特別な休暇、年休という意味のイギリス英語
多くの方は、動詞の「leave」(残す、出発する)の使い方はご存じだと思います。しかし、イギリス人は名詞として「leave」をよく使います。
名詞として使うと「休み」という意味になりますが、アメリカ英語ではこの使い方はあまりしません。そのため、今回の記事では、イギリス英語の「leave」の様々な使い方を紹介したいと思います。
annual leave(年休)の意味とニュアンス・使い方
先ずは最初に「annual leave」という表現を紹介したいと思います。この表現は「年休」という意味になります。
この表現はイギリスの会社・職場でよく使われますし、日常会話にもよく出てきます。しかし、アメリカ英語ではこの表現をあまり使いません。多くのアメリカ人はこの代わりに「paid vacation」という言い方を使います。
「annual」は「毎年の」という意味になります。つまり、「一年の間に取れる休み」というニュアンスとして使います。また、「take annual leave」(年休を取る)や、「be on annual leave」という二つのパターンは特によく使います。
それでは、実際のイギリス人の使い方を例文で確認してみましょう。
annual leave(年休)の使い方 例文
A: Are you coming into the office tomorrow?
(あなたは明日オフィスに来ますか。)
B: No, I took annual leave so I’ll be back in the day after.
(いいえ。私は年休を取りましたので明後日に戻りますよ。)
A: Where’s Michael today? Is he not coming in?
(マイケルは今日どこ? 仕事に来ないの?)
B: No, he’s on annual leave, apparently.
(こないよ、彼bは年休を取ったらしい。)
study leaveの意味とニュアンス・使い方
イギリスの学生は重要な試験の前に「study leave」(試験準備休暇)を取得します。この「study leave」という表現はイギリスで使われていますが、アメリカでは同じような表現はありません。
そして、「study leave」は学生だけではなく、勉強しながら働く会社員にも使われます。例えば、その昔、私がある会計事務所で働いていた際に、年休以外にも「試験準備休暇」を取る事も出来ました。
その当時私は一年間で「15日間の勉強用の休み」をもらう事が出来ていました。こういった休み中もちろん給料をもらいます。その時間を利用して会計士試験に関する勉強をしていました。
このような休日を「study leave」といいます。私は当時、トータルして「25日間の年休と15日間の試験準備休暇」を取得する事が出来ました。もちろん、全ての休みをしっかりと消化していました(笑)。
それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう!
study leave(試験準備休暇)の使い方 例文
A: Is Steven not going to school today?
(スティーブンは今日学校行かないの?)
B: He doesn’t have to go to school. He’s on study leave.
(彼は今日行く必要ないよ。試験準備休暇だからだよ。)
A: Do you have any plans for your day off?
(仕事の休みに何かする予定ですか。)
B: It’s not a holiday, it’s study leave. I have study for my exam next week.
(休みではなく、「試験準備休暇」ですよ。来週の試験のために勉強しなければなりません。)
gardening leaveの意味とニュアンス・使い方
次に紹介する「gardening leave」は一見すると少し変な表現ですね。しかし、「庭でガーデニングするための休暇」という意味ではありません!
この表現は元々婉曲表現だと思いますが、本当の意味としては「同業他社に転職する社員に対して、元の企業が即座の転職を阻止するために与える有給休暇」という意味になります。
ちなみにアメリカ英語ではこの表現は使われていません。代わりに「paid suspension of work」といった表現をよく使います。
この表現を会話で使う場合「be on gardening leave」というパターンが多いです。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で見ていきましょう!
gardening leaveの使い方 例文
A: When does the new manager start?
(新しいマネージャーはいつから仕事をスタートするの。)
B: He’s on gardening leave at the moment. I think he starts in April.
(彼は今「転勤する前の有給休暇中」です。彼の仕事はじめは4月からだと思います。)
A: What happened to Sue? She hasn’t been in the office for a while.
(スーはどうなりましたか。最近オフィスに来ていないですよね。)
B: She quit. She is on gardening leave now until she can start her new job.
(彼女は退職しましたよ。今は新しい仕事が始めるまで有給休暇中だそうです。)
leave to remainの意味とニュアンス・使い方
次に紹介するイギリス英語特有のフレーズは「leave to remain」という表現です。この「leave」は「許可」という意味になります。このフレーズは「永住権」という意味になります。
イギリスにずっと住み続けたいという人は永住権を申請する必要があります。永住権を取得した後には在留カードが発行されます。このカードには「indefinite leave to remain」という表現が記載されています。
アメリカ英語では、この永住権の事を「green card」と言います。それでは、実際のネイティブの使い方を例文で確認してみましょう。
indefinite leave to remainの使い方 例文
A: Are you in the UK on a study visa?
(学生ビザでイギリスに滞在していますか。)
B: No, I’ve got indefinite leave to remain.
(いいえ、永住権を持っていますよ。)
A: Is it difficult to apply for indefinite leave to remain?
(イギリスの永住権を申し込む事は大変ですか。)
B: Yes, it takes a lot of time and money.
(そうですよ。沢山の時間とお金がかかりますよ。)
まとめ:名詞の「leave」の意味と使い方
まとめると、「leave」は一般的に動詞として使う単語ですが、名詞として使うと「休み」や「許可」という意味になります。そして、これは主にイギリス英語で使われている単語です。
しかし、場合によってアメリカ英語でも使われる事があります。例えば、「産休」はイギリス英語、アメリカ英語ともに「maternity leave」と言います。
そして、イギリス英語、そしてアメリカ英語ともに「absent without leave」という表現も使います。これは「休暇なしで欠席」という意味になります。「AWOL」(発音:エイウォル)という頭文字略もよく使われます。
以上になります。イギリス英語や英語の勉強に関する質問があれば、是非ご連絡くださいね!