イギリス人が使う「quite」とアメリカ人が使う「quite」の意味と使い方の違いについて徹底解説
皆さんこんにちは。ブリティッシュEigoのMairiです。今回の記事では「イギリス英語とアメリカ英語の違い」というテーマである単語の使い方を紹介したいと思います。今回紹介する単語は「quite」になります。
読者の皆さんは。中学校の頃「quite」という英単語の意味を勉強したと思いますが、中学校の教科書を見てみると「quite」は「とても」という意味になる単語として紹介されています。
つまり、「very」と同じ意味の単語として紹介されています。しかし、イギリス人の私はそれを見て「違うよ!」と思ってしまいます。何故なら、イギリス人は日常会話で「quite」を「very」と同じ意味として使いません。
イギリス英語の日常会話で使われている「quite」は「結構」や「ある程度」というニュアンスを与える単語として使います。それはまさに“結構”違う使い方になりますね(笑)。
それでは、今回の記事では、イギリス英語とアメリカ英語の「quite」の使い方の違いについて詳しく紹介していきたいと思います。
それに合わせて「quite」の他の意味と使い方、その他の関連する単語についても紹介していきたいと思います。
アメリカ英語の「quite」の使い方と意味
アメリカ英語で「quite」はどの文脈であっても「とても」、「完全に」、「すごく」という意味になります。「quite」は副詞で「程度」を表す単語なので形容詞と一緒に使う強意語です。
つまり、形容詞を「強調させる」単語です。例えば、「good」は「良い」という意味になりますが、アメリカ英語で「quite good」は「とても良い」という意味になります。
アメリカ英語の「quite」の使い方の例文:
He ran quite fast.
(彼はとても速く走りました。)
It was quite cold yesterday.
(昨日はとても寒かったです。)
Taro’s English is quite good.
(太郎の英語はとても上手です。)
My girlfriend is quite pretty.
(僕の彼女はとてもかわいいです。)
実は日常会話でアメリカ人は「quite」をあまり使いません。上記の例文では「quite」の代わりに「pretty」(かなり、とても)を使うアメリカ人は多いです。
イギリス英語の「quite」の使い方と意味、発音
一方、イギリス英語の「quite」の使い方はアメリカ英語よりも複雑です。イギリス人が使う「quite」には一般的に「結構」、「ある程度」、「まあまあ」という意味があります。
つまり、「very」ではなく「fairly」と同じ意味になる単語です。
イギリス英語の発音はカタカナで表現すると「クワイツ」になります。上記に紹介した例文をイギリス英語にすると意味が異なります。
イギリス英語「quite」の使い方の例文:
He ran quite fast.
(彼は結構速く走りました。)
It was quite cold yesterday.
(昨日はまあまあ寒かったです。)
Taro’s English is quite good.
(太郎の英語はまあまあ上手です。)
My girlfriend is quite pretty.
(僕の彼女はまあまあかわいいです。)
イギリス英語で「quite」を使う際の例外
上記の例文では「quite」は「まあまあ」、「ある程度」というニュアンスを与えます。しかし、場合によって「quite」はアメリカ英語と同じように「very」という意味になります。
イギリス英語で「quite」と一緒に出てくる形容詞が「比較の形をとれない形容詞」であれば、「quite」は「very」という意味になります。
例えば、「excellent」(優れた)、「beautiful」(美しい)、「correct」(正しい)といった形容詞は「比較の形をとれない形容詞」です。
これらは、もうすでに「最上級・最大限」の単語なので「まあまあ美しい」や「ある程度優れた」という表現はおかしいですよね。
ですから、「quite excellent」、「quite beautiful」、「quite correct」はイギリス英語だけではなく、アメリカ英語でも「完全に~」、「すっかり~」という意味になります。
イギリス英語で「quite」を使う際の例外の例文:
You are quite right.
(あなたは完全に正しいです。)
He was quite awful.
(彼は本当にひどい人でした。)
The view was quite amazing.
(景色は素晴らしかったです。)
His performance was quite brilliant.
(彼のパフォーマンスはとても素晴らしかったです。)
「quite a few」、「quite a lot」という表現
「quite a few」と「quite a lot」という二つの表現はイギリス英語、アメリカ英語の日常会話によく出てきます。実は両方とも同じ意味になります。
「few」という単語には「少ない」という意味のイメージがあると思いますが、「quite a few」は「沢山」という意味になります。
「quite a few」、「quite a lot」使う際の例文:
There were quite a few people at the supermarket this morning.
(今朝スーパーに人が多かったです。)
I had quite a lot to drink last night.
(私は昨日の夜お酒をたくさん飲みました。)
I made quite a few mistakes.
(私は間違えが多かったです。)
He has had quite a lot of problems at work.
(彼は仕事でたくさんの問題がありました。)
イギリス人が「全くその通りだ!」という表現をする際の「quite」
「quite」は場合によって「全くその通りだ」という意味として使う事が出来ます。この場合には「形容詞を強調する単語として使わない」ので、そのまま「quite」を”一つの表現“として使います。
この「quite」の使い方は「冷たくて皮肉めいた」ニュアンスを与えます。例文を通して使い方を覚えときましょう。
A:Your husband is a fool!
(あなたの旦那はバカだよ。)
B:Quite.
(その通りです。)
A:I shouldn’t have drunk that much beer last night.
(昨日そんな大量のビールを飲まなくてよかったのに。)
B:Quite.
(それはそうだろう。)
A:You should never have married her.
(あなたは彼女と結婚しない方が良かったよ。)
B:Quite. But it’s too late now.
(それはそうだけど。もう遅いね。)
イギリス人がよく使う「quite」を含む表現
イギリス人もアメリカ人も「quite」という単語をよく使いますが、フレーズによってはイギリス人の方がよく使うフレーズがあります。
下記の表現はアメリカ英語よりもイギリス英語でよく使われている「quite」を含む表現ですので、イギリス英語学習者の方は覚えておくと役に立つと思います。
- quite right (それは正しいです)
- quite simply (簡単にいうと)
- quite frankly (正直に言うと)
- quite clear (当たり前)
イギリス英語の「quite」とアメリカ英語の使い方のまとめ
まとめると、アメリカ人が使う「quite」は必ず「とても」、「すっかり」、「完全に」という意味になります。
イギリス英語の使い方はもう少し複雑ですね。「比較の形をとれる形容詞」と一緒に使う場合には「quite」は「まあまあ」という意味になります。
そして「比較の形をとれない形容詞」と一緒に使う場合「quite」は「完全に」、「すっかり」という意味になります。そして、イギリス人しか使わない「quite」を含んだ表現が沢山あります。
しかし、それらのイギリス英語の表現の多くは、アメリカ人は違った単語で表現する傾向があります。例えば、アメリカ人は「quite」の代わりに「pretty」、「super」、「real・really」などの強意語を使う傾向があります。
そして、アメリカ人は「まあまあ」、「ある程度」という意味を表現する際に「quite」ではなく「fairly」を使います。