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「あなたを抱きしめる日まで」を観た感想と映画で使われたイギリス英語とアイルランド英語の分析

「あなたを抱きしめる日まで」を観た感想と映画で使われたイギリス英語とアイルランド英語の分析
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「あなたを抱きしめる日まで」映画を観た感想と映画で使われている英語を分析してみました!


今回の記事では、私が最近観たイギリス映画を紹介したいと思います。実は、これはイギリスの映画という事より、イギリスとアイルランドの映画と呼んだ方がよいのではないかと思います。

この映画の主役はフィロミナ・リーというアイルランド人の女性ですが、ストーリーの舞台は主にイギリスとアイルランドとアメリカになります。

この映画はある事実に基づいて作られた映画なので、ストーリーはとても感動させられます。フィロミナの悲しいストーリーを観て涙が出てしまう人は多いのではないかと思います。


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「あなたを抱きしめる日まで」のあらすじ



フィロミナはアイルランド人ですが、現在イギリスに住んでいます。フィロミナの年齢ははっきりと紹介されていませんが、おそらく70歳くらいだと思われます。彼女は看護師でしたが、もう既に引退して一人の娘(ジェインさん)と一緒に暮らしています。

ある日、フィロミナは家で小さい子供の写真を見ています。娘のジェインはその写真を見て「これは誰?」と彼女に聞きました。

フィロミナは、「これは私が若い時に生んだ息子ですよ。今日は彼の50歳の誕生日です」という驚きのニュースを告白します。実はフィロミナには若い時結婚せずに産んだ子供がいました。

フィロミナの親は、その恥ずかしいニュースを聞いて自分の妊娠している娘を見捨てて家から出してしまいます。フィロミナは田舎の女子修道院に行かされます。


その女子修道院は「シングルマザーが集まるホーム」です。修道院では、シングルマザー達が尼さんのために洗濯物を洗ったり、家事をさせられたりしています。

シングルマザーたちは自分達の子供に一日に1時間しか会えません。尼さんは厳しく、全く優しくありません。彼女達が修道院から出たいなら、尼さんに100ポンドを支払わなければなりません。


修道院で生まれた子供たちは結局は養子になります。子供が出来ない夫婦は修道院から小さい子供を譲り受けます。フィロミナの息子は2歳くらいの頃に知らない夫婦に譲り渡されてしまいます。

フィロミナはその日から自分の息子の「アンソニー」を見ていませんし、彼が元気なのかどうかも、何処でどうやって暮らしているのかも全く知りません。


ジェインはその悲しくつらい話を聞いて自分のお母さんを助けたいと思いました。偶然、その夜ジェインはパーティーでマーティンというジャーナリストと知り合います。

マーティンは最近仕事で首になり新しいプロジェクトを探しています。ジェインの話を聞いてフィロミナのストーリーに興味が出てきます。


マーティンはフィロミナと一緒にアンソニーを探すという事を約束します。





これ以上説明してしまうととストーリーが全て分かってしまいますので、ひとますここで終わります(笑)。この映画に興味があれば是非観て下さいね^^。とても感動的なストーリーです。

そして、イギリス英語やアイルランド英語の勉強にも良いと思います。




「あなたを抱きしめる日まで」の文化的な背景



フィロミナのストーリーはとても悲しいものですが、残念ながらこういったストーリーは当時とても多かったのです。1950年代のアイルランドはとても保守的な社会なので、結婚しないで子供を産む事は「罪」として考えられていました。

かつてのアイルランドでは、彼女と同じように数百人(もしかして数千人)のシングルマザーは同じような女子修道院に行かされました。多くの子供達はアメリカ人やイギリス人の夫婦に引き取られました。

そういった子供達は養子になると名前が変えられ、本当の母親を探す事が出来なくなりました。そして、修道院で死んでいった親子も多かったそうです。


養子が母親を探しに来る時期になると、修道院で暮らしている尼は多くの場合、カトリック教会を守るために大切な書類を燃やして証拠を隠滅していました。ですから、養子が母親を探しに来ても情報が残っていない場合が多かったです。

フィロミナが行かされたような修道院は当時多くありました。そういった修道院は「Magdalene Laundries」と呼ばれました。そこに来たシングルマザーや売春婦は給料をもらわないで、まるで奴隷のようにランドリーで働いていました。

この「あなたを抱きしめる日まで」という映画以外にも、同じテーマで他の映画が作られています。例えば、「マグダレンの祈り」も同じテーマの映画になります。






「あなたを抱きしめる日まで」に出てくる英語



フィロミナの役を演じている映画007のM役でお馴染みのジュディ・デンチという女優はアイルランド人ではありませんが、この映画のためにアイルランド英語の発音で話しています。彼女のアイルランド訛りは意外と上手です。

アイルランド英語に慣れていない英語学習者には、少し難しいと感じるかもしれませんが、集中して聞くと自然と聞き取れ慣れてくると思います。


マーティンというジャーナリストはスティーヴ・クーカンという俳優が演じています。クーガンは元々コメディアンなので、この映画にも優しく軽いユーモアを入れています。

この映画のテーマは真面目で重いですが、フィロミナとマーティンの関係は結構面白いやり取りがあります。


私はこの映画を観る時に英語で音声を聞いていますが、日本語の字幕も同時に読んでいます。その際に私は時々翻訳の間違いに気が付きます。多分、字幕を書いた翻訳者は「イギリス英語に慣れていない」という理由からなのか、微妙な間違いが出てきます。


例えば、フィロミナは「smart」という単語を使いますが、私の意見では、彼女はイギリス英語の意味(小奇麗、身なりが良い)として使っていました。

しかし、よくよく字幕をみてみると、アメリカ英語の意味になっていました(頭が良い、鋭い)。


参考:「イギリス英語とアメリカ英語の比較:イギリス英語の「smart」とアメリカ英語の「smart」は意味は違うんでしょうか?


もう一つのミスは「guards」という単語です。神父は「We’re going to call the guards, unless you leave here immediately!」という台詞を言っています。

日本語訳をみていると、「出て行け守衛を呼ぶ」になっています。しかし、アイルランド英語では「guards」は「守衛」という意味ではなく「警察」という意味になります。

アイルランドの警察は「police」ではなく、「Garda/Gardai」と言います。これはアイルランドのゲール語です。アイルランド英語の日常会話では、警察は「the guards」や「garda」と言います。

よく考えるとアイルランドの田舎の女子修道院に「守衛」がいるとは思えませんよね(笑)。

参考:「アイルランドの国家警察


この映画を観る際には次のボキャブラリーが役に立つと思います。

  • adoption・・・養子縁組み
  • convent・・・女子修道院
  • nun・・・尼
  • believe・・・信じる
  • forgive・・・許す、勘弁する
  • grave・・・墓
  • confession・・・告白、懺悔
  • church・・・教会
  • bible・・・聖書


この映画には他にも多くのアイルランド英語特有の単語が出てきます。例えば、「eejit」(バカ)、「fecking」(クソ~)などのアイルランド英語のスラングがよく出てきます。

参考:「イギリス英語学習者にも役に立つアイルランド英語の単語と例文・使い方を紹介



「あなたを抱きしめる日まで」を観る方法



私はU-NEXT(ユーネクスト)という動画サービスのマンバーなのでu-nextで観ましたが、日本語字幕付きのDVDはありますし、他の動画サービスを通しても観る事が出来ると思います。

マーティンが書いた本もありますのでストーリーに興味があれば彼が書いた本はお勧めです。





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