ずは英語をタイプする際に使う「スペースのルール」について話したいと思います。
英語をタイピングする際のルール
私は中学校の頃にOffice Skillsという授業を受けていました。私が通った学校の授業には一般の基礎科目以外にも面白い選択授業がありました。私はアートや音楽などの科目に全く興味なかったので(笑)。将来的に一番使えそうな「Office Skills」という授業を選択しました。
そして、この授業は私が社会に出た後に役に立ちました。その授業はとても厳しい先生が担当していて「スピードタイピングやビジネスレターの書き方」などの「秘書・オフィス向けのスキル」を学びました。そのため当時のクラスメートは今でもハイスピードなブラインドタッチでタイピング可能だと思います(笑)。
その厳しい先生によると「ピリオドの後には必ず二つのスペースを入れる必要がある」そうです。ですから、私は今でも英語をタイピングする際に必ずピリオドの後に「double space」を入れます。
それがその先生のルールなのか、一般的なルールなのか分からなかったので、私は改めて英語のスペースのルールを調べました。英語圏の様々なウェブサイトを調べた結果、「ピリオドの後に入れるスペースの数は決まっていない」ようです。しかし、新聞社や出版社によってもスタイルが異なります。
上記のWhen is a rule not a rule?によると、昔の印刷会社はピリオドの後にスペースは1つしか入れませんでした。しかし、タイプライターが使われるようになった頃、ピリオドの後にダブルスペースを打つ習慣が出てきました。その理由としてはそれぞれの英文字は太い文字でも細い文字でも同じサイズになったからです。
そのため「i」や「l」などの「細いプロポーション」の文字の回りにはスペースが空いてしまいます。その空いたスペースの「バランスを取るため」にピリオドの後に二つのスペースを打つという習慣が出来たそうです。
80年代から90年代の間にタイプライターの代わりにパソコンのワードプロセッサーが使われるようになりました。しかし、その時代のタイピングの先生はまだタイプライターの「ルール」を使っていましたので「ピリオドの後にダブルスペースを打つ」という「常識」が続きました。
今回の記事のまとめ:英語のタイピングをする際のルール
説明が長くなってしまいましたが、まとめると、「ダブルスペース」というルールは特に決まっていません。シングルスペースを使っても大丈夫です。しかし、私のように90年代にタイピングを覚えた人は殆どの場合、ダブルスペースを使うと思います。
映画 Darkest Hourのタイピングスタイルについて
次は、映画のスクリプトについてちょっと話してみたいと思います。私は「Darkest Hour」という映画をまだ観ていませんが、面白そうなイギリス映画なので絶対に観たいと思います。
Darkest Hourのトレーラー
私はこの映画を観ていないので、その「double space」の話の文脈は分かりません。ですから、私は映画のスクリプトを調べて読んでみました^^。
「double space」に関するシーンは映画の最初の方に出てくると思います:
「double space」の話が出てくるシーン
「And be prepared to type fast – short bursts – and double-spaced, he hates single-spaced–hates it! Good luck. 」
これは「John Evans」という秘書が言うセリフです。彼は新しい秘書にWinston Churchillの好きなタイピングスタイルを説明しています。
私は映画のセリフを読んだ際に「どういったダブルスペースについての話なのか?」という事が残念ながら分かりませんが、おそらく「単語と単語の間にダブルスペースを打つ」という話だったのではないかと思います。
また、タイプライターの話になりますが、この記事の最初でも説明した通りに当時のタイプライターを使ったライティングでは、文字のプロポーションのバランスを取るために単語と単語の間に2つのスペースを取っている人がいました。
Winston Churchillの好きなタイピングスタイルは「単語と単語の間にダブルスペースを空ける」というスタイルだったんだと思います。つまり、「I am Winston Churchill.」ではなく、「I am Winston Churchill.」 という「double-spaced」スタイルを好んでいたようです。
以上になりますが、頂いた質問は期待通りの回答になりましたか。他にも質問があれば是非ご連絡くださいね。