イギリスでよく使う天気に関するスラング、表現
皆さんもご存じのようにイギリスの天気は雨ばかりで何となく酷いイメージがありますよね。しかし意外にもイギリスの夏の時期は湿気が少なく気温も丁度良いので日本の夏よりはずっと凄く過ごしやすいです。そのため私は毎年の夏は出来るだけ湿気の多い日本を避ける為にイギリスにいます(笑)。
イギリスは「雨がよく降る国」というイメージがありますが、ロンドンと東京の雨量を比べると東京の方が多いです。そのためイギリスの天気はそんなに悪くありません。しかし『天気が非常に変わりやすい』ことから、一定の期間だけイギリスに滞在している観光客にとってその事が理由で天気が悪いというイメージを与えていると思います。
イギリスの天気は変わりやすいので、天気に関するテーマはイギリス人にとって「スモールトーク」をする上で会話の良いテーマとして使いやすいです。この事から、イギリス英語では多くのユニークな天気関係の単語と表現が出来上がりました。そこで今回はイギリス英語特有の天気関係の単語・スラング・表現を紹介したいと思います。
balticの意味と使い方
この『baltic』という単語は「バルト海と同じくらい寒い」という意味になります。スラングとして使われています。
balticの使い方 例文:
You should wear a coat – it’s baltic outside!
(あなたはコートを着た方がいいよ。外はめっちゃ寒いよ!)
dreichの意味と使い方
この『dreich』は「寒くて曇っている」という意味になります。発音は「ドリーク」となります。この単語はスコットランド英語の単語です。ちなみにこの天候はスコットランドではよく起きる現象です(笑)。
イングランド人はこの単語はあまり使いませんが、スコットランドに行くとよく耳にすると思います。それでは実際の使い方を確認してみましょう。
dreichの使い方 例文:
It’s a cold, dreich day today and it’s going to be the same tomorrow.
(今日は寒くて曇っていて明日も同じ天気になるでしょう。)
haarの意味と使い方
この『haar』とは「海から来た濃霧」という意味になります。発音は「ハー」となります。
この単語はスコットランド、イングランドの東海岸のエリアでよく使われます。
イギリスとスカンジナビアは「北海」(The North Sea)という海で隔てられています。この海は寒く霧が深い日が多いです。北海から来る霧は「haar」と呼ばれています。この単語のルーツは不明ですが、元々古ノルド語(昔のスカンジナビアの言語)ルーツの単語だと考えられています。
haarの使い方 例文:
The haar is rolling in from the North Sea.
(濃霧は北海からやって来ている。)
to gritの意味と使い方
この『to grit』という単語は「道路に砂・砂塵を撒く」という意味になります。この動詞と関係する単語はイギリスの冬の季節によく耳にすると思います。
イギリスでは日本と違い車にスノータイヤやチェーンを付ける習慣がありません。そのため雪が降った日や、道路が凍ってしまった日にはトラックがやってきて道路に特別な砂を撒きます。
この砂は塩が混ざっているのでタイヤが滑りにくくなります。gritという単語は元々名詞で「砂」、「砂塵」という意味でしたが現在は動詞としても使われています。砂を撒くトラックは「gritter」になります。
to gritの使い方 例文:
It’s going to snow tonight so I think they’ll grit the roads.
(今夜は雪が降りそうだから彼ら(市役所のトラック)は道路に砂を撒くと思います。)
※アメリカ英語では代わりに「to sand」や「to salt」という動詞が使われています。
rained offの意味と使い方
この『rained off』は「スポーツ試合・イベントは雨で中止になる」という意味になります。この表現は主にイギリスの夏でよく使用されます。クリケットというスポーツはイギリスでは夏のスポーツですが、雨の日に出来ないスポーツです。
この為「クリケット試合は雨で中止になった」などのフレーズはよく耳にします(笑)。勿論、クリケットだけではなく他のイベントやスポーツ試合が雨で中止になる可能性もありますが、クリケットは特に雨に敏感な競技です^^。アメリカ英語では「rained out」という言い方になります。
rained offの使い方 例文:
I planned to go and watch the cricket today but it was rained off.
(私は今日クリケットの試合を観に行く予定だったけど雨で中止になった。)
scorcherの意味と使い方
この『scorcher』とは「とても暑い日」という意味になります。イギリスの夏は比較的涼しく過ごしやすい気候ですが、時々暑い日もあります。例えばロンドンの夏の平均温度は24度くらいですが、たまには30度くらいに上がる日もあります。
こういった日には新聞やテレビ等のメディアは天気について騒ぎたて様々なボキャブラリーを使います。そのような際に使うボキャブラリーとして、scorcherは良い例の一つです。
scorchという単語は直訳すると「焦がす」という意味になります。この事から「scorcher」という単語は「人を焦がす日」=「とても暑い日」というスラングになりました。
scorcherの使い方 例文:
It’s going to be a scorcher today!
(今日はめっちゃ暑くなるよ!) ※この単語は新聞見出しによく出てきます。
参考リンク:「Phew, what a scorcher! Kent set for soaring temperatures this weekend」
sizzlerの意味と使い方
この『sizzler』とは上記のscorcherと同様に「とても暑い日」という意味になります。sizzleという単語は元々は擬音語で「シューシュー」や「ジュージュー」という音(意味)になります。
例えば「ソーセージをフライパンで炒めている時の音」というイメージです。この為「sizzler」は「肌をジュージューと焦がす日」=「とても暑い日」という意味になりました。
sizzlerの使い方 例文:
イギリス英語: It was a sizzler yesterday and I got really sunburnt.
日本語: 昨日はとても暑くて凄く日焼けしてしまった。
※「sunburn」と「suntan」の意味を間違えないようにしましょう。「sunburn」は「焼けど」という意味になります。つまり「日に当たって肌が赤くて痛くなる」という意味です。
「suntan」には良いニュアンスがあります。ニュアンス的には「日に当たって肌がきれいな色になる」という意味で使われています。suntanは痛くないです。
私はとても肌が白いのでsuntanは出来ません。その代わりにfreckles(そばかす)が出てきます(笑)。