イギリスの現代史に興味がある方にお勧めの映画「パレードへようこそ」のレビューと作品を分析します!
皆さんこんにちは。ブリティッシュEigoのMairiです。今回の記事では久しぶりに私が観た「イギリス映画」についての感想と、映画中で使われたイギリス英語を紹介してみたいと思います。
最近、色々な用事が重なってしまい映画を観る時間が中々取れませんでした。しかし、今週末にとても面白くて素敵なブリティッシュ英語の映画を観ましたので、是非、皆さんにもお勧めしたいと思って紹介してみようと思いました!
この映画は「パレードへようこそ(英語タイトル:Pride)」というタイトルの映画です。「パレードへようこそ」は2014年に上映された映画ですが、舞台は1980年代のロンドンと南ウェールズです。
イギリスの現代史に興味を持っている方はこの映画はお勧め出来ます。この映画は本当に起きたストーリーに基づいて作られていますので、1980年代のイギリスについて色々勉強になると思います。
私もこの映画を観る前にこの映画に起きた事について全く知らなかったです。そして、イギリス英語に興味を持っている学習者にもお勧めします!
それでは、映画のあらすじ、キャスト、セリフについて紹介してみたいと思います。
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パレードをようこそ あらすじ
マーク・アシュトンは20代のゲイの男性です。北アイルランド出身ですが、ロンドンで暮らしています。彼と他のゲイの友達は同性愛活動家です。
1980年代のイギリスは現在と違い、ゲイとレズビアンの人達にとって辛い環境でした。カミングアウトした人達は、頻繁に攻撃されたり、警察にバカにされたりしました。
ですから、同性愛者の人たちの権利のために戦う必要がありました。ロンドンのゲイ・プライド・パレードの前に、マークは警察がいつも少ないという事に気がつきます。
ニュースを観ると、ロンドンの警察は炭鉱労働者のストライキに行ったという事が分かりました。
マークはゲイの人達と炭鉱労働者は「同じ敵と戦っている」と考えて、炭鉱労働者を助けようと考えました。ゲイ・プライドのパレードでマークと友達は炭鉱労働者のために寄付のお金を集めます。
そして、友達と一緒に「LGSM」という活動団体を作ります。「LGSM」とは「Lesbians and Gays Support the Miners」(=炭鉱夫支援同性愛者の会)というスローガンの頭文字略です。
マークたちはストライキをおこなっている炭鉱労働者の組合に募金を送ろうとしますが、マッチョな考えの炭鉱労働者はゲイの人達の支援は必要ないと言っています。その事から、マークはランダムに炭鉱の町を選んで直接連絡します。
彼が選んだ町は南ウェールズの「オンルウィン」という小さい村です。その村の代表者(ダイ・ドノバン)は、彼の支援に感謝して炭鉱労働者のための募金を受け取ります。
ダイはゲイバーで面白いスピーチをしてロンドンのゲイの人たちから応援されます。オンルウィン村の女性たちは募金をしてくれた事に感謝を表すためにLGSMのメンバーを村に誘います。
しかし、ほとんどの炭鉱労働者はLGSMの支援について反対しています。LGSMは村に着いたら暖かい歓迎を受けません。
しかし、パーティーのイベントでLGSMメンバーのジョナサンのディスコでのダンスを見て、尊敬し始める炭鉱労働者が現れてます(笑)。LGSMと村の人たちは少しずつ打ち解けて仲良くなっていきます。
残念ながら、中にはLGSMの活動をまだ反対している村の人も残っています。その女性は新聞社に連絡してLGSMと炭鉱労働者組合の関係について伝えます。次の日、新聞にそのストーリーが掲載される事になりました。
メディアにバカにされた炭鉱労働者組合とLGSMは良好な関係を続けるのか? 炭鉱労働者のストライキは終わるのでしょうか?
これ以上、あらすじを紹介してしまうと映画を観る価値がなくなってしまいますので、あらすじについてはこれで終わりにしたいと思います(笑)。
パレードへようこそのトレーラー
パレードへようこそのキャストについて
この映画のキャストは主にマイナーなイギリス人の俳優・女優ですが、何人かは有名な人も出てきます。LGSMのメンバーのゲシンはアンドリュー・スコットという俳優に演じられています。彼は大人気ドラマのシャーロックに出演しています。彼はモリアーティーの役を演じる俳優です。
そして、ビル・ナイというイギリス人の俳優はオンルウィンに住んでいるクリフ・バリーというキャラクターの役を演じます。ビル・ナイはこの映画の為にとても上手にウェールズ訛りを話します。
パレードへようこそに出てくるイギリス英語
この映画はロンドンとウェールズのオンルイウィン村が舞台の中心なので、色々なイギリス英語の訛りが出てきます。オンルウィンの人たちは南ウェールズの訛りで話します。
ロンドンに住んでいるLGSMの人たちは色々な地域から来ている人達なので、彼らにも色々なイギリス英語の訛りがあります。マークは元々は北アイルランド出身なので、北アイルランドの訛りで話します。
ゲシン(アンドリュー・スコット)というキャラクターは、ウェールズ人なので、彼もウェールズ英語の訛りで話します。他のキャラクターはマンチェスター訛り、ヨークシャー訛り、ロンドン訛り等で話します。
この映画のセリフはイギリス人によって書かれたので、イギリス英語のボキャブラリーが沢山出てきます。
映画中に出てくるイギリス英語のボキャブラリー
- copper = 警察(スラング)
- mate = 友達
- lad = 男子、少年、男
- sod = 奴
- quid = ポンド
- pouf/poof = ゲイ(差別用語ですが「LGSM」の人を皮肉ったように使います)
- bloody = くそ!
- cheers = ありがとう
- take the piss = バカにする
- bugger = 野郎
- gobby = うるさい(人)
- bollocks = バカ話
現代のイギリス:ゲイの権利と炭鉱労働者について
この映画は1980年代のイギリスが舞台です。80年代のイギリスと今のイギリスはかなり違います。80年代のイギリス国内では「ゲイの権利」は全く理解されていませんでした。
当時のゲイの人達は「変態」として考えられていました。現在のイギリスでは、ゲイの人達はストレートの人たちと同じように結婚できますし、養子をもらう事も出来ます。ホモフォビアは犯罪です。ゲイの権利は法律で守られいています。
逆に炭鉱労働者は殆ど消えていますし、オンルウィンのような村は残念ながら閑散としています。オンルウィンの炭鉱には数百人の炭鉱労働者が働いていましたが、現在では炭鉱がありません。
オンルウィンは現在、お年寄りしか住まない町になっています。
パレードへようこそを観る方法
私はこの映画をU-NEXT(ユーネクスト)という映画サービスで観ました。字幕があるので、ウェールズ訛りが聞き取れなくてもこの映画を楽しめます(笑)。
他の視聴方法として、アマゾンで日本語字幕付きのDVDも販売されていますので、興味があれば是非ご覧下さい^^