イギリス人がよく使うアイロニーとアンダーステイトメントの使い方を詳しく解説
実は今回の記事の内容は読者の方から頂いた質問が元になっています。このIrony(アイロニー)とは「事実とは逆の表現を用いて事実をいっそう印象づける表現」といった表現です。文章の説明だけでみるとなんだか難しそうなコンセプトですね。^^
多くのイギリス人の会話ではよくアイロニーを使います。一般的にイギリス人の会話において、アイロニー、ユーモア、皮肉めいた言葉等はとてもよく使われますね^^
これはまさにイギリス人の国民性、典型的なイギリス人の話し方と言っても良いのかもしません。ですから、イギリス英語を勉強している方は、アイロニーの使い方を理解しておくべきではないかと思います。
そして、アイロニー、ユーモア、皮肉めいた言葉は、必ずと言っていいほどイギリスの映画やドラマの台詞に出てきます。それでは、早速読者の方から頂いた質問に答えていきましょう。
読者の方の質問:
こんにちは。ironyについて質問です。イギリスではironyを使って会話することがありますよね。
先日、私がFacebookで,「My neighbour went out without turning off his alarm clock. How annoying.」的な内容のひとり言を投稿すると、
外国人の友達(非英語話者)が、「Beautiful day」というコメントを残しました。(これがironyかどうかも私には分からないのですが、)
もしこのようなironyを言われたらどのように反応するものなのでしょうか?
ironyを真に受けて怒ったようなふりをするべきなのか、それともそのままironyにのるべきなのか。
長くなりましたが、要は、イギリス人は普段ironyに対してどう反応するのか知りたいです。よろしくお願いします。
先ずはご質問ありがとうございました。そして、いつも当サイトを読んで頂きありがとうございます。先ずは最初にそのFacebookの文章を分析していきましょう。
イギリス英語のアイロニーはどう使う? 意味やニュアンスは?
読者の友人の方から実際にアップされた文章の内容は以下のようになります。
My neighbour went out without turning off his alarm clock. How annoying.
(隣人は目覚まし時計を消せずに出かけた。むかつくね。)
つまり、隣の人の目覚まし時計はずっと鳴っていましたし、消す方法がなかったのでこの方は凄くイライラしていたようです。実は元の文章は「ironyではなく”understatement”」になると思います。
Understatementとは「控えめな言葉・表現」です。誇張する表現の反対で、控えめに表現する事によってかえって強い印象を与える言い方、表現です。
これは英語圏のネイティブでも特にイギリス人が好む表現です。たとえば「good」という部分を「not bad」と言ったり「very thoughtful」を「not unthoughtful」と表現したりします。
また、元の文章の「How annoying」という部分はunderstatementを表すとても良い例です。「How annoying.」は少しソフトな表現だと思います。この方がFacebookにアップするほどイライラしている場合、普段は「How annoying」よりも強い言葉を使うはずですね。
例えば、例文で説明すると以下のような言い方になると思います。
The noise is driving me crazy!!!
(その音のせいで頭がおかしくなっているよ!!!)
また、「How annoying」という部分は本当の気持ちをよりソフトに伝える表現ですね。こういった部分をみるとイギリス人は「understatement」をよく使いますね。
例えば、イギリス人は本当に暑い日には「It’s quite warm today, isn’t it?」(今日は結構暖かいですね)という表現を使います。
そして、凄く美味しいケーキを食べた時には「This cake’s not bad!」(このケーキは悪くないね)という表現を使います。こういった言い方を好む点はちょっと癖のある国民性と言っていいと思います(笑)。
それでは、Facebookにアップされたポストに戻ります。その外国人方は、元のポストに対して「Beautiful day」(美しい日)という返事をしました。
おそらくこの方は英語圏の方ではないと思いますが、イギリス人が使うアイロニーに詳しい方だと思います。何故なら、それは「返事にironyを使おうとした」からです。
しかし、言葉の選び方が少しだけ外国人っぽいと思いました。例えば、もしそれがイギリス人であれば下記のようなメッセージを書くと思います。
イギリス人が使うアイロニー例文:
How considerate.
(思いやりのある人ですね。)
How thoughtful of him/her.
(思いやりのある人ですね。)
Sounds like you’re having a good morning.
(あなたは良い朝を過ごしているみたいですね。)
Ironyを使う際には「実際に思っている事と反対の意味を書く」という事が一般的です。目覚まし時計を消さない人は思いやりのある人ではないので、英語で「How considerate」と書きます。
他にもironyを使う時があります。例えば、友達が凄く不機嫌な顔をしている場合、「You look happy! What’s wrong?」(あなたは幸せにみえるね!どうしたの?)というコメントを言えばいいと思います。
それ以外に天気が凄く悪い日に「Nice weather again!」(また良い天気ですね!)という皮肉った言葉としても使えます。
アイロニーに対する返答の仕方は?
”Ironic(アイロニー的な)コメントを言われた際には、どういった感じで反応すればよいでしょうか? 私の意見では、「それに対してironicな事を言い返した方がよい」と思っています^^
Facebookにアップされた話を例として使うと、このような流れになります:
アイロニーに対する返答の例文
A. My neighbour went out without turning off his alarm clock. How annoying.
(隣人は目覚まし時計を消せずに出かけた。むかつくな。)
B. How considerate.
(思いやりのある人ですね。)
A. Yes, he’s a very thoughtful bloke.
(そうですよ。とても思いやりのある奴です。)
また、天気の話を例として使うと、以下のような感じになります。(※とても寒い日や雨が降っている日など。)
A. Nice weather again.
(今日もいい天気だね。)
B. Tropical, eh.
(熱帯的な天気だよね。)
こういった話の後に、本音の話に戻ってもいいと思います。会話相手もアイロニーばかりを言うとしつこく感じるようになると思いますのでこの辺りはさじ加減が必要でしょう(笑)。
それではこれで以上になります。今度、イギリス映画やドラマを観る際にはアイロニーとunderstatementを探してみて下さいね。他にも質問がある方は以下のページから是非ご連絡くださいね!