芸能ニュースやネットメディアでよく目にする3つの流行語
当サイトでは定期的に新しく英語辞書に付け足された新単語を紹介してきました。例えば過去には以下のような流行語について触れました。
他にも色々と紹介してきましたが、今回の記事でも最近メディアでよく目にする新英単語を紹介したいと思います。その単語とは「Nepo baby」と「debanking」と「sportswashing」になります。知っていると意外と役に立つと思いますので、意味だけは理解しておいた方がよいのではないかと思います。
- nepo babyは「親が有名人だった有名人」=「二世タレント」
- debankingは「人・組織の政治的な意見が理由で銀行口座が凍結される」
- sportswashingは「国や会社がスポーツイベントやスポーツのスポンサーを通じて評判を良くする行為」
nepo babyの意味と使い方
まずは最初にnepo babyという表現を紹介したいと思います。これは「親が有名人だった有名人」、所謂「2世タレント」という意味です。例をあげると色々な人がいますが。
- デーヴィッド・ベッカムの息子(ブルックリン・ベッカム)
- ウィル・スミスの息子(ジェイドン・スミス)
- フィル・コリンズの娘(リリー・コリンズ)
- ジョニー・デップの娘(リリー・ローズ・デップ)
この人達は良い例ですね。この人達はおそらく親が有名人ではなかったら、子供達はそこまで有名になったのかどうかという疑いが残りますが(笑)。親の名声を利用して芸能人・モデルとしてキャリアを作った人たちの良い例です。
nepoは英語のnepotismという単語の省略です。これは「縁故主義」という意味になります。babyは単純に「あかちゃん、子供」という意味になります。
それでは実際の使われ方を例文でみてみましょう。
nepo babyの使い方 例文
A: What is Brooklyn Beckham famous for?
(ブルックリン・ベッカムは何で有名なんですか。)
B: I don’t know. He’s just a nepo baby. He is only famous because his dad was a footballer and his mum was a Spice Girl.
(よくわからない。親が有名だから有名人になった。お父さんがサッカー選手で、お母さんがスパイスガールズのメンバーだったから有名になった人だよ。)
A: So many famous people these days are nepo babies.
(最近、多くの有名人は有名人の子供だよ。)
B: Really? Who?
(本当? 例えるとだれ?)
A: The actress Lily Collins is a good example. Her dad is the musician Phil Collins.
(女優のリリー・コリンズは良い例だね。お父さんはミュージシャンのフィル・コリンズだよ。)
debankingの意味と使い方
最近、イギリスやアメリカ、カナダではdebankingという問題が増えています。これは「人・組織の政治的な意見という理由で銀行口座が勝手に凍結される」という意味になります。
例えば、Nigel Farageというイギリス人の政治家は2023年に自身の銀行口座が勝手に凍結されました。その理由としては、「彼の政治的な意見は銀行の政治的な意見に合わない」という理由だからだそうです。
この差別的な行動は「debanking」と呼ばれるようになりました。de-という接頭辞は「離れて」や「脱~」という意味になります。
このNigel Farage以外にもdebankingの例はあります。Triggernometryという人気のポッドキャストも同じ問題に直面しました。このポッドキャストは色々な政治家やジャーナリストをインタビューする人気ポッドキャストです。「言論の自由」を認めるポッドキャストですが、このポッドキャストの管理人が利用していた銀行は、その番組の意見が気に入らなかったようで銀行口座を凍結したようです。
debankingは名詞ですが動詞としても使うことができます。つまり、debank、debankedという動詞の形としても使えます。
それでは実際の使い方の例文を紹介したいと思います。
debankingの使い方の例文
A: Did you hear about Nigel Farage being debanked?
(ナイジェル・ファラージの銀行口座が銀行により凍結されたというニュースを聞いた?)
B: Yes. I don’t agree with his opinions but banks shouldn’t have the power to do that.
(うん、聞いたよ。私はファラージさんの意見に同意していないけど、銀行にはそんな権利はないはずだと思うけど。)
A: Do you think people should be debanked because of their political opinions?
(政治的な意見で銀行口座が凍結されてもいいと思いますか。)
B: No, I don’t. I think it is a form of discrimination.
(だめだと思います。それは差別だと思います。)
sportswashingの意味と使い方
次に紹介するsportswashingはwhitewashingという表現が由来になっています。whitewashingは「欠点を隠すためにごまかす」という意味になる表現です。元々は「汚い壁を隠すために白いペンキを塗る」という意味でした。
sportswashingは同じような「ごまかし」という表現に関係する意味があります。これは「国や会社がスポーツイベントやスポーツスポンサーシップを通じて評判をよくする」という表現です。
例えば、2022年のサッカーワールドカップはsportswashingのよい例だと思われています。カタールという国は世界から人権問題が多いと考えられています。LGBTの人達は権利がないし、移民労働者の人権問題も多く抱えている国です。
それをごまかすにカタールはお金を出してワールドカップを行い世界での評判を良くするためにサッカーというスポーツを使用しました。これをsportswashingといいます。
sportswashingの使い方 例文
A: Why did Qatar want to hold the World Cup?
(なんでカタールはワールドカップを行いたかったんだろう。)
B: Sportswashing. They wanted to improve their image.
(スポーツを通じてのごまかしだよ。イメージアップしたかったからだろう。)
A: Does sportswashing work?
(スポーツを通じてのごまかしは効くかな。)
B: I don’t know. Maybe. Many people enjoyed the World Cup in Qatar. Maybe its image improved.
(わからないね。多分効く。多くの人はカタールのワールドカップを楽しんでいた。だぶんイメージは良くなったかな。)
それでは今回はこれで以上になります。イギリスのメディアやSNS、ニュース、映画・ドラマ等をみていて「こんな言葉が出てきたけど何て意味なの?」という単語や表現がありましたら是非質問して下さいね。ご連絡お待ちしています✉